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オリバーと風の精霊  作者: 問真
第二章 青いタイル
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背負えぬ重荷5

『エディン、リディアードさん。

申し訳ないけど、少しだけ、オリヴィエと二人きりにしてくれるか。』


ミネが引き上げたあと、シッキムは二人に頼んだ。


『…分かった。じゃあ、俺、リディアードさんを客間に案内してくる。』


『ありがとう。』


シッキムは、二人が部屋からでると、再び空間を閉じた。


そして、オリヴィエの額に触れた。


『オリヴィエ。オリバー。聞こえるかい。』


シッキムは、静かに、歌うように、話しかけた。


『オルハン・ウィルラルド・パンジェンシー。

君の生まれた時の名前だね。』


『オルハン、パーパからのお願いがある。』


『君の記憶を私に預けてくれないか?』


『君に、生きてほしいんだ。』


シッキムの歌が、虹色のリボンとなり、オリバーの体を包み、そうして消えた。


シッキムは、オリバーの体の上に浮いた、暁色の丸い光を抱くと、大切に懐にしまった。


それから三日間、オリヴィエの高熱は続き

四日目にようやく目を覚ましたとき


オリヴィエは、全てを忘れていた。


シッキムのことも、エディンのことも、

自分の名前も、言葉さえも。






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