眠り姫・江東子
「さて、先輩待ってたんですよ」
「待たせたわね」
「その子をお願いします。私は直接アジトに乗り込みます」先輩はその子と聞いて自分を指差したが私は頭を振り否定。"園子"じゃないから。
「そーはさせないんだからっ」江東子が私に突っかかる。
「フッあなた一人で何が出来るっていうのさっ」
「一人じゃないもんお姉さまが居るもん」
「はっ?だから先輩はあなたのお守りをしてもらうために呼んだー」
「そうだぞ、哲子。神妙にお縄を頂戴しろ」私はガクッとorzポーズを取った。
「勘弁して下さいよ、先輩」
「哲子、君はしてはいけないことをしたよっ」壁の落書きの画像を私に見せてそう言う。
「それって先輩の指示ですよねぇ」コクリと頷く先輩。
「だが、やったらいいんじゃないかと助言したまでだっ」ひっでぇ。
「それに私も一応フカバスじゃん?ここでみかかの命令を無視すると組織が崩壊しかねないから」そう言って私と対峙する先輩。
「あぁ、もう仕方がないですねぇ」
「哲子、覚悟〜」そう言ってキスをしようと襲い掛かってくる。敵性接触はスルーする宇宙パワーのおかげで先輩はそのまま私を通過してしまう。
「あ〜っ」江東子が悲鳴をあげる。
「お姉さま、ズルい。私にもキスミー・プリーズ!」目をつむり両手を胸の前に組んでキスを待ち構える体制。
「えっ?江東子ちゃん?これはそういうのじゃないんだけど」
「お姉さまは私にはキスしてくれないんですか」ホロリと涙を零す。
園子は、その姿に胸きゅんして当然のように江東子にキス。果たして、江東子は幸せそうに崩れ落ちたのでした。
「江東子〜〜」倒れた江東子を抱きしめて先輩が絶叫する。
「哲子あなた、やっていいことと悪いことの区別もつかなくなったの」
「私は何もしていません」
「まぁ、そうね」
「私にキスできなかったってことはあのキス攻撃ですよね」
「直ぐに目を覚ますわよ」
「後は頼みました」
「頼まれた」
私は東陽町インテス前から一路みかかさんの居るアジトへと向かうのだった。




