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落とした鍵

視界から色が消える。


そっと、檸檬の香りを嗅ぐように息を吸う。

深く長く、花の香りで細胞を満たすように。


終わるときはいつも変わらない。

何も考えられなくなる。また、同じ世界に来た。


身体は事務的に動く。誰もいない白い空間から見つめる。

ただ、それだけ。何も思えなくなる。


どうせ、しばらくしたらまた、動き出す。


今はまだ、色のない世界の中。

凪いだ感情。瞳が何かを捉えても何も映さない。


次に醒めたら、何が見えるのか。

ただ、今は、まだこの色のない世界で眠っていたい。


苦い、苦しい、色のない、目覚めるまでの残り僅かな、瑞々しい檸檬の世界。

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