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異世界のマ歯車鍛冶(ギアスミス)!  作者: 優暮バッタ
第二部 鬼の腕(カイナ)
23/199

なかまに なりたそうに こっちを 見ている▼





「この店の名前を決めます!」


「ィェアーイ」


「イントネーション独特!」



 平和なある日、キヤは朝食後に鶴の一声を上げた。そう、キヤが経営(?)しているこの店にはまだ名前がなかったのだ。ギルドには職人として登録しているものの、店舗としてはまだ未登録だったのだ。


 相変わらずどうでもよさそうに答えるサツキ。キヤとの温度差がすごい


「で、なんかいい案あるのかしら?」


魔歯車鍛冶工房マギアスミスファクトリーってどう?」


「それでいいんじゃない?」



 頼れるツッコミは目が死んでる。再現品にかけた青春。でもツッコミの目は死んでる



「投げやりィ!! なんかもっとこう、あるでしょ?!」


変態工房ヘンタイファクトリーで決定ね」


「問答もクソもなくいつの間にか主導権が奪われていた件について!!」



 なんやかんやあって魔歯車鍛冶工房に決定した。



ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ





「今日も今日とて開発日和っと」



 数日後。キヤは一人で工房に籠りモンスター素材をいじくっていた。ちなみにシゲゾーにもう一つ作ったからくり人形を売り、そこそこの収入を得ている。向こう一月は楽に暮らせる値段だったのはナイショだ


 と、来客を知らせるベルが鳴る。サツキに出てもらおうと思ったが、サツキは今オンディスの屋敷へお菓子作りに行っているので留守ということを思い出し立ち上がる



「はいはーい、どなたですか」


「みぃつけた」



 筋肉モリモリマッチョオネェの変態がいた。反射的にドアを閉めようとするキヤ



「スイマセンマチガエマシタ」


「こら、なんで尋ねられた方が間違えるの」



 だがオネェは足を扉に挟み阻止する。そしてスキマから手を差し込み、力づくで扉を開ける



「大丈夫よ、取って食べたりは(タブン)しないわ」


「ちょっと待って力つおいオネェさん掴んでるドアめりめり言ってるごめんなさいってば入れますからどうぞお入りくださいなので力緩めて扉壊れちゃぁ~~う!!」





ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ



「粗茶ですが」


「あら、気が利くじゃない。いただくわ」



 結局押しに押され、リビングとして使ってる部屋まで通してしまった。拙いながらも紅茶を淹れ客人をもてなすキヤ。キヤが職人ギルドで登録したときに居合わせたあのオネェだ。相も変わらず凄まじい威圧感と脈動する筋肉をしていらっしゃる



「あの、そういえばお名前をお聞きしてませんでしたにょね?」


「ン~、なかなかの香り。えぇそうね。まずはちゃんとした自己紹介からしましょうか」



 キヤが噛んだことはスルーしてくれてる辺り大人だ



ワタシはゴルドワーフ・ハインラノット。元鍛冶師で今は隠居して自由にやってるわ。たまに職人ギルドでご意見番として呼び出されるわね」


「改めて、コウタ・キヤです。新人職人でこの工房のオーナーやってます。それで、此度は何故に私の工房へ?」



 謎の緊張感からテンパって口調がおかしくなるキヤ。そのたどたどしい態度が面白かったのか、笑みを浮かべながら話すゴルドワーフ


「ウフフ。職人ギルドのご意見番としても、ワタシ個人としてもアナタが気になったからかしら。隠居したジジイはね、アナタみたいな眩い可能性を秘めた若者を見ると見守りたくなるのよ」


「はぁ……」


「おっと、ジジイじゃなくてオネェさんね」


「ウス」



 ごめんなさい、こういうときどういう顔をしたらいいのかわからないの。キヤはそんなことを思っていた。



「あれからどうかしら? 何か目新しいものは作ってる?」


「あ、えぇ、ちょっと持ってきます」



 そう言ってキヤがとってきたのはスタンドタイプのライトだ。この世界の明かりは主にランプやロウソクが主流で部屋全体を照らすものが多く、手元をピンポイントで照らすスタンドライトは存在していなかったのだ。


サツキのアイデアを元に明かりをつけるスイッチをスタンド部分に置き、ライトを支える腕の部分はネジを使った関節を採用することである程度の自由度を持たせ、ネジの締め付けで固定する。ライト部分は木材を御椀状に削り、真ん中に光の魔石がつけられている。


 そしてほぼ全て木材の為非常に軽く持ち運びにも非常に便利。さらにスタンド部と腕はネジ式のクリップで固定されており、机がないときは板などにクリップで固定し手元を照らすこともできる。職人の手元を照らしたり、書類仕事の多い貴族にはウケるだろうという算段で開発したものだ


 キヤからスタンドライトを受け取ると、あらゆる角度から検分し始めるゴルドワーフ。やはりというか目が職人のソレに切り替わっており、自然とキヤの背筋が伸びる



「あら、変わった明かりね。……なるほど、手元を照らすのに特化しているのかしら。貴族様って書類仕事多いし、実用性を重視する人には重宝しそうね」


「そのカサの部分をガラスとかにしてもいいと思いますよ。関節を亡くしてシンプルに木みたいにして、枕元においたらワンタッチで消せるんで寝るとき便利じゃないですか?」


「ふむふむ。へぇ。明かり一つに、これまたたくさんの可能性を見出してくれたわねぇ」


「いえ、これは同居人のアイデアを貰ったもんなんで……まだまだ未熟千万だなぁと」



 少し情けなさそうな表情のキヤにゴルドワーフは微笑みながら言う



「未熟を恥じるのは悪いことではないわ。問題はそこから這い上がれるか、よ。アナタはアイデアは気づかされたかもしれないけど、それを聞き入れてちゃんと実行してるじゃない。職人ってね、年とればとるほどガンコで融通が利かなくなるのよ。まぁこれはどの人間もそうだけれどね」


「ゴルドワーフさん……」


「どう? 惚れた?」


「ホレません」



 ゴルドワーフは心底残念そうに紅茶を啜った




「そうだ、大事なことを聞きたかったの」


「なんです?」


「アナタ、こういった発明品を世に売り出すことで生活するってことでいいのかしら?」


「えぇまぁ。ハナツキ商会さんとオンディスさんがパトロンっす」


「今は比較的材料が木材なんかで加工しやすそうだけれど、将来的には金属加工も視野に入れてるでしょう?」


「あーまぁ……いずれは金属加工職人を雇わなきゃって思ってますけど」



 そうなのだ。キヤが将来的に作ろうとしているバイクなどは金属加工技術が必須だ。いずれ余裕が出来たらオンディス侯爵のツテを頼って鍛冶職人を雇うつもりでいるが



「ワタシ、今隠居しててヒマなのよね」


「はい」


「自慢じゃないけど、ワタシ結構鍛冶師としての腕はイイほうなのよ」


「はい」


「雇え」


「…………ハイ」



 威圧感がヤバかった。一睨みで殺されるかと思った。このあとめちゃくちゃサツキに怒られた


オカマ、もとい仲間が増えました。ここからやりたい放題に拍車がかかりまっする


あと地味に着々とお金持ちになっていってます

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