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幻にまぎれこむ殻

歯車ではなく、製品。魅力的なヒット商品。

部品に魅力はないが、製品は購買意欲を煽る。


All thy other titles thou hast given away; that thou wast born with.


夜の帳が下り始めている。

自動車の方が人間より多い街。ヘッドライトにテールランプが廃墟で構成されたdance floorを映し出す。


幕が降り切る前に、居場所に戻る。

蛍光灯が映し出すのは、小さな部屋と数箱の段ボール。


移動するまでに残された時間はそんなにない。調べ切れるか。まず情報は、wiki含めて全部嘘だというのが前提だ。


少なくとも事象として間違いないのは公布された法律や判決。それ以外は基本的にジャンク品扱いでトリアージをしていく。仕事以外では使わない思考回路を、仕事外で使う単なる「遊び」。


美容師の話はざっくりと調べた。

ほぼ事象とズレていない。つまり第三者からみた「証言」としての価値はあると判断した。


俺は「彼らのバンド」の全盛期を知らない。

ただ、記録されているギタリストの発言からは端々にヴォーカリストへの複雑な感情が読み取れる。


それは、ベーシストもドラマーも言い方が異なるだけで根底に流れるヴォーカリスト様への敬愛というか、魅了されたとしか思えない「何か」は変わらなかった。


この「はりぼて」感。着ぐるみの方がまだマシだと思うが、なんとなく感じるざらついた手触り。この奇妙な感覚。調べた俺自身の「苛立ち」からも、ヴォーカリストは「カリスマ」なんだろう。


いない。「そこに誰もいない」。


虚像。「実体」が被っている「何か」。

「視覚」と「触感」にズレがある。これだ、この感じ。

こっちを向いていない。俺の「苛立ち」の正体は、これか。


情報を喰らい続ける。

大量の情報を暇つぶしに消化し続ける中にある「違和感」。


マスターピースとしてはおかしい感覚。底本扱いの元マネージャーの本。文章は綺麗だが他の本と幾つか齟齬がある。なんというか、微かな反抗心というか「諦観」を感じる。


時間があれば検証するのだが、今はそこまで時間的に余裕がない。まずはヴォーカリスト優先でプロファイルを作成する。


いや、しかしAmazonってすごいな。金さえあれば、絶版本を下手したら当日に届けてくれる。活動停止中だから更新もされない。普通に「伝記」作成。いや「伝奇」か。意外と面白い。興が乗ってきた。


なんとなく、現時点で調べた限りギタリストの発言は他の2人とは違い、単なる敬愛は通り過ぎている。

何を見ているのか、わからない。


When we are born, we cry that we are come


そして美容師が言った「再結成はない」。

何故か、わかる気がした。

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