大仕事の予感
更新が遅れるときは大体仕事のせいか、私のメンタルがやられてるか、ソシャゲが忙しいか。今回は仕事とメンタルでした
遅れてごめんなさい
王都に一人の冒険者が訪れた。風に吹かれ乱れた髪を後ろへ撫で付けながら男は呟く。あのウワサは本当なのだろうか、と。
彼の者の名はギルバ。『鬼神ギルバ』と呼ばれた、元上級冒険者である
「魔歯車鍛冶工房……行ってみるか」
『そこにギルの望むモノがあればいいニャあ? まぁアテがハズれたとしても、アタシたちが居るから大丈夫ニャよ。あ、シモのお世話は別料金ニャ!』
ふとギルバの影が不自然に揺らめき、そこから女性的な声が響いてきた。
「少し黙れ。これから街に入る」
『つれないニャあ? アタシは昼寝でもしますかニャっと。ふにゃぁ~~~~~あ』
ギルバはため息をつきつつ街の門へと足を進めた。
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蒸気銃を納品して数か月。キヤたちは新たな再現品を考えていた。蒸気銃量産のために、ゴルドワーフは知り合いの手すきの職人に声をかけ量産体制を整え、素材の納品ルートまでも確保してくれ、キヤはオンディスやハナツキを通じて利権などを確保。サツキは会計を担当してくれ、素材や加工費などの収支をしっかり管理してくれた。
現時点では蒸気銃は注文が入ってから製作する形で落ち着いている。既に納品した街の警邏達の話では
「思ったより使いやすい」
「蒸気銃のおかげで臆病な自分でも暴漢を取り押さえられ、自信が付いた!」
「蒸気銃を手に入れた日に宝くじ買ったら大当たりしました!」
「蒸気銃のおかげで彼女が出来ました!」
など、なかなかの好評具合だ。最後の二つは、その、アレだが。突如出回り始めた謎の武器に冒険者ギルドの職員も食いつき、概要を知ったギルド長は受付嬢に本格配備させる案を出したそうだ。冒険者というものは荒っぽいものが多く、受付嬢も自力で撃退するものが望まれていたらしい。
そして警邏やギルド長たちが蒸気銃を使った体術を開発しているとかなんとか。そして工房の三人は今日もお茶とお菓子と共に社内会議を始める
「蒸気銃もなかなかの売れ行きね。職人仲間も普段とは違う仕事ができたって喜んでたわ」
ゴルドワーフが満足気に今月の収支表を眺める。ゴルドとキヤの場合、売り上げが伸びればさらに新たなものを開発できると思って喜ぶのだ。だがこの前の事件以来サツキが財布を握っているので、散財はできそうにないが
「いいっすねー、重畳重畳。さーて、次は何を作りましょうかねっと。さっちゃん、なんか、こう……あったほうがいいものってある? できれば生活に密着した感じの家電みたいなヤツ」
「そうね……あの着火火箸は? まだ商品化はしてなかったでしょ?」
「あー忘れてた。まぁた一山当たっちゃうヤツじゃんぐへへへへへへへへ」
「キモい」
「もっしゃヒドい!! もっしゃこんなにがんばってるのにもしゃ」
顔を手で覆い嘆くキヤだが、先ほど口に放り込んでいたビスケットをモグモグしているあたり大丈夫だろう。口にモノを入れたまま喋るなとサツキがキヤをド突いている
「着火火箸?」
「ワンタッチで火が付く着火道具ですよ。ゴルドさん、魔力電動効率が高い金属ってないですかね? シルキーワームの糸も伝導率は高いんですけど、火の魔石とは相性悪いでしょうし」
「そうねぇ……魔道金属とかいいかもしれないわね。ただちょっと値が張るのよね……」
「部分的に使うならコストカットもできるでしょう。一回設計詰めてみますか」
コンコンコンコン
と、ドアを叩く音がする。とりあえず扉に一番近かったキヤが出ることにした。
「はいはーい、どちらさまでしょ?」
「魔歯車鍛冶工房はここか?」
扉を開けた瞬間に広がっていたのは魔物の皮で出来た丈夫なコートだった。視線を上にあげると、群青の髪を後ろに撫で付けた、いわゆるオールバックの大男がこちらを見ていた。
身長はおおよそ2m近く、ガタイはいいもののゴリゴリの筋肉男という印象は受けない。バスケット選手をもう少し肉付きよくした感じだろうか。いきなり現れた大男に少々動揺するキヤ
「あ、え、そうです。い、いらっしゃいませ?」
「ここは色々なものを作っていると聞いた。間違いないか?」
「そ、そっすね。まぁ色々と作ってますよ?」
「そうか。作ってもらいたいものがある」
「あ、ご注文ですね。とりあえず、中にどうぞ……お客様一名来店デース!!」
この出会いが、キヤたちとギルバとの運命を大きく動かすことになる
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「こちらどうぞ、さっちゃーん、お客さん来たからお茶をー」
「りょーかい」
「お構いなく」
ギルバにはとりあえず応接間の椅子に座ってもらった。とりあえずどんなものを作ってもらいたいのかを聞こうとしたとき、ゴルドワーフが部屋に入ってきた
「キヤちゃーん、誰か来た……あら、スゴい人来てるじゃない!」
「ッ! まさか、ゴルドワーフ・ハインラノット?」
「あら、アタシのこと知っててくれてるのね。嬉しいわぁ」
「以前ゴルドワーフが打ったと言われていた剣を使っていた。良い剣だった」
「だったってことは……」
「魔物との戦いでな。王都に来た目的の一つが新しい剣だ」
「えぇっと、お二人、お知り合い?」
キヤが二人を交互に見る
「そうねぇ。個人的にはおシリ合いになりたいと思ってるわ」
「ウワサ通りのようだな、ゴルドワーフという人物は。俺はギルバ。冒険者だ」
「あ、キヤです。なるほど、冒険者の人でしたか」
道理でどこかタダモノではない雰囲気を放っていると思った。なんかこう、端的に言えば怖い。修羅場くぐってそう。いや、実際くぐっているのだろうが
「鬼神ギルバ。魔獣を従え、その剛力による斬撃と磨き抜かれた業。あまりの強さに着いた異名が『鬼神ギルバ』。冒険者トップランカーのAランク冒険者よ」
カクヨムにも書きだしました。




