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異世界のマ歯車鍛冶(ギアスミス)!  作者: 優暮バッタ
第四部 君が立ち上がるために差し伸べる手
65/199

ほらまた日本人はすぐ魔改造する

わかるよ……武器は楽しいものだ……だからこそ必要なのだよ……身震いするほどのロマンが詰まった武器が……(厨2病末期)





「そうだ、その調子だ。後は実戦経験を積むのみだな」


「はい、ギルバ師匠!」



 歯車鍛冶工房の王都の端にある大規模実験場、その真ん中にて二人の男女が相対していた。一人はギルバ、名の知れたA級冒険者であり歯車鍛冶工房の常連さん。もう一人はカレン・フェアリス、歯車鍛冶工房の新入社員だ。二人の周囲は大小さまざまなクレーターが点在し激しい戦いの跡が残っている。


 キヤはガレージからその光景を見てこう思った。どうしてこうなった? 事の始まりは数週間前、カレンが自らの特殊能力に目覚めたところからだ。




ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ



「……あーもうダメだ、見つからん!! カレン、出てきてくれー」


「はーい」



 あの後キヤ達はカレンの気配遮断(仮)能力の調査のためにリビング縛りでカレン一人とその他が鬼となってかくれんぼをしていたのだが、結果工房メンバー総動員してもカレンを発見及び確保することが出来なかった。恐るべし気配遮断。



「てかもうそんなに使いこなせてるのスゴくない? なんか天性の才能があったのかもな」



 椅子に座り直して足を組み思慮深げにキヤは呟いた。実際これは凄まじいことで、スキルの成長も時間と練度を重ねに重ねることで成長していくものだが、彼女は一時間かからずにその能力を開花させモノにしたのだ。しかもふとでた雑談の数言だけで。これはただごとではない



「そういえば言っていませんでしたね。実は私の実家は元々武勇に優れた血統だったのです。多くの戦で功績を上げ、一族の始祖は魔王討伐のために編成された勇者パーティの一員として戦っていたとか」


「はぇー、そうだったのね。優しいご先祖様がか弱いカレンに死んでほしくなくて授けた能力だったりしてね」



 キヤの優しい解釈で思わず微笑むカレン。そしてずっと座っていたギルバが疑問を口にする



「そういえばキヤ、先ほどの話に気の操作? で強力な自己バフをかけるとか言っていたな。それも詳しく新人に教えてやったらどうだ」


「え? いや別に教えなくても要らなくない? 気配遮断だけで十分っぽいけど」



 キヤが楽観的に返すとギルバは少し深刻そうな雰囲気を醸し出しながら言った。



「新人のその雰囲気、どうせ面倒ごとの果てにこの工房に流れ着いたんだろう。詳しくは聞かんが、姿を隠せる程度で面倒ごとの元凶に対抗できるのか?」



 メンバー全員がハッとした。カレン、もといエリアスは元貴族の令嬢、しかも王族と婚姻関係だった。現在幽閉されたと言われているが王家は王家、手段を択ばず彼女を奪還しに来られるとただの一般人(とキヤたちは思っている)であるキヤたちでは守り切れないだろう。


 ということでキヤたちはギルバにも協力してもらってカレンに自己防衛手段を教えることにした。キヤは高校時代に体育で身に着けた柔道と小さいころから中学生くらいまで習っていた合気道を、ギルバはキヤの体術をより実践的に改良したものをカレンに教えた。そしてカレンはスポンジが水を瞬く間に吸収するように護身術を身に着けていった。






ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ






「その結果がコレだよ!!」



 カレンは見事A級冒険者であるギルバと渡り合えるほどの体術を身に着けたのだ。イヤイヤイヤイヤ……数週間でこの成長率はおかしい。改造コードでも使ったのかな? 現時点工房最強はカレンで間違いないだろう。そしてカレンの戦闘力はさらにブーストされることになる。


 特訓を見守っていたキヤの隣になにやら荷物を背負ったゴルドワーフが現れた。ほど長い箱が二つ、何が入っているのだろうか?



「あらあらカレンちゃんも大分仕上がってきてるわね。今冒険者デビューしたら一発でC級くらいにはイケるんじゃないかしら」


「………ゴルドさん、その手に持った箱に何入れてきたんです?」


「ワタシもカレンちゃんが心配でね、久しぶりにちょっとした武器を作ってみたの。でもコレじゃ要らないかしら?」


「……本人に聞いてみましょう。おーいカレン、ギルバさん! ちょっとこっち来てもらえますーー?!」



 正直これ以上は過剰戦力じゃないかとか、キヤもわかっているのだ。でもゴルドワーフが作ったというカレンの為の新作の武器、男として興味がわかないわけがない。コイツダメみたいですね





ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ



「コレは……」



 カレンが二つの箱開けると、そこには薙刀と蒸気銃が入っていた。薙刀の方は柄が比較的短く、穏やかな曲線を描くその刃はほとんど透明でありながら確かに存在感を放ち、波紋は漣のように穏やかに輝いている。蒸気銃はキヤが普段使いしてるものよりも幾分か銃身が短くムダが排除され、取り回しの点が改良されているようだ



「カレンちゃん、ちょっと両手で持ってみてもらえる?」



 言われるままカレンは右手に薙刀を、左手に蒸気銃を持つ。そして持ってみて気付く、軽い。さらに非常に手に馴染む。まるでずっとこれで戦ってきたかのように。軽く薙刀を振るってみると、ひゅぃんと軽い風を斬る音を立てた。



「キヤちゃんと話してた時にポロッとでたナギナタっていうのに興味がわいてね。女のコが使うものだし軽いほうがいいでしょ? 前にキヤちゃんから貰ったヒュージドラゴンフライの翅を研ぎ澄ませて刃にして、あとはちょっと変わった機構が欲しいなって思ってね。カレンちゃん、ナギナタの柄と蒸気銃にミゾがあるでしょ? 繋いでみてくれる?」



 言われるままカレンが薙刀と蒸気銃を接続すると、武器は合体し正当な薙刀になった。実によく出来た仕掛け武器である



「そうそう。それで蒸気銃のグリップを捻って魔石を活性化させてみて。スゴいわよ?」



 カレンが蒸気銃の魔石をキヤから貰った腕輪を介して活性化させる。すると薙刀の刃が一瞬にして赤く染まり、熱を放ち始めた。



「薙刀の芯にシルキーワームの糸を混ぜ溶かした金属を使ってみたの。そしたら蒸気銃の魔石の力がナギナタの刃に伝染してね。炎の疑似エンチャントが可能になったわ」


「わぁ、キレイです……」



 ドヤ顔のゴルドワーフにキラキラした目で武器を見るカレン。この娘ホント元令嬢なんですよね?



「ただまだコレもメイが無いの。キヤちゃん、お願いできる?」


「またですか?!」


「だってワタシだとカワイイ名前しか思いつかないんだもの。キャサリンとかジョセフィーヌとか」


「武器に付ける名前じゃねぇ!!」


「オ・ネ・ガ・イ?」


「うごご…………薙刀が水明スイメイ、蒸気銃が縹渺ヒョウビョウでどうでしょ? 前者は澄み切った水のこと、後者はぼんやりして微かなサマってカンジで。こまけぇことはいいんだよ!!!」



 こうしてカレンの(魔)改造プロデュース作戦は一区切りとなった。本当にこの工房どこへ向かっているのだろう。金と時間が余るとこうなるのだろうか。


カレンちゃん魔改造計画は一区切りです。


そしてこの後、カレンや工房メンバーにゲッスい王太子共の魔の手が襲い掛かる! どうか死なないで、王太子! お前がくたばったらカレンがどこでこのロマン武器やロマン武術を披露できるというの?! 日常じゃ絶対使わないよ!! 次回より! 王太子死す! デュエルスタンバイ!!

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