どっかのやたらいい声した連盟長の持ってた脳筋武器
とりあえず筋力に振っとけばどうにかなる(唸る上腕二頭筋)(CV玄〇哲章)
「今日も今日とて試験運転日和ぃ~っと。んじゃいってきます!」
「護身道具は持った?」
「蒸気銃、拡張GKパーツ、修理用ギアボックス、その他もろもろOK!」
「はい行ってらっしゃい。夕飯までには戻ってよ?」
「ウッス!」
数週間前、度重なる走行実験と調整を経てついに魔動バイクは実際の平地での運用実験に入った。当たり前だがこの世界の道はアスファルトなんてもので舗装されていない、未舗装の砂利道がほとんどだ。実験場で出たデータとは違うデータが取れるだろう。今日は王都の外周から少し離れた場所、街道を横切り森の近くを通るルートを走る。この森には低級ながら魔物が生息しており、メジャーなゴブリンやスライム、コボルトなどが襲ってくることもある。森に入らなければ早々遭遇することはないが、念のためキヤは蒸気銃など護身武器を数種類形態している。
そしてキヤは魔石に魔力を流し込みバイクを走らせた。ちなみにこのバイク、最高速六十キロまでは安全に運用出来ることが実験段階で確定している。前輪後輪に埋め込まれた回転の魔石は実験場内での運転が終わった時点でほとんど劣化していなかった。一先ず、数千キロは安全に運用できるだろう。ちなみに初動実験の時より少々パーツが増設されており、搭乗者やフレームへの衝撃を和らげるスプリングなどが増えている。
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
運転し始めて一時間ほど経ったとき、キヤはモンスターの出現する森の近くの開けた安全な場所で休憩をとっていた。この魔動バイク、普通のバイクのパーツの中で一番重いエンジン部が無いため、その分収納スペースを多めにとることが可能となっている。競技用自転車のように胴体フレームの部分に水筒を取り付けることもできる。キヤは風除けゴーグルを外し水筒から水分を補給している真っ最中だった。
「あぁ~~そよ風が気持ちえぇんじゃぁ~~……ン? ンンン?」
ふと森の方を見ると何かが森から出てくるのが見えた。四つほどの影、三つは見覚えのあるゴブリンらしきシルエット、もう一つは
「!! ヒトじゃん!!!」
急いでゴーグルを付けなおしバイクに魔力を流し込む。突然の発進の合図にもマーソウ謹製の魔石はきっちり答えてくれた。
「間に合えェェェェ!!!」
若干ウィリー気味なロケットスタートでキヤは逃げている人の下へと急ぐ。
走る、走る、走る。とっくに息は切れ、足は少しでも気を抜くと笑いだし、もはや気力だけで走っている。そんな彼女をゴブリン達は嘲笑うかのような声を上げながら迫ってくる。時々ギリギリで掠るように武器で彼女を小突きながら自分たちの狩りの成功を確信している。
「邪魔邪魔邪魔だー邪魔だーどけーいどけーいどけーい!!! ブンブンブンブーーン!!」
『『『GIYAAAAAAAAA?!?!』』』
轟音と奇声をあげ砂塵を撒き散らし迫ってくる鉄の塊を知覚したとき、ゴブリン達の狩りの失敗は確実となった。
「UIRYYYYYYYYYYYY!!!!!!」
奇声と轟音と鉄の塊がゴブリン達の恐怖を存分に掻き立て、ゴブリン達は悲鳴を上げて鉄塊が来るであろうルートから逃げた。十メートルほど鉄塊が通り過ぎてゴブリン達は少し安堵したのもつかの間、その鉄塊は向きを変えて再びこちらに迫ってきたのだ。ゴブリン達が時々狩る大型のイノシシモンスターのような突進力だが、その上にはなんとヒトが乗っている。その上に自分たちが聞いたこともないような音を盛大に響かせながら、明らかに自分たちを轢き潰そうと。ゴブリン達は慌てて狙っていたヒトからも大きく離れ、改めて武器を構えなおした。
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
「さぁて、やりたくないけどやるしかないっしょ!!」
転倒し息荒く胸を押さえた人を守るように、ゴブリンに立ち塞がるようにキヤはバイクを停車させる。そして収納スペースに入れていたギアボックスを取り出す
「コール・ギアボックス!! 055(ゼロゴーゴー)・スラッシュソー!!!」
キヤが叫んだ瞬間ギアボックスがキヤの充電していた魔力を消費しひとりでに開く。鉄の棒の頭が顔を覗かせ、キヤがそれを豪快に引き抜くと丈夫そうな一・八メートルほどの鉄の棒の先端に巨大な丸ノコが付いた武器が出現した。どう見てもギアボックスよりも大きな丸ノコがどうやって出てきたのだろうとか思ってはいけないのだ。
「魔力充填魔石起動、回転開始! さぁ、ぐちゃぐちゃに挽き潰されたいのはどこのどいつからだァ?! 今ならサービスで致死率百パーセントと立メメも付いてくるぜ! YaaaaaaHaaaaaaaaaaa!!!!!」
キヤの怒声と共にスラッシュソーの丸ノコが激しく火花を散らしながら回転し始めた。
『GAAAAA!!』
三匹の中でも比較的若いゴブリンの一匹が太い枝のこん棒を振りかざしキヤに迫る。キヤはそれに対しスラッシュソーのリーチを生かして丸ノコを突き出して牽制する。それをゴブリンは横に飛んで回避しようとするが、キヤはそれに合わせてスラッシュソーをゴブリンが飛んだ方向へスライドさせる。
『GIIIEEEEEEEEEEE?!?!』
青い血の噴水をブチ撒けながら若いゴブリンはじっくり両断された。そしてキヤはゆぅっくりと残りのゴブリン達に視線を向け、にぃやぁと嗤う。残っていた二匹のゴブリンは悟った、逃げないと惨たらしくやられると
「次はおどれらじゃ……」
『『GIYAAAAA?!?!』』
「待たんけゴルァーーーー!! 首置いてけ!! 素材置いていかんかーーーーい!!!!」
見た目人間のくせに悪魔のような怒声を上げたキヤにゴブリン達は完全に戦意喪失、ほうぼうの体で森へと逃げていった。それを確認するとキヤはスラッシュソーをギアボックスに戻す
「…………ふぅ。こんだけ脅しとけばいいでしょう。さて、大丈夫ですか? …………あれ?」
追われていた人は女性だった。キヤがゴブリン達との間に割って入った瞬間に緊張の糸が切れ気絶していたのだ。それがかえってよかったのかもしれない。キヤは困ったように頬を掻き、ギアボックスを探る。そしてベルトを取り出してバイクのグリップにかけ、タオルを数枚バイクの後部に巻き付ける
「気絶してんのはキツいな、しがみついてくれないし……振り落としちゃわないか心配だけど、一先ずベルトで留めとこうかな」
キヤは女性を背負い、先ほどタオルを巻いたバイクの後部に座らせ自分も運転席に座る。そしてグリップにかけていたベルトで女性と自分を結び女性が落ちないようにした後バイクをゆっくりと発進させた。
ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ
おまけ 逃げ伸びたゴブリン達
(※ゴブリン語です)
「はぁ、はぁ、ここまでくれば大丈夫か……」
「あのニンゲンヤバかったな……これだからニンゲンコワイ」
「そういや別の集落の連中が同じような武器で惨たらしく真っ二つにされたってよ……ウソかと思ったけど、あれガチだったんだな……」
「……もうさ、俺たちニンゲンみたいに草育てて生きようぜ?」
「それもいいかもな……」
ここまでネタにしといてなんですけど、私血液感染やってないんですよね()悪魔狩人とか怪物狩人とかならやってるんですけど
この章はモノづくりというより新キャラのプロデュースが主になります()




