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31、モフモフが大好きなため 巨大植物と戦う

 メアリーたちは森の果てに行き着いた。数メートル高い岩壁が視界に入る。


「道がなくなっちゃったよ。せっかくここまで来たのに……」

「まぁ、落ち着いて、きっとどこかに道があったはずよ」


 周り道を探している時、キツネが岩壁に向かって「コンコン」と鳴いた。


「レオラちゃん、キツネちゃんは何かを見つけたらしいよ」


 壁のところに行き着いて、そこに三つの小さな窪みが目に入る。


「この形、何処かで見覚えがある……あっ!さっきの破片じゃないか?」

「あぁ、そうだ!さすがメアリーちゃん。では、これを入れって」


 破片を入れると壁がぐらぐらして崩れる。元のところに先ほどのモンスターと同じ色の扉が目の前に現れた。


「この色……嫌な予感がする……」

「アハハ……またあれか、二度と戦いたくない敵っすね」


 悩んでいる際に、キツネがメアリーの胸で藻掻(もが)いて、扉に向かって鳴き続ける。


「キツネちゃん、もしかしてお母さんが扉の向こう側で待っているかしら?」


 キツネが目を凝らして頷いた。


「どうやら入るしかないよね。レオラちゃん、どうしょう?」

「うん……まぁいいっす、何とかなるさ~」


 メアリーたちは扉を力を込めて開けると中に入る。

 天井の高く広い部屋であり、地面に先ほどモンスターと同じ植物がはびこる。


「やっぱりあいつだ!!!」


 メアリーの声はまだ消えていない、背後で扉が閉まる音がする。

 そして、周りの植物が次々とモンスターになってから、真ん中に集まる。

 あっという間に、数十体のモンスターは全部集めり、黄色い光を放つと変形し、巨大な醜悪な花となった。触手みたいな蔓を振り回して二人を睨みつける。


 過度な視覚的な衝撃で、メアリーは即座に立ったまま失神状態に陥ってしまった。


「うわぁぁ!メアリーちゃんが気絶しちゃった!まぁいいや、おいらでボスをやる!最初はそう決めたからな」


 レオラはキツネの頭を撫でる。


「それじゃ、メアリーちゃんを頼むよ、キツネちゃん~」

「コンコン~」

「女神の施し!そして、速度上昇(スピードアップ)!」


 レオラは二重のオーラに覆われて、メイスを持って敵へと突進する。


 ボスが叫ぶと魔法陣が輝き、にょろにょろの蔓が次々に地面を突き破り現れ、レオラに襲い掛かる。


「遅い!」


 レオラは走りながら軽やかに体を動かすと、襲いかかる蔓を難なく躱したが、蔓が勢いのままに背後にいるメアリーに襲い掛かる。


「マズイ!光の障壁!」


 レオラがスキルを使うとメアリーの前に薄い(カーテン)が現れ、攻撃を食い止める。

 しかし、このスキルは攻撃を無効化するのではなく、ただ遮るだけなのだ。つまり、障壁が消えるとメアリーはすぐやられてしまう。

 レオラが即座に戻ってメアリーを助けようとしているところに、キツネが鳴き出すと火の玉が次々と現れ、蔓を焼き尽くしていた。


「助かったよ!キツネちゃんは頼もしいね」


 ボスは再度蔓を伸ばして攻撃してくる。メアリーはキツネに守られているため、何の問題でないのだ。

 レオラは次々と襲い掛かる蔓を躱しながら進めみ、ついにボスのところにたどり着いた。


「よく暴れてるよね!今回はおいらのタンーだよ!くらえ!」


 レオラはメイスを振り回して、超高速で叩き始める。

 ボスは全ての蔓を物凄いスピードで攻めかけるが、レオラは篠突く雨のような攻撃を避けながら攻め続ける。実は、途中で何回も攻撃に当たられたが、不思議なほどダメージを受けなかったのだ。

 最初は何のダメージも与えていないが、ヒットが増えるに伴って、ボスのHPバーが勢いよく減りつつあった。


「もうすぐ半分か?断末モードに入らせるつもりはねぇよ!天使の怒り!」


 レオラが叫ぶとボスの上に六枚の翼を持ち天使が現れる。


『神の裁きを受けなさい!』


 天使が唸ると三本の光の剣が空からボスに突き刺さるが、ダメージを与えなかった。

 [天使の怒り]では敵が次に受けるダメージを倍になるデバフスキルである。

 レオラの計算は次の攻撃が当たるとHPバーが3割弱ぐらい減る。倍になると一撃で最後断末モードをスキップして倒すことなのだ。


「この一撃で成敗!!!」


 レオラは力を込めて猛烈な勢いで攻め続ける。

 ボスのHPバーが急激に減りつつあるが、あっと僅で倒されるところで止まってしまった。


「何で死んでねぇよ!!ムカツク!!」


 行動パターンの変わったボスが鋭い声を叫ぶと、地中から大木が折れるような音が響いて、大地が波のように揺れる。

 周りの地面がどんどんひび割れ、太い根茎が現れてレオラを空中へと打ち上げてしまった。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!アレ、何でダメージがないの?」


 さっきの攻撃はただ空中に打ち上げるためだけなのだ。続いて鋭い槍のような蔓が次々と地面を突き破って、レオラに襲いかかる。


 さっきの地震によって、メアリーがやっと意識を取り戻した。目に入るのは、やられる寸前なレオラであった。


「レオラちゃん!危ない!!」


 メアリーが即刻に捨て駒石を投げ出すが、もう間に合わなかったのだ。


「レオラちゃん――――っ!!!!」


 レオラは何の心配もない顔を見せる。


「メアリーちゃんは目が覚めたか?安心して、すぐこいつをやっつけるよ!」


 突き刺される瞬間に、レオラの靴につける白羽が軽く揺れる。レオラがふっと消えて、ボスの頭頂に現れる。


「これで最後だ!!!!!!!!」


 レオラは叫びながら渾身の力でボスの頭に叩きつける。

 巨大植物のHPバーはゼロになって、消滅した。


お読みいただきありがとうございます。


この度、自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。

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