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事態発生前の一悶着

この回は事件が起きる前の出来事を書いてみました。

楽しんでいただけたら嬉しいです。


ダイルの策略が始まる数分前。

コクトとヒノは街中にいた。


「これからどうする?」

「どうするっても、やることがないんだよな」

二人ともさっきまで近くの屋台で腹ごしらえを済ませたばかりだった。

目的が昼食だけだったためにやることが無くなってしまった。


「しかしよ。三日前にはあんな事件が起きたのにすごいよな」

街の様子を眺めていたヒノは感想を呟く。

「それほど、たくましいのさ。この街の人達は」

「そうか。そうだよな」

街には人が行き交い、商売する声が周囲から聞こえてくる。


(これが、平和ってもんだよな)

コクトはその様子を眺める。

「お前。何笑っているんだよ」

「笑っているのか」

「ああ。笑っているぜ。どうした。いい女でも見つかったのか」

「どうしてそうなるんだ」


「いいご身分ですこと。女性達を影から物色など」

貴族じみた口調が背後から聞こえてきた。

振り返ると二人の少女がこちらをやなものを見るような表情で見ていた。


ヘレネとアリシアだった。

学園の制服を着こなし、いつものように目の敵にするような目つきを向けてくる。

「これは、ヘレネ様。アリシア様」

ヒノが社交辞令のお辞儀をする。

「そのような挨拶不要です。ここは、身分など無い学び舎の園です」

アリシアはそれを止めさせた。

「では、アリシア様。一体何の御用ですか」

コクトが問う。

「いえ。女性達に変な笑みを向けている輩がおりましたので」

まだ、誤解が解けていなかった。

「アリシア様。それは誤解です」

「じゃあ。笑っていたのは、嘘だというの」

ヘレネが追及してくる。

「笑っていたのは嘘ではありません」

「そうじゃない。それをはぐらかすなんてよっぽど後ろめたい考えを抱いていた証拠でしょう」

だめだ。聞こえていない。

「では、僕の事を信用していないと思いますが、あえて言い訳をさせてもらいます」

「聞きましょう」

「笑っていたのは、事実です。それは認めましょう。ですが、笑っていた理由が違います」

「どう違うの」

ヘレネの睨みが、嘘を見抜くといった感じに見てくる。


「平和だなって思ったからです」


コクトの言葉にこの場が一瞬だけ静まり返った。

「あ、あはははははっ!!!」

アリシアが爆笑した。

ヒノはコクトの理由に返す言葉も忘れ、口をポカンと開けたままだ。

ヘレネも同様だった。

(おい。おい。美人が台無しだぞ)


「面白い方ですね。あなたは」

アリシアが腹を抑え、笑いを堪える。

「そうでしょうか」

「ええ。そんな言い訳をする人がいる事に驚きですよ」

どこにツボがあったのか理解できない。


「ヘレネ。どうですか」

「う、うん。嘘は言ってなさそう、多分・・・」


多分はちょっとひどいなあ。

しかし、ここで何かを言えばせっかくの立場が悪くなるためにここでコクトは黙る事を選ぶ。


「ごめんなさいね。嘘言っているようじゃなさそうね。こちらが浅はかでした」

「ご理解いただけて何よりです」

「しかし。お気をつけて下さいませ。私達から見るとそう思われてしまうことに」

「き、きをつけます」

信用してないのではと思ってしまった。

しかし、真意を問うのが恐ろしかったのでやめた。


「ほら。あなたも謝りなさい。ヘレネ」

後押しされる彼女。

その姿は、いじめも咎め、謝らせようとする母親と嫌がる子どものようだ。


「わ、悪かったわ」

目を合わせず、謝罪するヘレネ。

「いいですよ。気にしておりませんので」

それを受けいれるコクト。

「それでは、私達はこれで」

優雅な足取りでアリシアはヘレネを連れ、この場を立ち去る。


「いやはや。酷い濡れ衣だった」

「お前って、なんか軽いよな」

「そうか」

「普通はもっと怒ると思ったんだが」

「いいじゃないか。本人が気にしていないんだからよ」

「まあ。それならそれでいいけどよ」

ヒノは言うのを止めた。


「さてと。帰るか」

「そうだな」


歩きだそうとした。瞬間。


「!」

「おい。コクト!見ろ!」

ヒノの指差す先。そこにはランキング戦の闘技場で出現した魔方陣が現れた。

そして、カオスも出現した。

街は一瞬にしてパニックに包まれた。


「おい!コクト。ここは、・・・・」


ヒノは住民の避難を、と言いかけた。


「お、おい!コクト!どこ行ったぁーーー!」


声を掛けようとした彼がいなくなっていた。


「あの野郎!また逃げた」

彼の友人コクトは、毎度のことながら、よく逃げる。

ランキング戦といった学園の競技、そして肝心の実戦でも。


「あいつ。これで生き残ったら、今日の夕飯の五割はいただくぜ」

自分の神器を出現させて、カオスへと走り出した。


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