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四季の騎士のナイト様  作者: 有河 さくら
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12/13

番外編ー故郷ー

あ

ら

す

じ

里帰りした少女の話

ー物語が始まる1日前ー


 駅から一人、身長の低い少女が出てくる。服装は涼しげで白い麦わら帽子に水色のワンピースを着ている。


「うーん、久しぶり~」


 彼女は大きく深呼吸をして周りを見渡す。駅前ではあるが人けはあまりなく、建物よりも山々の自然が目立っている。


「ただいま、盛城町......」


 彼女は愛しそうに町々を見る。


「久々に故郷に戻ってきたんだから、少しぐらい寄り道しても罰は集らないよね!」


 そう言って少女は歩き始める。


「うーん、どこにしようかな......商店街に学校に盛城公園......うーん、悩むなー」


 少し悩んだあと彼女は近くにあったそば屋に行くことにする。


「悩んでても仕方ないし、とりあえずご飯を食べながら決めるとしましょう! おじさん、ざるそば一つお願いします!」

「はいよ! 少し待ってな!」


 店のおじさんは元気な返事をして仕事に取り掛かった。店の中は風通しがよく、風鈴の音が店の中をより一層涼しくする。


「はい! お待ち!」

「ありがとうございます」


 5分程度で注文したそばがテーブルの上に置かれた。彼女はその光景を確認すると笑顔を浮かべてお礼をする。


「ところでお嬢ちゃん、この辺じゃ見かけない顔だね観光かい?」


 おじさんは暇なのか、もしくは話すのが好きなのかさり気なく訪ねてきた、彼女はその言葉に笑顔で受け答えをする。


「いえ、私は今日盛城に引っ越してきたんです、多分これからお世話になると思うのでよろしくお願いします」


 彼女は礼儀正しく引っ越してきた事を軽く説明する。


「そうかいそうかい、新しい住民さんだったのかい、引越しは大変だったろう! 話しかけて悪かったね、ささ食べて食べて!」

「では、お言葉に甘えさせていただきます」


 おじさんはうっかりしてたようで彼女にそばを食べるように言い厨房に戻っていく。彼女は箸に手を伸ばしそばを食べる。


「ご馳走様でした! 美味しかったです」


 彼女はそばを食べ終わると、満足したような様子でおじさんに言う。


「あいよ! ありがとね、また機会があったら来てね!」

「はい、またお腹が減ったら来ます!」


 外に出るなり、迷わず次の目的地に歩き出す。


「とりあえずお腹もいっぱいになったし、盛城公園で故郷の景色でも満喫しますか......」


 彼女は公園に向かうため普通の住宅街を歩く、ここもやはり人けが少なく数人としかすれ違わない。都会ではこの数十倍は人が通り過ぎるので、それと比較するとやはりここは田舎なのだろう。


「ほんと久しぶりの景色」


 しばらくして目的地に付く、ここは盛城町で一番大きい公園で山のふもとにある。今の時期は紅葉が綺麗なので公園にあるロープウェイで山の上まで行く事ができるが、一応登山コースもある。しかし、観光客のほとんどは紅葉を見ることが目的なので登山をする人はあまりいない。


他には草野球のできるグラウンドと。基本的な遊具があるくらいで。大きいといってもふもとだけならそうでもない。彼女はふもとの遊び場まで来ると、青いベンチに座る。


「ここでよく、遊んでたっけ」


 砂場で遊ぶ子供を眺めてから彼女は昔の事を思い出すように瞳を閉じた。


「これぐらいで、どうかな? おにいちゃん」


 小さなかわいい子が、男の子に砂山を見せる。


「うん、このぐらい大きければ大丈夫、沙季姉もこれでいいよね?」

「そうだね......わたしもいいと思う」


 髪の長いかわいい女の子が言う。


「よし! トンネルほり開始! オレはこっちからほるから夏希はそっちからほって、沙季姉は山のうえをほる!」


 リーダーシップの男の子が支持を出しながら素早く行動に移した。


「わかったよ、おにいちゃん!」


 かわいい子もそれに負けないくらい張り切って掘り始める。


「えっ? どうして......うえなの......?」


 しかし、女の子の方は掘る意味が分からなかったのだろう、男の子に理由を聞く。


「もちろん、この山は火山だからだよ」

「......うーん、よく分かんないけど、ほればいいんだね」

「崩さないようにきをつけてね、おねぇちゃん」

「うん、きおつける」


 女の子は立って掘り始めた。しかし、かわいい子の忠告もむなしく女の子はバランスを崩し山に倒れる。


「「ああ!」」


 男の子とかわいい子の声が重なる。


「うっ、また......やっちゃった......」


 女の子の目から涙が出てくる。


「ぐすっ......ご......ごめ......なさ......い......ぐすっ」


 泣き出した女の子を見て慌てる二人。


「だ、大丈夫だよ! また作ればいいんだし!」


 男の子はフォローする。


「でも......」


 女の子は治まるどころかさらに泣く。


「ボ、ボクがダメに作ったからつぶれただけだよ!」


 かわいい子もフォローする。


「でもぉ~......」

「また、作れば大丈夫だから......」

「そうだよ! だから......ね! おねぇちゃん!」


 二人が優しく慰める。


「......ぐす......うん......ひっく」


……


「……?」


 思い出から帰ってくる彼女。どうやら少し眠っていたようだ。さっきまでいた子供達の姿はもうなく、周りはすっかり夕日に包まれてベンチは紫に染まっていた。


「今の夢、懐かしいいな、あのあとまた転んでたっけ......」


 彼女は少し沈黙したあと、周りが暗くなってることに気が付く。


「あれ? もうこんな時間?」


 時間を見る彼女。


「17時? ……!! 大変! さすがに早く行かないと、お兄ちゃんに怒られる! ……!」


 慌てて走り出す彼女とすれ違う人達。


住宅街は青く染まり、家の明かりが付く頃。当たり前のことを繰り返す世界で彼女は走り、新たな一歩を踏み出す。


物語が始まる前の。小さな小さな里帰りの話。

これは何でしょう?


番外編です!


少女は何者なのか、気になりますね(適当)


では次のお話を楽しみにしていてください

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