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異世界のマ歯車鍛冶(ギアスミス)!  作者: 優暮バッタ
第三部 歩み続ける者たちに新たな足(しゅだん)を
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おばあちゃんとのお茶会

デバステーターいじくりまわしてたらこんな時間だった。ごめんなさい




「さっちゃん!! お菓子プリーズ!!」


「わかったわ、くれてやるわよ私のゲンコツ煎餅センベイ!!」



 ゴシャァ!!



「ぐばぁ?!」


「……何やってるんだお前たちは」




 歯車鍛冶、始まるよ☆








ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ



「で、キヤはなぜ急にお菓子を要求したんだ。いつもの時間になったらイガラシもちゃんと出してくれるだろう。しかもついさっき皆で昼を食べたじゃないか」



 頭にタンコブを作ったキヤが正座しながら涙を流す中、冷静なマーソウがツッコミを入れる。



「いやさ、前に魔道義手マギアハンズ作るのにアイディアというかヒント貰ったおばあちゃんが居てさ? その時のお礼をと思って。さっちゃんのお菓子ウマいし、お礼にはピッタリかなって。だからこの後さっちゃん特製のお菓子持っておばあちゃんに会いに行こうかと」


「あぁ、そんなこともあったわね……てかちゃんとそう言ってよね。主語がなくて誤解しちゃったじゃないの」


「ごめん、そうしたほうが面白いかなって」


「芸人か何かなのアンタ」


「関西出身者の本能が……キツ目のツッコミも本望寺……」


「ないでしょ?」


「ウス」


「そんじゃテキトーに作るから待ってて」



 自分の作るお菓子を褒めてもらったのが嬉しかったのか表情には出ていないが、少し歩幅が浮足立っているサツキ。キヤは正座しつつもそんなサツキに尊みを感じていた。



「自分の作ったお菓子褒められて嬉しくなってちょっとテンション上がってるさっちゃんカワイイ!」


「シャアッ!!!」



 バグシャァ!!



「あむろっ?!」


「キヤ、お前もしかしなくてもバカだろ」


「て……照れる………ぜ……」



 マーソウの辛辣なツッコミを受けつつも、地面に倒れ伏したキヤは最後の力を振り絞りサムズアップをした。涙なしでは語れないシーンになったね(棒読み)





ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ



 数時間後、サツキはバスケットに数個のフィナンシェを入れて持ってきた。荒熱はとれているとはいえ、焼きたての焼き菓子の甘くかぐわしい香りが工房を満たす



「出来たわ、フィナンシェよ」


「あ゛ら゛や゛だお゛い゛し゛そ゛う゛や゛だ~~(はぁと)」


「ホントアンタどうなっても知らないわよ?」


「そだ、さっちゃんも来る? もしかしたらおばあちゃんが『このフィナンシェを作ったのは誰だぁ! ぜひともお礼を言いたい!!』 なんて言ってくるかも」


「ないわよ。そうねぇ、今回は遠慮するわ。まだ片付けを少し残してるから」


「いい匂いがすると思って!!!」



 と、匂いを嗅ぎつけたのか作業部屋からドアを蹴破らん勢いでマーシュンが出てきた。ドアの横で腕組みをして壁にもたれかかり、スカした態度をとっていたマーソウが壁と一体化したが、まあ些事である




「ダメだよマーシュン、これはお世話になった人に持ってく分だから。さっちゃん、皆のはある?」


「皆の分は向こうに置いてあるから、マーシュンちょっと取って来てくれる? それでお茶にしましょ」


「うぇーい!!」


「つまみ食ったら腹肉をツメで思い切りつまむからね?」


「ウス」



 猛然としたダッシュがしゃなりしゃなりと優雅な歩幅になったところでキヤはバスケットと飲み物を入れたボトルを最近作った自転車のカゴに括りつけて出発した



「んじゃ、行ってきまーす!」


「「いってらっしゃーい」」






「あら、おいしそうな匂い……ってマーソウちゃんが壁画になってる?!」


「……タシ、ケ……テ」



 結局ゴルドワーフに発掘されるまでマーソウは壁画だった。




ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ



 キヤは自転車をのんびり走らせいつもおばあちゃんが居る広場を目指した。歩きよりずっと早く広場に着くと、数人の子どもたちがボールを蹴って広場を駆け回っている。広場の真ん中、いつもの場所におばあちゃんはいつもどおり座っていた。木漏れ日が優しく照らす中、優し気な眼で子どもたちを微笑ましそうに見ている。自転車から下り、ゆっくり押しながらキヤはおばあちゃんのもとへと向かった。



「あ、いたいた。おーい、おばあちゃーん」


「あらキヤちゃん。お久しぶりね。元気だった?」


「お陰様でこの通りッス! 今日はおばあちゃんにお礼を持ってきました!」


「お礼? ……あぁ、もしかして魔石のこと?」


「ッス! ちょいと待っててくださいね……」



 自転車のスタンドを止め、バスケットと特製の水筒を取り出す。そしてバスケットからラージリザードというトカゲの魔物の皮で出来た触り心地バツグンのレジャーシートを取り出し地面に敷く。



「ウチの従業員さんに焼いてもらったフィナンシェってお菓子と紅茶ッス! ささ、どうぞどうぞ」


「そう? それじゃあいただこうかしら」



 穏やかな日差しの中、青年と老婆の穏やかなお茶会が始まった。





ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ



「このフィナンシェってお菓子? 初めて食べたけれど、フワフワで甘くておいしいわ。おばあちゃんの歯でも食べられるのも嬉しいわね」


「ウチのじいちゃんばあちゃんも歯には気を使ってましたねえ。よく噛んで食うのと、食後に口をユスぐのが健康な歯の秘訣だとか言ってたな。食べかすが付いてると虫歯の原因になるって聞いたことあるッス」


「あらそうなの?」



 たわいもない会話を楽しむ二人。お菓子と飲み物がお供のお喋りは緩やかに続いていく。と、遊んでいた子どもたちが蹴っていたボールがかなりの勢いでおばあちゃんへと飛んでいく!!



「あぶなーい!!」


「! どッセぇいおんどりゃぁ!!!」



 すんでのところで気づいたキヤが即座に立ち上がり、腕を使ってボールを上へと跳ね上げ逸らし、キャッチする。子どもたちがその機敏な動きに思わず拍手するが、自分たちのやらかしたことを自覚したのか、キヤに手招きされるとバツの悪そうな顔をして近づいてきた



「おうボウズくんたちよ。ボールで遊ぶなとは言わない、だが遊ぶときは周りをちゃんと見ときなよ? でないとヤベェオッサンにヤベェことされちゃうからね。俺じゃなきゃヒッドい目に合ってるよ?」


「「「ごめんなさいおじさん……」」」


「おじさんは構わんけどさ、今ボールに当たりそうになったのは俺だっけか?」


「「「ごめんなさい、おばあちゃん」」」


「いいわよ。でも、今度は気を付けてね。行っていいわよ」


「「「はーい」」」





 多少の無礼は許容し、ただ感情のままにキレるでなく叱る。そして正しき方へと導く。キヤは改めて教師という職業に就く人たちに感謝をしていた。




人生の先達は敬いましょう。ただし老若男女どの世代にもいるク〇野郎、テメーらはダメだ。ボ卿に引き渡す(憤怒)


あと前にも言った気がしますが、さっちゃんのツッコミは基本的にハリセンみたいに音だけでそんなに威力はないです

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