第十話『ロッカーの中で』
天津猫です、今回はレイナとなぬいのロッカーの中での出来事です。
どうぞ!
第十話『ロッカーの中で』
「(ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!なぬいさんが今、私の目と鼻の先にいるよ///)」
「(上級生たちから隠れるために急いで入ったものは良いものの、狭いなここ……)」
現在、なぬいとレイナは空き教室のロッカーの中に居る、二人の距離は少し動くだけでお互いの体が当たる程に近く、なぬいは上級生たちから隠れるためにレイナと共に空き教室のロッカーに入ったのである、レイナはなぬいが近くに居るため赤面して顔を下にして俯いているのに対し、なぬいは上を見上げ隠れる場所が狭いと考えていた。なぜ二人がこのような事になっているのか?それは一年生争奪戦が始まり、なぬい達が逃げるほんの少し前に遡り、レイナ達のクラスもまた、教室に待機させられていた。
「(今日は先生が放課後になったら理由がある以外出るのを禁止してたな、何でだろう?そういえば一年生争奪戦今日から始まるんだっけ?)」
「はぁ~」
レイナは教室から出るのを禁止した理由を考えていた、レイナが考えている姿を横目に見ていた有馬は誰にも気づかれない程のため息をついた、レイナ自身は気づいていないが教室の男子だけではなく女子も一緒にレイナを見ていた、レイナの考える姿はまさにこの世の可愛いを集結させたかの様な姿であった、一部のレイナの居る賢者クラスの生徒数名以外はレイナの考える姿に釘付けになっていた、レイナに釘付けになっていな生徒の中には入学初日になぬいと戦った牛丸豪の姿もあった。
「(レイナちゃん、それを無意識にやってるか告白されるんだよ)」
有馬はレイナの無意識に人の目を集めるクセを横でいっつも見れいるせいか、少しうんざりしていた、有馬はレイナのクセについて一旦置いておき、自分のスマホを覗き込んだ。
「(それにしても、陽太が急にメールを返さなくなったな、何かあったのか?)」
有馬はさっきまで陽太とメールをしていた、陽太に自分の秘密を知られてから、陽太との交流が増え、休日には一緒にデパートに買い物に行くほどに仲良くなった、なお、絶対にデートでは無いと有馬はデパートに行ってる間、ずっと心の中で思っていた、連絡先をお互い交換したのはつい最近である。
【連絡が取れないのはお互いに困るから、その……こ、交換しないか//】
【ん、別にいいけど?どうした、そんなに顔を赤くして、熱があんのか?】
【い、嫌、そんな訳ないだろ!】
【なら良いけど】
なんて会話があったりした、ピロン!その時有馬のスマホに一件のメールが届いた、誰からだろうと思い有馬は確認してみると送り主は陽太であった、陽太から届いたメールを直ぐに確認すると、そこにはこう書いてあった。
[有馬!レイナちゃんやお前が信頼できる奴と一緒に教室を出ろ!一年生争奪戦に巻き込まれるぞ!]
「……!」
有馬はメールの中にある一年生争奪戦の単語に驚いた、そして、瞬時に理解した、陽太は一年生争奪戦が想像以上に危険なため逃げろと教えていた、その後の有馬の行動は早かった。
「レイナちゃん!」
「…………え!何?有馬君?」
「逃げるよ!」
「へ?」
突然の有馬の言葉にさっきまで集中していたレイナはビクリと肩を上げた、そして返事をする前に有馬に手を引かれ教室を出た、有馬が教室を出て周りを少し見渡すと、有馬とレイナよりも先に二名の生徒が教室から出ていた、その二人の正体はさっきまで有馬とレイナと同じく教室に待機をしていた牛丸の姿であった、どうやら有馬とレイナよりも先に今回の一年生争奪戦について感づき、一足先に教室から出たのだろう、もう一人は今やこの学校に知らない人はいないとされる生徒、今年のソムニウム学園の首席合格、伝説の王の血を引くとさえる生徒、その名はアルメルト・ペンドラゴン、賢者クラスの誰よりも早く気づき教室から出ていた。
「ねえねえ?どうして急に教室を出たの?」
「それは、陽太からメールで一年生争奪戦から逃げろと、送られてきてね」
「へ~それにしても、有馬君?」
「何、レイナちゃん?」
「いつの間に陽太君とメールを交換したの?」
「…………へ!!//」
有馬は自分で墓穴を掘ったのに気付いた、実は有馬は陽太とメールを交換していたのをレイナには秘密にしていた、理由は特に無かった、ただ、何故だか知らないが男の子の連絡先を嫌、陽太の連絡先を渡したくなかったと思ってしまった、普段は男のフリをしていた有馬だがあの日、陽太に秘密がバレてからは陽太の前だけは無理に男のフリをすんでいたそのせいか、気が抜けていた部分があった。
「い、嫌、何友達と連絡先を交換するのは当たり前だろ!//」
「ふ~ん、有馬君少し顔が赤いよ?」
二人が少し話し合っている間に後ろからは悲鳴が聞こえてきた。
「ここかー!賢者クラスの一年生達がいる教室がある場所は!」
「上級生たちが押し寄せてきたぞー!」
「「「「「「「ギャアァアアアー」」」」」」」
なぬい達のいる愚か者クラスと同じように後ろは完全に阿鼻叫喚であった、あまりのヤバさに二人は猛ダッシュをして廊下を走っていた、そこでレイナが有馬に尋ねた。
「何処まで走るの、これ?」
「食堂までだよ、そこで一旦陽太君達と合流する」
「じゃあ、なぬいさんも一緒にいるって事ですよね?!」
嬉しそうな顔をするレイナに有馬は苦笑いをしながら、食堂に向っていた、だが物事は上手く行かないのがお約束、後ろから甚大じゃない殺気を感じた、あまりの殺気に後ろを走りながら振り向くとそこには、逃がすものかと言うように大量の上級生たちが追いかけて来ていた。
「いたぞ!今年の賢者クラスの大物一年生の第二位と第三位だ!」
「追え~!俺たちの獲物だ!」
「どうか我々の研究会に!」
「ひぃ!ヤバイですよ有馬君!あれに捕まったら終わりですよ!」
「それは見れば分かるよ!」
レイナは涙目になりながら、有馬は大量の冷や汗をかきながら捕まってたまるかと、自分たちがだせる全力で走っていた、廊下の突き当りを曲がり食堂が見えてくるとそこにはなぬい達が既に到着していた。
「なぬいさん~!助けてくださいぃいいい!」
「何二人とも大量に上級生たちを連れてきてるんだよ!」
「ごめんなさいぃいいい!」
レイナは泣きながら謝りながろも、合流が出来たため、一旦食堂の扉を全て施錠し真ん中の机に集まり作戦会議を始めた。
「いいか、まず二人一組になって逃げるんだ、食堂は学園の真ん中にあるから皆で全方向から逃げれば上級生たちがバラバラになって逃げきる確率が上がる」
珍しく陽太が考えた作戦に各々が了承の意味を持って頷いた、そして二人一組の組み合わせはクジで決め、次のようになった、なぬい&レイナ、晴明&サヤカ、陽太&有馬のいつも通りの組み合わせであった、クジで決めたため全員がそれを了承し、作戦を開始した。
「やっと開いたぞ!さあ諦めて我々の研究会に入るんだ!」
「筋肉研究会に入りたまえ陽太君!」
「レイナちゃんサヤカちゃん、私たちのメイド研究会に入りましょう!」
「今だ全員散れ!」
「「「「「了解!!」」」」」
上級生たちが入ってきた瞬間、なぬいの号令と共に各自が動き出した、それに乗っかりなぬいとレイナも動き出し、偶々見つけた空き教室のロッカーに隠れることになり、そして冒頭に戻る。
「あ、あの、なぬいさん//」
「何、レイナ?」
「ち、近くて、もう少し離れてもらえますか//」
「嫌無理だよ、これ以上はお互い離れなれない」
ロッカーに入ってから三十分近くこの距離を保ってきたため、レイナの恥ずかしさメーターは100%を振り切ってきた、これ以上近くに居るとレイナが倒れてしまう、レイナの状態がヤバいと感じたなぬいはある行動をした、それが逆効果になるとは知らず、ドン、ロッカーのレイナがいる側に手を当てた、その姿は完全に壁ドンであった。
「な、なぬいさん//?」
なぬいの急な行動に顔を更に赤くなった顔をなぬいに向けた、そしてなぬいはそれを待っていたかのように、レイナの唇に人差し指を置き、こう呟いた。
「もう少しだけ静かにしてくれますか、お姫様?」
「ひゃ、ひゃい//」
その後見つかったレイナの姿はトマトの様に顔を真っ赤にした姿だったとか。
今回も最後まで読んでくれてありがとうございます。いかがだったでしょうか?次回は陽太と有馬編です、お楽しみに!バイバイ!!




