最終回
「オリヴィエ!おめでとう!」
青い空に向かってたくさんの花びらが投げられた。
オリヴィエの真っ白なベールに色とりどりの花びらが舞い落ちる。
ある晴れた日に、美しい海辺の街で
背の高い二人の結婚を祝うパーティーが行われた。
かつて、この街で少女時代を過ごしたオリヴィエと、その友人たちのために。
「あ、あのね。すごく、今更なんだけど…わたし…」
オリヴィエは、…オリバーは、かつて毎日を過ごした友人たちに、打ち明けられぬまま別れてしまった秘密を告白しようとした。
「いや、その、見れば分かると思うんだけど、騙してたわけじゃなくて。あの頃は本当に自分のことを…」
友人の一人が笑って、ぐっと背伸びしてオリヴィエの口を塞ぐジェスチャーをした。
2メートル近い二人は、女性ばかりに囲まれて、頭一つどころか、胸から上は飛び出ていた。
オリヴィエの女友達たちは口々に話しだした。
「オリヴィエ、言っていた通りの王子様に出会えたのね!」
「オリヴィエ、最高に綺麗!」
「オリヴィエ、幸せにね!」
オリヴィエ…オリバーは、うんうんとうなずいた。
そんなオリバーにレイリークはそっと頬を寄せた。
「どんな王子さまですか?」
「え。いやその…。」
友人達…かつての女の子たちは
鮮やかにかしましく笑った。
そのまわりには彼女たちの家族もいた。
かつての近隣住民もいた。
赤い髪の、背の高い、優しい綺麗な王子様と
オリヴィエはダンスを踊るの!
レディになるのよ!
かつて、確かにいた、そんな夢を持った女の子のことを
オリバーは懐かしく思った。
「その人は、ちゃんと名前も名乗ってくれたのです。
夢だと思って忘れてしまっていたけれど…」
赤い髪の背の高い新郎は微笑んだ。
「自己紹介しておいて正解でしたね。
オリヴィエさまの心に残ってよかった。
ではせっかくですから、踊りましょうか。」
レイリークの差し出した手に、オリバーは手を乗せた。
ある晴れた、気持ちのいい風が吹く日に
海辺の美しい街で
にぎやかなパーティーか開かれた。
人々は、かつてともに暮らした少女が
立派な青年をつれて故郷に戻ったのを歓迎した。
みんな、いつまでもいつまでも、
日が沈むまで、楽しく踊り続けた。




