お泊まりと、伝えた思い
今日は、次の推しイベントの前日。
ボクは夏海と一緒に彼女の家にお泊まりすることになった。
ワクワクと少しの緊張が胸を行き来して、心がざわざわしている。
「みおちゃん、今日はゆっくりしようね!」
夏海の笑顔はいつも通り温かく、見ているだけで心がほっとする。
友達として一緒にいるだけでも安心するのに、今夜は少し特別な気持ちが混ざっていることに、ボクは気づいていた。
晩ご飯を食べて、趣味の話や明日のイベントの予習をしているうちに、夜は静かに深まっていく。
二人で座った布団の上、夏海が楽しそうに話す姿に、ボクの胸は少しドキドキしていた。
──友情だけじゃない、この気持ちはなんだろう。
勇気を出して、ボクは小さく息をつき、夏海の目を見つめた。
「夏海……私ね、ずっと言いたかったことがあるんだ」
夏海は驚いた顔でボクを見つめる。
「え、なに?」
言葉は少し震えていたけれど、自然に口をついて出る。
「私……夏海のこと、好き。友情だけじゃなくて、特別に……好きなんだ」
夏海は一瞬言葉を失ったように目を大きくする。
でも答えはすぐに返さず、ボクの言葉をそっと胸に留めてくれているように感じる。
その静かな時間に、心臓の鼓動だけが大きく響く。
「明日のイベント……楽しみにしてるから、答えはその時でいいんだ」
ボクは少し照れながらも笑顔を作った。
夏海は小さく頷き、にっこり笑う。
笑顔だけで、胸がほっと温かくなる。
友情の温かさと、告白した胸のざわつきが混ざり合い、心がふわっと軽くなる。
こんな気持ちは初めてで、ドキドキするけれど、同時に穏やかで幸せだった。
その後、二人はお泊まりらしい時間を楽しむ。
一緒に布団に並び、趣味の話を続け、推しの話で盛り上がり、明日のイベントへのワクワクを共有する。
笑い声が夜の静けさに優しく響き、心の距離は自然に近づいていった。
「ねぇ、みおちゃん、夜更かししちゃうね」
夏海が小さく笑いながら言う。
「うん、でも楽しいから大丈夫」
ボクも笑顔で答える。
この瞬間、友情の温かさと、ちょっとした胸の甘さが混ざり合い、特別な夜になっていることを実感する。
──友情でも、恋心でも、夏海と一緒に過ごす時間は、やっぱり特別だ。
夜の静けさに包まれながら、ボクは心の奥にそっと告白の思いをしまい、明日への期待を胸に抱いて眠りについた。
答えはまだ分からない。でも、伝えられたことだけで、胸はじんわり甘く温かい。
明日、答えを知る瞬間まで、この特別な夜の温かさをそっと抱きしめたまま。




