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フェデルス王国建国記  作者: 自堕楽
親衛隊/婚約編
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8話:覆してみせよう

「それで?バカとの婚約破棄のために俺達に協力してくれると言うことか?カミーラ」


「ええ、勿論ですわアレン様、私も貴方もこの件に関しては利害が一致しています、互いに協力をしない手はありませんわ。」


この計画を始めてから執務室に訪れる人間が増えたな、と思いつつも読みかけの資料を仕舞う


「良いのか?協力は助かる、が俺の計画に乗じたとなればお前の立場は明らかに悪くなる、王族の婚約者としての立場も使えなくなる。」


「構いませんわ、万が一にもアレク様が王となった時その妃となる方が私の立場は悪くなります、それに立場が使えずとも出来ることはありますもの。」


「確かに出来ることはある。そうだな、例えば貧民街の者に賃金と技術を与え孤児院を作らせると言うのはどうかな?貧民街の住民は仕事ができて賃金を得られ、親の居ない子供は無事に育つ為の環境を得られる。」


カミーラに目を合わせ、含みのある言い方をするアレン


「……知っていたのですね、私が行っていた事を。」


「貴族の不審な金の流れの調査なんて俺でも出来ることだ。」


以前から使い道の不明な貴族の金について調べていたが、最初はシャルロット公爵家にも不透明な金があるとは思っていなかった。


「てっきり、シェリーナが使っているものだと思っていたよ、お前らしい使い方と言えばそうだがな。」


「対して使い物にはならないような立場など、必要ありませんわ、私にはそんな見栄で作られたようなものより、大事にしたい物がある、何にも変えがたい家族の絆とこの国の未来ですわ、私は今後、何があってもアレク様を認めませんわ、絶対に。」


何時にもまして真剣な表情、昔から一度決めたことは頑として変えない彼女が自分から婚約を破棄すると言い出した

その事実からしても本気だと言うのはわかる


「それに、私も一度自由に過ごしてみたかったのですよ?愚者のお守りなどせずに自由に。」


すこし泣きそうに、だが吹っ切れたようにそう言ったカミーラの姿が一瞬、子供の頃の彼女と重なって見えた

カミーラさんだってやっぱり普通の女の子ですからね

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