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第11章 ミサ学校に行く

次の日の朝・・・


「ウッチー、お・は・よ・う」

「ふぁ〜、おはよう・・ミサちゃんは朝から元気だね」

上夫の心の中では、大人姿のミサに起こしてもらいたかったようだ。


上夫は学校に行く準備をし始めた。

「ウッチー、どこ行くの?」

「学校だよ」

「ミサも行きたい」

「ダメだ。家にはセイヤと愛子いるから」

そう言って上夫は学校いった。


上夫の学校は自宅から徒歩30分くらいだ。


上夫が学校に着き、教室に入ると、上夫は驚いた!

なぜなら、ミサが教室にいたからだ。

ミサはすでにクラスメートと仲良くおしゃべりをしていた。


「何故、ミサがいるんだ!?」


「上夫、お前の彼女かわいいな〜」

「ホント、うらやましいよ」


「ち、違う・・コイツは従妹なんだよ」

「私、ウッチーの彼女だよ」

「うるさい!何で学校に来た!」

「面白そうだから」

「・・よく、ここが分かったな〜」

「ウッチーに気づかれないように、ほうきに乗って、空から後をつけた」

「とにかく、担任の教師が来る前に帰れ!」


そのとき、

ガラッ

と、戸を開ける音がし、担任の女教師が入ってきた。

名前は、柿井恵子(28)担当教科は英語である。


「ホームルームを始めます。席に着いて・・ん?そこの私服の子は?」

「す、すいません。僕の従妹で・・・勝手についてきちゃいまして・・すぐ帰らせます」


「上夫、ホントは彼女だろ!」

「いいじゃんか・・今日一日くらい」

「そうだ!そうだ!」

授業は始まっているのに、クラスメート達は騒ぎ始めた。


「静に!愛君、今日一日くらい先生が許可します。ちょうど、となりの席の山田君が欠席ですし」

「し、しかし先生・・」

「ウッチー、いいじゃない先生が許可してくれたんだから・・ありがとうございま〜す」

「・・分かった・・だけどおとなしくしていろよ」

「うん」


二時間目・・・


二時間目は日本史だ。

この教科の教師、木下猿吉(34)は、暴力教師で、すぐに暴力を振るうため、生徒達から嫌われている教師だ。


「愛上夫!」

「はい!」

「柿井先生から許可をもらったからって、いい気になるなよ!」

「す、すいません・・」

「(ウッチー・・私のせいで、怒られている・・ゴメンね!ウッチー)」


授業が始まって、しばらくすると、一人の男子生徒が居眠りをしていた。

だが、この生徒、家が貧しいため、休日や夜にアルバイトをして、学費を自分で払っている真面目な生徒なのだ。

だが、この教師には関係ない。

机を蹴飛ばし、起きた瞬間に、顔面にパンチが炸裂!

上夫はそれを見て、我慢できなかった。

席を立ち、

「ふざけんな!このエテ吉が!」

と暴言を言い始めた。

「何だ!その態度は!こっちに来い!」

上夫は拳を強く握り絞め、教師に殴りかかった。

「(ウッチー、そんなことしたら退学に・・)」

上夫の拳は、教師の顔面の近くまで来ていた。

だが、教師の顔面に当たる寸前に、教師は消えた。

そして、

ゲロゲロッ

と鳴き声がした。

上夫が下を見ると、カエルの姿になった木下がいた。

ミサが魔法で、木下をカエルにしたのだ。

上夫はすぐにミサの仕業と分かったが、他の生徒たちには何が起きたのか分からず、騒ぎ始めた。


3分後・・・

木下は元の姿に戻った。

木下も自分に何が起きたか、分かっていないようだ。

そして、チャイムが鳴り、二時間目の授業は終わった。


休憩時間に、上夫はミサを廊下に連れ出した。

「・・ウッチー、ごめんなさい。私のせいで怒られたりして、迷惑かけて・・・」

「・・いや、俺のほうこそありがとう・・ミサがアイツをカエルに変えなければ、俺はアイツを殴っていた・・そうなれば退学だった」

「じゃあ、まだ学校にいていいの?」

「ああ」


上夫は教室に戻り、クラスメートにミサが魔法使いだと説明した。


「ホントかよ!?」

「ウソだろう」

「でも、木下がカエルになったのを僕は見たぞ」

「私も・・」


「信じる、信じないは、勝手だが、このことは誰にも言わないでほしい。世間に知れたら大騒ぎになる」


「僕は信じるし誰にも言わないよ。だって僕が居眠りで殴られた時、上夫君は退学覚悟で僕をかばってくれた。」

「確かに上夫は弱いものを守ってくれるヒーローだ。俺も誰にも言わないぞ」

「私も」

「僕も」

「ウッチー、そして皆ありがとう」

「そのかわり、ミサちゃん私の友だちになってね」

「俺も頼む」

「僕も」

「良かったなあミサ、いい友だちが出来て」

「うん、ホントありがとう」


その時、

「いた、いた、ミサも一緒か・・」

と、言いながら、セイヤが教室に入ってきた。


「犬が喋ったぞ!」

再び教室が騒がしくなった。


上夫は、クラスメートにセイヤの事を説明した。

「信じる、信じないは、勝手・・いや、信じなくていいよ・・」


その後、喋る化け犬がいると世間で大騒ぎになった。




僕の通っていた専門高校では、暴力教師ばかり・・・

二度と戻りたくないです。

さて、そろそろ、職場の上司に僕の正体を明かす時が来たみたいです。

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