めんどくさがり、天使にされる。
ここは…?
ひたすら白い。そのくせ光源は見当たらない。そして壁も見えない。少なくとも部屋と呼べる次元の大きさではなさそうだ。
「ここは神界。君は死んだのじゃ。」
「はぁ、で、その死んだ俺に何の用で?ただの一般人ですけど。」
「えらい冷静じゃな。まあよい、君は剣と魔法の異世界で天使をやってもら──」
「嫌です。」
ぴしゃりと遮って言ってみると、目の前の老爺は驚きと困惑で硬直していた。
めんどくさい。
「え?な、なぜじゃ?」
「なぜって、面倒だからですよ。」
「面倒?この手のことを喜んでするような人間を選んだはずじゃが…」
「多分人違いです。」
「どれどれ…」
そういって、目の前の、おそらく神様の老爺は俺を見つめだす。
「確かに人違いのようじゃ。そして君、相当な異常者じゃのう。苦労してきたのではないかの?」
異常者なのが分かるなら、これまで苦労してきたかどうかも分かるだろうに。そうはいかないのか?
「めんどくさいことなら、たくさん。転生も面倒なので嫌です。」
「しかし、天使として転生させるというのは変えられないからの…では、種族は天使だが天使としては働かなくてよい、そしてできるだけ要望を叶える、これでどうかの?」
「では、天使の羽や輪っかは隠せるように、水や食べ物、酸素を必要とせず体調不良のない体と、剣と魔法の才と、人里離れた僻地に安全な家を。」
「それくらいなら容易いこと。他にはないかの?」
「魔法は、魔法陣を使うタイプですか?」
「そうじゃ、魔法陣に記された内容に則って魔法が発動する。ただし、起こす事象相応の対価としての魔力が必要じゃ。まあ、その辺りの知識は流しこむから心配はいらんよ。」
まんまプログラミングだな、解析しよ。
「なら、いくつかテンプレートをください。」
「よいぞ、初心者向けから上級者向けまで用意しておこう。」
剣は魔法で作ればいいか。
「以上で。」
「そうかの。じゃあ、転生させるわい…」
すうっと意識が遠くなっていった。




