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12-5 不気味な援軍

お待たせしました。週2更新です。思ったより時間が取れなく短めですが、金曜日にも投稿しますのでお許し下さい。


評価、ブクマして下さった方ありがとうございます。作品を作る活力になっています。


追記、季節調整しました。前の話も描写変更しました。

 

 見上げると照りつける日差し。冬なので気温は低いが重装備で動く俺達にとって、直射日光はじんわり暑くなってくる物だ。いや原因は直射日光だけでは無い。高ぶる気持ちが身体を熱くさせているのだろう。


 眩しい日差しを手で遮って、見えたのは全身黒装束の者達。前見たグレンと同じ格好だ。そう、言うなればーー“忍者“と言われている姿に近い。


 だが世間一般や俺がイメージしていた忍者では無い。忍者と言えば身体は黒い布で固め、目元だけ見える頭巾を装備した人を想像する。

 しかし目の前に展開する黒装束の者達は身体には同じく黒ずくめの服だが、身体の要所に真っ黒なプロテクターが見える。まさかAMAだろうか。

 AMA自体の入手はそう難しく無いがこのような付け方は初めて見る。

 面積が小さく軽い分、防御力には不安が残りそうだ。


 そして目元には黒いゴーグル。閃光弾対策だろうか。もはや表情を伺う事は出来ない。


 一人一人の違いを見分けるには体付きしかない。それにしても様々な体格の人が居るようだ。細身で小柄な人も居れば、ガタイが良い人も居る。それに女性も居るみたいだ。そんな多種多様な組み合わせに少し不安になる。


 俺と同じ気持ちだったのか敵が笑い出す。


「何だあれは? どんな奴らが来るかと思ったら家族連れでピクニックでも来たのかぁ? ほれ、避難するまで待ってやるぞ?」


 あからさまな挑発に敵の仲間達は面白おかしく笑い出す。


 だが馬鹿にされた“忍者“達は微動だにしない。だだ風に服を靡かせてこちらを見下ろすだけだった。


 挑発に乗ると踏んでいた敵は全く動じない忍者達にピタリと笑い声を止める。そうあの忍者達の異常さに気付いたのだ。


 俺も今気付いたのだが微動だにせず、こちらを見つめる様子に刃物のように鋭い何かを感じたのだ。


 みるみる敵の表情が先程までの真剣な物に戻っていく。


「……ほう。流石は“ヒーロー“と称したぐらいはあるようだ。だが俺らに負けるつもりは更々無いな」


 自信ありげに不敵に笑う敵達に俺の額から冷や汗が垂れる。


 こんな状況でも勝ちを信じて疑わない強い精神力に敵だけど賞賛を送りたい。そんな指揮官だからこそ部下から誰も悲壮感なんぞ感じない。

 俺もこんな指揮官に……


 自分の顔を再度引き締めるとグレンが手を上から振り下ろす。


「さあ、戦闘開始だ」


 その声と共に忍者達は建物から飛び降りたのであった。






 -----


 いきなり現れた敵の援軍に仲間の間に動揺が走る。それも不気味な装備をした奴らが現れたのだ。

 誰かが笑い飛ばして緊張を飛ばそうとするが不安が心の奥に残る。


 だが先輩の負ける気は無い、という言葉で部隊の不安は解消された。流石は精鋭隠密部隊だ。入ったばかりの自分でも引き込まれるカリスマ性だ。


 それに比べ、学生指揮官はまだまだだな。発想や機転は良さそうだが、如何せん場数が足りない。

 動揺が隠し切れてないし、部隊へのサポートも満足に出来ていない。これでは部隊は満足に戦えないだろう。


 だが、あの赤髪の男。あの男は謎だ。学生のはずなのだが、あの場慣れた雰囲気と余裕は何処から湧いてくる? そして何故あの男が指揮官では無いのだ? そして黒装束の指揮官らしいがどういう繋がりなんだ?


 尽きない疑問に我を忘れてしまいそうになっていたのに気が付いて、頭から追いやる。


 まあ良い。すぐに終わらせる。


 先輩の大きな背中を見て安堵しながら手に持つ剣を握りしめた。






 -----


 建物の上から飛び降りた黒装束達は軽やかな着地後、散開し素早さを活かして乱戦に持ち込んでいこうとしていた。

 誤射が怖かったがグレンが首を横に振って攻撃を続けるよう言ってくる。


「気にしなくて良い。誤射に当たるほど俺の仲間は(やわ)じゃない」


 仲間を見つめるグレンを瞳には自信が見えた。なら俺は仲間であるグレンの言うことを信じるだけだ。


「全軍、そのまま攻撃を続行!! 敵の防御の手を緩ませるな!!」


 敵のウォールシールドに次々とこちらの魔法がぶつかって炸裂していく。その間に黒装束達はウォールシールドを中和して敵の隊列の中に入っていく。

 そして乱戦になり始める。


 ウォールシールドで守りながらの撃ち合いから、次第にこちらへの攻撃の手が緩んでいく。

 黒装束達は敵の隊列の中を駆け回り、一人また一人とウォールシールドで手が離せない敵にナイフを突き刺して始末していく。


 敵は隊列組んでるが故、誤射を恐れて魔法を黒装束達に撃てない。手持ちの得物で対抗するが黒装束達に軽くあしらわれている。近接戦ではエリート部隊を上回ると言うのか。

 いや、黒装束達はまともに戦っていない。応戦しようとする敵から逃げ、ひたすらウォールシールドを張る魔法師を攻撃している。

 ネズミのようにちょこまかと逃げ、嫌な部分を攻撃する。正に忍者だ。


 そして迎撃出来ていない事を知った敵魔法師は次々と自分の身を守ろうとウォールシールドを解除して得物を抜いていってしまう。

 そうして手薄となったウォールシールドを見て勝敗を決する為に皆に号令をかける。


「これをグレンは狙っていたのか!! よし、全軍突撃!!」


 近接戦が得意な部隊と遠距離戦が得意な部隊に分かれ、攻撃を始める。誤射が怖いがこれが最大限活かせる配置だ。遠距離部隊には敵が固まっている所や、離れようとしている奴に攻撃するよう伝える。敵に陣形を立て直す時間は与えない!!


 敵に雪崩れ込んだこちらの部隊を見て何人かの黒装束達は乱戦から離れ、建物の上に戻る。そして取り出したのは小型のクロスボウ。


 クロスボウとは弓の一種で同じく矢を飛ばす武器である。弓は人の手によって飛ばす物がほとんどだが、クロスボウは機械仕掛けで飛ばす。

 弓の方が魔力伝導率が高いがクロスボウは射程、速度、連射速度、命中精度で上回る。

 弓は魔法とセットが前提で、クロスボウは通常でも使いやすいと言った所か。


 クロスボウで次々と矢を放っていく黒装束達。もちろん魔法によって強化されており、敵のAMAを易々と貫いていく。


 脅威に気づいた敵が行こうとするが、乱戦していた黒装束達が間に入ってそちらには行かせない。この乱戦で見事な連携だ。


 その後はこちらが優勢で事が進む。実力は相手の方が上だが、数で押し込み、連携を取らせない。

 また黒装束達の撹乱で浮き足立っているのも大きい。


 このまま行けるのでは? と思った瞬間、敵の指揮官が咆哮を上げた。

 その咆哮はこの場に居る全ての者の意識を向けさせ、この場の雰囲気を一変させるには十分だった。


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