「好きなひと?」 2010/10/15(金)
朝は良いお天気でしたが、日中は雲が多くて少し薄曇でした。
学校のお昼休み、購買のコロッケサンドを紙パックのコーヒで流し込んでいると、犬耳さんがやってわたしの前の席に後ろ向きに座りました。「あんた、好きな子とかいる?」っていきなり妙なことを言い出すのでちょっとびっくりしました。「恋バナですみゃ?」って猫耳さんもやってきて、わたしの隣の席に座りました。
「なんで突然そんな話を?」と犬耳さんにたずねたら、「なんとなく?」とちょっと犬耳さんは顔を赤くしました。よくわかりませんでしたが、お兄ちゃんなら大好きですと答えたら、犬耳さんも、猫耳さんも、なんだか妙に生暖かい目でわたしのことを見つめました。
お兄ちゃんが好きじゃいけないのでしょうか?
猫耳さんが「このクラスの中で好きな子いないみゃ?」って言ったので、教室をぐるりと見回してみました。なぜか、耳無さんと目が合いました。耳無さんは、ちょっと変わっています。
月光の下でも、本当の耳を伸ばそうとしないので、みんなには耳無さんと呼ばれています。好きってわけじゃないけれど、なんとなく、気になる人です。
犬耳さんが、わたしの見ている方を見て、「ふーん?」とつぶやきました。耳無さんは、犬耳さんの視線に気がつくと、こちらから目をそらしました。「青春ですみゃ?」と猫耳さんがよくわからないことを言ってニヤニヤしていました。
放課後、半分の月が薄い雲の隙間からぼんやり朧に浮かんでいるのを見て、今夜は餃子にしようと思いました。大きな餃子の皮を使って、大きな半月餃子をスープに入れて、半月水餃子にしてみました。ご飯のときに、突然お兄ちゃんに、大好きだよ、って言ったら、「愛してるぞー」って答えてくれました。なぜか、耳無さんの顔が、ちょっとだけ頭に浮かびました。
お題は「恋バナ」。耳無さんは遺伝子異常の起こっていない100%純粋な人間です。獣耳が当たり前の世の中では、ちょっと他人から距離を置かれることが多い人。うさみみさんはちょっとだけ気になっています。




