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異世界のマ歯車鍛冶(ギアスミス)!  作者: 優暮バッタ
第五部 超古代の息吹に新たなる姿を
93/199

キヤと契約して工房メンバーになってよ!

今回本編がちょいと短いですが、その分オマケを足すので許して亭赦し亭



「それで、キヤさんはその子とどんな契約をしたのかしら?」



 ヒストリア嬢がふとキヤへと目線を向けてキヤに問う。知識人ということなので妖精の契約について少々思うところがあるのかも知れない



「えっと……それがよくわからないです。なんというか、形式ばったことしてないので。もう気が付いたら契約していた、といった具合で」



 たはは、と苦笑いしながら頭を掻くキヤ。それもそうだ、餅は餅屋、逆に言えば餅屋にシュクメルリの作り方聞いてもしょうがないのである。だってわかんないんだもん。



「それはマズいんじゃないかしら。せめて他の人に害になるようなことはしないように契約条件に入れて縛っておいたほうがいいわ」


「そういう制約? のようなものをしたいにはしたいんですが……私は平民なもんで、仕事に使う魔物の素材ならまだしもこういった魔法生物学はからきしでして……不躾で申し訳ないのですが、こういった魔法契約について詳しい方に覚えはありませんか?」


「それもそうね、頭が回るかただから思わず忘れていたけれど、貴方平民なのよね……わかったわ、この後時間があるなら色々と教えてあげましょう。多少なら私も力になれるし、一応そういう専門の知り合いもいるしね。弟の貴重な友達だから、トクベツよ?」


「貴重とは失敬な……」



 ヒストリア嬢が少し微笑んだような声色でナルニィエスの方を見る。目線を向けられたナルニィエスは恥ずかしそうに目線を外しながら拗ねたように呟いた。ヘルムでちょっとわかりづらいが



「ご厚意感謝します。実はここに来た理由の一つがそれでもありまして、渡りに船でございました」


「強かだな、あのジーバングルが気に入るわけだ」


「それで私としましてもタダで教えていただくのは心苦しく……教えていただく対価ですが、またいずれウチから世界を変える新商品が出た際にはハインツナイツ家を少々優遇することも出来ます。これでお互いウィンウィンですね!」


「ほう、世界を変えるか。大きく出たな? まぁ実績から言って不思議ではないか、ハハハハ!」



 心の底から楽しそうにグランレイが笑う。ツテはあればあるだけ困らない。問題はうまく立ち回れるかだが、今のキヤならどうにでもなりそうだ。これもまた一つの成長だろうか





ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ



 ところ変わってハインツナイツ家の庭である。妖精は扱いを間違えれば惨事を引き起こす爆弾のようなものなので、念のためスペースを取っている。手違い起こしてお邪魔したお貴族様の家をフッ飛ばすのは勘弁願いたい。ヒストリア嬢がテーブルの上に羊皮紙を広げ羽ペンとインクを置く。この羊皮紙に契約内容を明記するのだ。


 ちなみにインクは海のイカの魔物のスミで、羽ペンも鳥の魔物の羽から作られたものである。妖精などの魔法生物との契約を書面にする場合魔力が籠った筆記用具を使うと契約が成功しやすい。失敗した場合、高等な妖精が相手の場合に契約内容を勝手に書き換える可能性もあるのだ。



「まずはどういった希望を契約に織り込んでいくのか教えてもらえる?」


「そうですねぇ……」



 一番大事なのは契約者やその周りの人間に危害を加えないことだ。これにはイタズラも含まれる。でないと妖精は自分のいいように自己解釈して契約そのものを歪めてしまう可能性がある。妖精とは本当に恐ろしい人外、シメるところはきっちりシメていきたいところだ。


そして契約者を可能な限り守ること。キヤもなかなかに有名になり最近は『余計な干渉』をしようとする連中が増えた。貴族オンディスなどがバックに入るとはいえ、なりふり構わない人間は何よりも恐ろしい。これはそれらを撃退するためのもので、きちんと働きに対して報酬も出すとキヤは約束した。報酬は三食の食事である。これはニケも納得したもので、今からどんな食事が出るかウッキウキのようである。


 そして工房の家事、主に水回りののお手伝いをすること。これに対する報酬はオヤツである。ニケは唇を尖らせて不機嫌そうにぶぅと音をたてたが、キヤがさっきのビスケットと同じがそれ以上のウマいもんだぞと囁くとこれまたウッキウキで同意してくれた。


最近魔物である岩亀ロックタートルの変異種の甲羅岩を削った物から重曹っぽいものが生成できることが分かったので、工房に帰ったらフッカフカのホットケーキをご馳走してあげようと思う。



オマケ



岩亀ロックタートル


 鉱物を食料とする亀のような魔物。喰らった鉱物によって背中の岩のような甲羅が変化する性質を持っており、時として金やダイヤモンドの甲羅を背負う岩亀がいたと言われる。だがこういった変化をするものはごくごく稀で、ほとんどがただの岩の甲羅をしている。ありえない幸運に恵まれることを『黄金甲羅の岩亀を捉える』というコトワザがあるほど。


 だがコウタ・キヤが岩塩層の近くに生息する岩亀の甲羅岩から重曹を発見したことで、その価値は無価値からある程度の価値を得ることとなる。近年岩塩層や塩湖の近くでは岩亀の人工的な養殖が始まり、その甲羅から取り出される重曹は多種多様な使われ方をするようになった。ちなみに一番大手の岩亀養殖会社はハインツナイツ岩亀養殖である。

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