怪獣君と幼女ちゃん

　浜音中学一年、ゴボウ君は学年最長の男の子。
　無口で強面な外見から「怪獣君」と呼ばれ怖がられていたが、本当は引っ込み思案で心優しい少年だった。

　ある日、同級生のナスノさんからボディーガードになるように頼まれる。
　彼女は学年最小の可憐で幼げな女の子だが、勝ち気な性格のために周囲から皮肉を込めて「幼女ちゃん」と呼ばれていた。

　彼女は不審者に狙われやすい体質で人を寄せ付けないゴボウ君といれば安全だからとお願いされる。
　彼は自分が人避けに利用されているだけと悟りつつ、登下校を彼女と共にするようになる。

　ある日、ゴボウ君は自分達を追ってくるストーカーの存在に気付く。
　学校に伝わる都市伝説「浜音の笛吹き」を連想させるストーカーの姿に危機感を強めるゴボウ君。
　ナスノさんを心配させないために彼は密かにストーカーの調査を始める……。