前へ目次 次へ PR 61/125 20世紀シーン3 吉永帰還 「よし、板長の白井について、今日から住み込みで働いて貰う」 店主の行天は、即決した。寡黙な吉永が、その白井の下で人間関係でもめる事は無いだろうと思ったし、その剛直そうな細身の奥に見える芯の太さを行天は感じたからだ。 白井は、相当うるさい男であったが、吉永に対しては、余り口出しをしなかった。どこで、こんなん修行をして来たのだろうか、鍋や吸いものは全く素人だが、包丁使いは一級品だと思った。主に、魚料理中心に、吉永に任せるようになって行く。