knowledge claim
昼寝をしていた。
唐突に「電池」が落ちたのだろう。
気がついたら、すでに夕闇の中だった。
荷物の整理も終わったし、あとは会社に実際に行くだけ。なんだかんだで持って来てしまったチケットやCDなども片付けてある。
窓の外はtwilightの世界。
月のない夜、新月。
New moonの夜は星が綺麗に見えるはずなのに、高速道路の明かりで、星があまり見えない。
先日受けたオーディションで獲得できるのは「曲を買う権利」。
最終的な決定理由として「彼ら」が夢みた世界を「社会科見学」することが目的だった。この曲が売れるか売れないか、ではなく、この人達が生業とした世界を体験してみたかった。
この権利を購入すると「プロデューサー」様にお会いできるらしい。ちょうどいいからチケットを購入したギタリストのコンサートに合わせてお会いする約束をお願いした。
入社して2週間で「有給休暇」申請。新人類になったな、俺。だいぶ勇気あるお願いだ。
体調はあまり良くはない。最期の「時間」、だいぶ無理をした。いくつか「機能的」に故障した部分があることはわかったが、悔いはない。俺は自分の意思で、好きでぶっ壊れた。
こうして書き続けることも明日には終わる。
そのあとも何か書きたいと思えるのだろうか。
ふらふらと街中に飛び出す。
駅前のパン屋さんがまだ開いていた。
いくつかパンを買いながら、ふと気がついた。
ここでも「音楽」が掛かっていた。
街中だけでも、そこらじゅうに「音」が溢れているのに「音楽」を聞く理由が、ずっと俺にはわからなかった。
だけど「音楽」はこうして「パン屋」という空間を彩り、区切っていた。聞こえる範囲内外を分ける「見えない区切り」であり、自由な出入りが出来る「空間の呼び水」であり「誘いの手」。
・・・「彼」はこのバンドの「ポスト」だと評価されていた。だけど「彼」は「違う」と言っていた。
そして「彼」は「この世界から旅立ち」、このバンドは「存続している」。
「ゆうかんな、恋の歌」、か。
随分と古い時代の音楽なのに、いまだに変わらず流れて、人の暮らしと共にある。
きっと、人の気持ちとかそういう「アナログ」は、ずっと、変わらないのだろう。




