フライデーされた
「わっ、なにやってるんですか〜」フライデーされて慌てる私に。
「見〜ちゃった。撮っちゃった〜」先輩が嬉しそうに近づいてくる。
「哲ちゃんが男に走るなんて、私は悲しい、シクシク」泣きマネを見せる先輩。
「なっ。私はノーマルですからっ」
「ブ〜ッ」頬をふくらませて不満を爆発させる先輩。
「まぁ、良いわ。ところで君」話の矛先を宇宙人に向ける。
「宇宙船が燃料切れなの?私が手伝おうか?」そうなのである、宇宙人に関しては私よりも先輩の方がずっと役に立ちそう。
「その問題は既に解決しました」
「あら、そうなん」ならいいわと先輩。
「ところで先輩」
「なぁに哲子ちゃん」
「あの子は誰なんですか?」
「あの子?」あたりを見回す先輩。そうじゃなくて。
「私がアジトを追い出された時に見たツインテールの女の子ですよ」
「あ〜江東子ちゃん。私がスカウトした。歌上手いのよ」
「そういうのは良いです」
「なに、哲子妬いてる?」うっ少し妬いているのかもしれない。自分の居場所に彼女が座っていたものだから。すると先輩はこう言った。
「彼女も可哀想な子のなのよ」どういう事だろう。
「まぁ、近いうちにお店に寄らせてもらうわ〜。おっと、その前に」踵を返す先輩。
「宇宙く〜ん、お姉さんともキスしない?」相手の返答を待たずに、先輩はベンチに座る宇宙に向かい上からキスを試みー。
「あら残念」そのまま宇宙の唇を通り抜けて先に進んだ。通り抜けてキスが出来なかったのだ。
「それでは、今度こそアディオ〜ス」先輩はスキップしながら去っていった。
「ごめんね〜宇宙くん。あれ私の知り合い」宇宙くんの無表情が怖かった。




