公園間散歩
「ところで今、燃料の問題解決したって言った?」コクンと頷く宇宙くん。
「それってやっぱりこの本のおかげ?」
「ううん、その本に僕の欲しい情報は載っていないようだ」
「だよね〜オカルト本だし」本のページをパラパラ繰る哲子。白黒写真が目についた。座禅を組んでピラミッドパワーを体に取り入れるのだとか。
「哲子、僕の船を見に来るかい?」
「うん、見てみたい。それって近くにあるんだよね?」
「ここから2047歩くらいかな」
私は宇宙人の後に付いてブックオフ近くの公園から東陽町の駅前にある公園までやってきた。歩数を数えていたが、途中でめんどくさくなって止めた。
「到着」
「ここに宇宙船があるって言うことは」
「なんか滑り台にされちゃってね」あちゃー。東陽公園の滑り台は巨大なコンクリート製と(今日まで)思われたその急角度な滑り台は東陽町の小学生の間で度胸試しに使われているとかいないとか。
「宇宙くんがUFOで帰っちゃうと、とてもさみしいわ」哲子が悲しそうにそう言うと。
「代わりになにか作ってよ」少し困ったようにそう言った。
「ここが入り口?」そのまま人が入れそうなサイズの滑り台の側に立ってそう聞くと。「ちょっと待ってて」宇宙くんが公園内に設置されている自販機に走って行った。
「気を使わなくてもいいのに」ん?そう言えば彼ってお金持っていなかったんじゃ。果たして手ぶらで戻ってきた。
「何かとても嬉しそうね」
「さっき哲子にお金を貰ったからね」
「でも、ジュースを買うには足りなかったと」私が追加でお金を融資しようと財布を開きかけたところで。
「もう十分なんだ」満ち足りた表情で宇宙くんがそう言うのと滑り台(宇宙船)が輝き出したのは、ほぼ同時だった。




