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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第二十三章 秘匿情報の多い家庭

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第107話 策士の本領

「とりあえず預かることになるだろうな。だが、醍醐のとっつぁんの話はいい。それは俺の宰相としての手腕の問題だ。なんとかする。それより新三、今回の事件。どう処理するつもりだ?醍醐のとっつぁんはあの調子だとアメリカにまで裏切られていたことを陸軍内部でバラすつもりだぞ。甲武の反地球感情が高まれば同盟機構もただでは済まない」 


 その言葉はこれまでのやわらかい口調とは隔絶した厳しい調子で嵯峨に向けられていた。


「どうしましょうかねえ。ってある程度対策の手は打ってあるんですがね」 


 嵯峨はそう言うと調理用ということで置いてあった一升瓶から安酒を自分の空けた徳利に注いだ。


「これだけの大事になったんだ。しくじれば同盟機構から司法局の存在意義が問われることになるぞ。貴様の秘密主義は時に仇になることがあることを覚えておいた方が良いな」 


 静かにそう言うと西園寺義基は嵯峨が置いた一升瓶から直接自分の猪口に酒を注ごうとする。さすがにこれには無理があり、ちゃぶ台にこぼれた安酒を顔を近づけてすすった。思わず嵯峨の表情がほころんだ。


「兄貴。それはちょっと一国の宰相の態度じゃないですよ……。それに同盟の活動の監視は議会の専権事項ですからねえ。それにアメリカさんが遼州を裏切るのは今に始まったことじゃない。年中行事だ」 


 アメリカ陸軍に生体解剖された過去を持つ弟の言葉に私情が入っていないことは知っているので、西園寺は黙っていた。


「ただ、今回はアメリカさんにはカント将軍のことは諦めてもらいましょう。その線で行けば醍醐の旦那の顔も潰れなくて済む。だましたのは俺一人。アメリカは最初から関係なかった。義兄さん。陸軍の官房部にはその線で今回の件を発表するように仕組んでくださいよ」


 そう言って嵯峨は笑う。釣られて西園寺も照れるような笑みを浮かべていた。


「分かった。その線で行けばこの辞表は握りつぶせる。ただ、もうすでにお前の竹馬の友の赤松君の第三艦隊が準備を始めちゃってるんだ。いまさら、何にも無しって訳にもいかない甲武の事情も分かってくれ」


 西園寺はそう言うと豆腐を口に放り込んで熱さに吹き出しそうな嵯峨に目を向けた。


「大丈夫ですよ。ここまではすべて俺のシナリオ通り。これからの事はすべて『特殊な部隊』にお任せください」


 豆腐を呑み込むと、嵯峨は余裕の笑顔を浮かべて西園寺にそう言った。


「じゃあお前さんの好きにしなよ。当然結果を出すことが前提だが」 


 西園寺義基はそう言うとコップ酒を口に含む。それを見た嵯峨はいつものとぼけたような笑みを浮かべて肉に箸を伸ばした。


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