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神々の無責任な後始末  作者: compo
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きりたんぽとハタハタ

イリスさんが牛を連れて帰って来る。

今日の午後、トンネルに突入してくるそうだ。

トンネル内部が自ら光っているから、牛達が怖がったり困る事はないだろうけど、念のため側溝を掘り、ミネラルたっぷりの地下水を流しておきましょう。

ところどころに、休憩ポイントとしてサトウキビのカスを置いておきます。

万能さんを通じて、沖縄のサトウキビ畑から取り寄せました。

これで牛達は元気に健康に森に来るでしょう。うん。


んで、本日の業務終了。

明日からは、新官舎や牧場など一気にさまざまなことが動き始めますから、今日の午後はのんびりとしましま…


「駄目ですわ。家の改築をしましょう。どうせ旦那様の事だから、サリーさんだけでなく、またお嫁さんが増えるに決まってますわ。」


失礼な事を言いなさんな姫さん。

私は独身なんです。あくまでも。 


「なのでお家の改築が肝要なのです。」

とは言えねぇ。何か希望でもあるんですか?

私的にはかなり充実しているんですが。個室も要らないんでしょ?


「さすがに玄関からベッドルームが見えているのを何とかして欲しいですが。」


昨日は君、ミズーリが泥酔して寝惚けてましたね。


「あと、居間というか食堂というか。」


そういう姫さんが奇矯な真似してて、よくカピタンさんに呆れられてますね。


「ベッドとキッチンにパーテーションすら無いのは、ミズーリが寂しがり屋だからですよ。」

「あらまぁ、ミズーリ様意外と可愛らしいところもありますのね。」

「朝起きたらトールさんの姿が見えなかった事があってね。見えないところで仕事してたんだけど。」

「それはいけませんわ!旦那様は私達の視界に必ずいらっしゃるべきです!妻妾を寂しくさせるとは、とんでもないことです!」


ミズーリの一言で意見を変えますか?


「(トールさんはいつ何処に行っちゃうか分からないから)」

…一応ツリーさんの言っている事は否定出来ませんね。


という訳で、娘達には新しい我が家をイラスト化して貰う事にしました。

ソファのテーブルであれこれ、私が出した色鉛筆とクレヨンで画用紙に描いてます。

…幼稚園児みたいだな。言わないけど。

私が却下したのは一つだけ。姫さんが厩舎を室内に作ろうとした事。

外なら構わないから、馬くんと遊ぶ時は外に出なさい。あと、我が家が空を飛ぶ事を忘れないように。


その間、食卓の方で私はご飯を捏ねてます。

餅米とコシヒカリのブレンドで炊いたご飯を太めの串に付けてこねこね。

うるち米で良いんだけど、餅米とブレンドトール言うのは単に私の好み。わざわざ炊飯器2つで炊き分けます。

土鍋に長ネギ、白菜、春菊、椎茸を入れて、昆布だしで軽く煮立てますこねこね。

こねこねしたご飯付きの串は七輪で炭火焼きにします。

両面に焦げ目がついたら、こねこねしたご飯付きの串を鍋に加えて、味噌で弱火でぐつぐつと煮立てます。

ぐつぐつ。


その間に、副菜という事で取りいだしたるはハタハタ。きりたんぽ鍋だから、同じく郷土料理で纏めます。

私は単に塩焼きが好きなんだけど、姫さんやツリーさんは魚を食べる事に慣れてないからなぁ。


で、唐揚げですよ。腸を抜いたら(腸も火を通してチビのおやつにしますけど)、塩を振ったあと、片栗粉の衣をつけます。

あとは油で、少し時間をかけてじっくりと揚げます。

揚がったハタハタの油を切って、レモンをさっと絞って、骨まで美味しく食べられるハタハタの唐揚げの出来上がりです。

秋田県辺り的名物、きりたんぽ鍋とハタハタの唐揚げが今日のお昼ごはんです。


味噌鍋と匂いと、唐揚げの音にそわそわしていた娘達は、気がついたら食卓に全員腰掛けてました。

ソファテーブルの方はやりっぱなしですね。

なんでこう食い意地の張った女の子ばかり集まっているんでしょうか?


「それは全て貴方のせいです旦那様。私達は旦那様の料理がある限り、いつでもどこでも旦那様のそばにいるのです。」

『異議ナーシ』

ハイハイ。では、『いただきまーす』


コリコリパクパクムシャムシャ。

「お魚って焼く煮る以外にも、揚げるなんて食べ方もあるのですね。少し苦いですが、レモンと合って美味しいですわ。」

「私の国は新鮮な魚が豊富に採れたからね。調理法も色々開発されたんだ。」

ワカサギやハゼの唐揚げも美味しいよね。

コリコリパクパクムシャムシャ。

「それにこのご飯のついた串。ご飯にも沢山食べ方があるのですね。お味噌も旦那様から教わった調味料ですが、一緒に煮込むというのも新基軸です。」

「これは私の国の猟師料理なんだ。このご飯付き串。これは焼いておくと長持ちするから、味噌と一緒に山に持ち込んで、山菜と一緒に煮込めば水(雪)を足すだけでいつまでも簡単に食べられるだろう。」

コリコリパクパクムシャムシャ。

以上、姫さんの為のご飯一口講義でした。

ハタハタの唐揚げ美味しいな、ビールが欲しいや。


結局、改築はカピタンさんとの面談室を増築して生活空間を見えない様にとだけ変わりましたが、いくつかのリクエストが面白かったので記載します。


・家族が増えたので洗濯機(二層式に限る)を一回り大きいのが欲しい(トールさんとツリーは下着をきちんと出しなさい)ーミズーリ→採用


・あと二階か屋上で洗濯物を天日干ししたい

ー貴方の愛妻ミズーリ

 →ぱんつが兵隊さんに丸見えになりますが?

 →不採用ですわ(姫)


・キッチンを広げて私に料理を教えて下さいませーミク

 →採用ですが文章は口語体でなくて大丈夫です。


・本棚を広げて漫画を下さいーミズーリ.ミク・ツリー

 →万能さん曰く各人の文字に自動翻訳されているそうだ。娯楽と見識広げに役立つから採用。なんなら料理本や百科事典でも

 →目が攣るから要らない(ミズーリ)


・サリーが住むようになると五月蝿そうだから地下牢をーミズーリ

 →彼女なら家ごと破壊して出てきます。


・チビちゃんや馬さんが走り回れる広場-無記名

 →姫さん、家の中の話ですよ。


・お酒ーミズーリ・ツリー→不採用、家具ですが?これ


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