相棒は好き勝手する
俺達のステータスはこんなんなってた。
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│【小森 陽雪】引きこもりLv1
│[パラメータ]
│ 筋力:1(+2) 耐久:1(+2) 敏捷:2(+2)
│ 器用:5(+2) 魔力:7(+5) 精神:1(+4)
│[クラススキル]
│ 内弁慶、情報端末[T]
│[コンビスキル](SP:0)
│ 通販生活Lv2
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│【山城 護】自宅警備員Lv1
│[パラメータ]
│ 筋力:3(+2) 耐久:2(+2) 敏捷:2(+2)
│ 器用:6(+5) 魔力:5(+2) 精神:3(+4)
│[クラススキル]
│ 内弁慶、情報端末[S]
│[コンビスキル](SP:2)
│ 拠点設営Lv1
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ふはは、全パラメータが2階級特進である。
しかも精神値に至っては4階級特進だ。
精神値がメンタルに作用するならば、これだけの上昇値だ。
とつぜん性格が変わったのも納得できる。
小森ちゃんが豹変したタイミングからするに、原因は拠点設置したことくらい。
そして、拠点内で精神値が増大、つまり自宅内で気が強くなったわけだ。
まず間違いなくスキル『内弁慶』の効果だろうな。
問題はスキルの適応範囲だが、これはおいおい調べて行くとする。
ともあれ、なんだか身体も軽いし何でもできそうな気もしてきた。
そして今気付いたんだが、クラススキルに情報端末なんてのが増えている。
小森ちゃんが[T]で俺が[S]になってるんだが……まあ使ってみれば分かるだろう。
試しにスキル『情報端末』を意識して使おうとすると、手元にポンという軽い音と共にある物が召喚された。
これはまさか!?
この、手に吸い付くようなフォルムに機能的なデザイン。
まるで自分の半身が戻って来たような感覚を覚える。
昨日今日と何かが足りない、手持無沙汰だと思ったらこれが無かったのが原因だと気づく。
そうスマートフォンだ。
俺の手元に召喚されたのは、スマホタイプの情報端末であった。
「小森ちゃん、『情報端末』スキルを使ってみるんだ!」
「わわほんとですね、なんか増えてます! ――――おぉ、何か出ましたよ!」
小森ちゃんもスキルを使うと、ポワワンとタブレットタイプの情報端末が召喚される。
なるほど、[T]とか[S]はタイプの違いなんだな。
試しに自分の端末を色々弄ってみると、現在時刻の表示に拠点周囲のマップ表示、自身のステータスの表示も出来る。
他にもいろいろありそうで、すぐには使いこなせそうにない。
まず俺は、ステータス表示を確認してみることにした。
端末上でステータスを確認していくと、スキルの詳細を知ることができた。
やはり『内弁慶』は拠点内でのみ発動するスキルらしく、効果は精神値が2で他は全て1アップするもののようだ。
俺達の場合は2人分の効果が重なってあれだけのパラメータとなったようだ。
拠点内限定とはいえ、なかなかの効果量と言えよう。
あと『情報端末』も拠点内限定のスキルらしく、拠点から外に出ると端末も消えてしまうらしい。
もしかしたら拠点内に入ったことで条件を満たし、このスキルが発現したのかもしれない。
あと、召喚された端末を弄ってみたが、『警備用品ガチャ』なんて物も有った。
後でこれも試してみようと思う。
ちなみにマップ表示を見ると拠点範囲がサークルで示されており、どうやらテントから半径30mが拠点領域として扱われる範囲であるらしい。
他にも以前から気になっていた、コンビスキルの横に表示されていたSP表示。
どうやら端末上でも、このSPを使用してスキルレベルの上昇と新たなスキルの取得が可能なようだ。
スキルをざっと見た感じでは『遠隔回収』と『領域拡張』が気になったので取得してみた。
まずは『遠隔回収Lv1』、これで拠点領域内のジェム(魔石)を遠隔回収できるらしい。
商人ギルドでも魔石がどうたら言ってた気がするが、魔石=ジェムだとスキル説明を見て知った。
やはり魔物を倒していく必要がありそうだな。
ちなみにこのスキルレベルを上げる事で、素材の回収が出来たりと色々便利になるらしいが、悪草の素材は不要なため現状は1のままで充分だろう。
もう一つの『領域拡張Lv1』、これは拠点領域を倍にするスキルだ。
現在が半径30mのところを2倍の半径60mに出来るらしい。
拠点領域の広さ=行動範囲であるし、マップ表示に魔物らしき光点が表示されていたので警戒範囲の拡張にもなる。
こっちのほうが俺には優先度の高いスキルに思えた。
「端末のステータス表示から、新しいスキルを覚えられるみたいなんだけど、小森ちゃんも何か良いスキルが無いか見てもらってもいい? ちなみに俺は『遠隔回収Lv1』と『領域拡張Lv1』ってコンビスキルを覚えたよ。これで拠点の範囲が広がって、魔石の回収が捗る」
「新しいスキルですかー(もぐもぐ)良いですね~(うまうま)」
「――って、何食ってんのさ!?」
「何って、オニギリですけど……あっ、ごめんなさ~い。山城さんも要ります?」
軽くイラっとした俺は、彼女の傍らに一つだけ残っていたオニギリを無言で強奪する。
おっ中身の具は鮭か、実に美味!
「あーーーっ! それ、私の鮭オニギリですよ! なんで勝手に食べちゃんですか!? 最後の楽しみにとっといたんですよ~」
「いやぁ、要るかって聞くからさ」
「それは、別のを出そうかって事ですよ。まったく……山城さんは意地悪です……」
「悪かったって。それよりさ、何でオニギリなんてあるんだ?」
「それはですね~、『通販生活』を使ったんですよぅ。――――ほら、こんな感じです」
小森ちゃんがタブレット端末を操作すると、テントの中心辺りに何かが召喚される。
「山城さんも私と同じのをどうぞ、あっでも、鮭オニギリは返してくださいね」
「ありがとな。いやぁ、異世界で米が食えるとはね……」
渡されたのは笹の葉で包まれたオニギリが3つと、水筒らしき竹筒が1本だ。
オニギリはツナマヨ、おかか、鮭の3種類で、水筒の中身は麦茶だという。
鮭オニギリはしっかり取り返されたが、それ以外を十分に堪能した。
たかがオニギリとはいえ、宿の食事に比べれば月とスッポンだ。
これが有るって分かったら、もう宿の食事とかいらねーわ。
「やっぱり米は美味いねぇ。そういや、もしかしてこれもジェムで購入したのか?」
「そです。今のがオニギリセットで5ジェム掛かりました。ちなみに、私の残金はえーっと、1425ジェムですよ~」
「そうなるとやっぱり、魔物狩りは必須か…………よし! 腹もふくれたことだし、ささっと悪草を刈ってきますかね」
「お願いしますね! 私はここで情報端末について調べときますね」
「オッケー。あっ、あと偶にでいいから、マップでの魔物の警戒もよろしくね」
これも適材適所だ。
いくらパラメータが上がったとはいえ小森ちゃんは未だ一般人未満、魔物と戦う事は厳しいだろうからな。
気力の充実した俺は、騎士のあんちゃんから貰ったショートソードを抜き放ち、魔物との初戦闘に臨んだのだった。
――10分後。
「ぜえはあ、ぜえ…………あー、死ぬかと思った……つうか剣なんか使えるかっての!」
そう毒づき、ショートソードを地面に叩きつける。
ただでさえ剣なんて使い慣れていないのに、切る対象がユラユラ揺れる草だってんだから無茶な話だ。
西洋の剣は断ち切るのには向いているが、単純な切れ味という点ではさほど優れてはいない。
そのため、掴みどころの無い物を相手にすると、簡単に受け流されてしまうようだ。
悪草に思いっきり切りかかったら、あっさり受け流されてそのまま腕を掴まれ。
一張羅のジャージの袖を犠牲にしつつ、命からがら逃げて来たのが、この10分間の出来事である。
そういやギルドの受付嬢ちゃんは、槍を使えって言ってたよな?
「ねえねえ小森ちゃん、『通販生活』で槍って買えないかな?」
「えーっと、無理そうですね。買えるのは日本のネット通販で買えるような物ばかりです。しかもレベル毎に制限が有って、高価な物はまだ買えませんし」
「だよねぇ……やっぱり、街で槍を仕入れてくるしかないかなぁ……」
「う~ん、槍ですかぁ……槍、ながもの、伸びるもの、あっ、これなんてどうでしょう?」
そう言って俺に見せてくれたタブレット端末の画面には、ドンピシャなアイテムが表示されていた。
やっぱり地球の製品はチートアイテムだよね。
3/17) ステータス表示の変更。ガチャ系のスキルは情報端末スキル前提のため、スキルでなく情報端末の機能としました。




