13話 ボンダーレポート
トマホークの攻撃が弾かれる。全方位からくる斬撃でトマホークが止まる。足元に着弾したロケットでトマホークが吹き飛ぶ。天井にぶつかったトマホークは、白煙の中心へ斧を投擲。グレネードランチャーで投射されたような発煙筒を列車の外へ弾き出した。列車側面で、落下したはずの那東が中型のドローンに搭乗、脚部に薬筒を当て傷を焦がし止血、さらに首元へ薬品を投薬している。ベネットとヴェロニクも、西側の銃を所有していた。
トマホーク(羽音……?)
トマホークは列車へ着地すると、最後尾の更に後ろを見た。明るいトンネルの奥、軽車両に搭乗しドローンをあまた従えた女が、バイオリンを演奏している。操縦者の髪は白かった。ドローンがヴェロニクたちに武装を投下していく。那東は刀を抜いて列車に着地。
マイロー「なぜ協力を?」
サーヘル「いい、じゃない?私、やっと人生、してる?」
マイロー「知りませんよ」
サーヘル「血で人、を殺して、思想も受け、継いで、恨みも引き、継いで……ちょっと、なんだ、ろう。殺しに、嫌気、それでアイツら、と生きてた。でも、そう……やっと人生、生きてる、って思える。楽しい?そう、楽しいの!!善悪、じゃない。悦楽。関係ないかも?人生はこれでいいかも?」
マイロー「疑問だらけですね」
サーヘル「それが生きる?もっと疑問、欲しい」
車両を横切って、雷を纏ったセナが列車の速度を優に越えて走る。窓からの麻酔による攻撃は効くことはありえない。最前列へ突っ走りスターリンの目の前に着地したセナの手には、何も銃は握られていなかった。帯電し、その輝きを膨張させていく。
セナ「そこを退きなさい。私には列車ごと破壊する火力があります」
スターリン「そうだろう。なら我々はどうする?」
セナのすぐ傍のトンネル側面を貫いたアノマロカリスが目前に迫った。砕けた石材が降りかかる。アノマロカリスの動きは、爆炎と同時に上部から地面を貫いてきた大型の弾頭がぶつかり、すり減らして衝突。アノマロカリスの動きをまったく抑制し、停止させた。
???「ちょっと、何よ~!!!」
艶やかな男性の声色が、拡声器越しに響いた。
セナ(今の、エヴグラーフ。まさかアノマロカリスに乗っている?)
???(無線)「セナ、やっと繋がったか」
セナ(無線)「エメラルド様?」
エメラルド(無線)「電波妨害の圏外に出た。それは地中貫通爆弾だ。アノマロカリスの位置はこちらで捕捉している、だが、少しだけ動きを止めることぐらいしかできない」
セナ(無線)「洗脳は大丈夫ですか?」
エメラルド(無線)「被害規模は甚大。だがマザーと私は無事だった。これは強制的なサイコセラピー、対処法として、アートセラピーを用いた一時的な自己陶酔で症状を緩和した」
スターリン(無線)「やれ、エヴグラーフ。これらは最小の犠牲である」
エヴグラーフ(無線)「列車ごとすりつぶしてくれるわ!この場にいる全員が死んでも、私たちの計画に、何も問題ないもの!」
列車が通ってきたトンネルを丸々破壊しながら、進んでくる。巻き込まれる線路や証明がアノマロカリスの高周波の機材で粉砕される。次々と地中貫通爆弾が当たり、アノマロカリスの速度が下がるが、すぐに加速してトンネルを破壊、列車の速度に追い付いてくる。マイローとサーヘルは列車においつき、乗り込む。高周波の機材が高速で回転し、帯電しながら列車に食らいついた。巻き込まれるようにして車列や、粉砕されていく。貨車内部の兵士が潰され血が貨車から飛び散り、慌てて兵士たちが貨車から移動していく。弾頭による攻撃に曝されながら、車列を破壊するアノマロカリス。
セナ(無線)「エメラルド様、指定ポイントに爆撃を。いけますか?」
マザー(無線)「威力は問わないな?」
セナ(無線)「マザー?お願いします!」
トンネルを抜けてすぐ夕日が針葉樹から差し込んで、空から飛来する一機の戦闘機の輪郭を描く。
マザー(無線)「爆撃を開始する。対ショック姿勢!」
黒々とした一機の戦闘機が、真っ直ぐ垂直に線路に突撃していく。中型ドローンがセナを除くORCAの面々を連れて場を離れる。サーヘルもドローンの搭乗した。
マザー(無線)「ミサイル積載、燃料満タン、赤道直下無人ブラックバードだ」
SR-71ブラックバードが直下で列車に食らいつくアノマロカリスの鼻先にある車列を吹っ飛ばし、巨体と車体を空中に吹き飛ばした。ズレた軌道のままアノマロカリスは線路沿いから外れていき、針葉樹林を破壊して明後日に向かっていった。
セナ(やはりあの巨体で勢いがあれば、物理的に旋回は難しい。勢いを止めないで軌道を反らせば、時間が稼げる。そして)
吹っ飛ぶ貨車の一つが、先頭の方向にある車両に向かって飛んでいき、貨車の一つを押し潰してひしゃげる。勢いの潰れたところでスターリンが姿勢を崩したところを、セナが走って先頭車両に踏み込み、帯電して先頭の更に先へ飛び込んだ。線路に飛び込んで腰を据えると、列車の先頭を掴んで脚を地面に突き刺し、火花を散らして列車の勢いを止めていく。勢いを完全に抑え、更に強く帯電し、車列を先頭から高らかに持ち上げる。抱えあげた車列を持って、腰を曲げ、繋がった車列ごと列車を針葉樹林へ投げた。落下していく列車は大きく転がり、転倒した。アノマロカリスの軌道がこちらに戻ってくるのが見える。
先頭車両が漏電するなか、ドローンが集まっていき、囲んでいく。ORCAの各員やサーヘルが降り立つ。貨車内部で気絶するトマホークとラダが見え、ベネットとヴェロニクが車列でのびる兵士のたちに銃口を向けて制圧、那東は傷の手当てを行っている。先頭車両にマイローとセナが入る。気絶した車掌の傍にあるアタッシュケース内部は空。割れた前面窓から外、グレネードが爆発する。落下するドローン群。唐突に打ち上がった風船に吊られてスターリンが、トリガー状の装置を手に上空へ上がっていく。
セナ「フルトン!?」
マイロー「セナ、私を!」
セナがマイローを担いで、勢い良くフルトンへ投げる。吊られた鉄の紐を手掴みしマイローがフルトンにぶら下がり、片手で拳銃を握る。スターリンに照準を合わせ引き金を引いた瞬間に、フルトンが戦闘機に回収後され、明後日の方向に弾丸が飛んでいく。スターリンとマイロー両者が強い風圧に曝されるなか、お互い引き金を引いて銃を発射する。何発も発射するがまったく命中していかないなか、マイローが先に銃へ弾丸を当てて、スターリンが構える2丁のリボルバーの片方を破壊した。同じタイミングでマイローの銃が破壊され、バラバラになった拳銃が空へ散った。マイローが紐を掴んだ手を緩めて、リロードをしようとするスターリンへ距離を詰めて突っ掛かり、手を捻ってリボルバーを離させた。頭突きでマイローの頭を揺らすと、逆に手を捻って、マイローを振り払い、マイローは空へ落ちていった。
マイロー「くっそ……!」
下方から飛んでくるミサイル。ミサイルに掴まったセナが空中でマイローを捕まえ、ミサイルが戦闘機へ飛んでいく。フレアを発射する戦闘機へ着地すると、上空でミサイルが爆発した。マイローがセナにしがみつきながら、キャビネットを破壊してパイロットを殴り飛ばし上空へ放り出す。
マイロー「運転をお願いします!速度を落として、徐々に向きを反転、運動に合わせて私が背面に登ります」
セナが機体を反転飛行に切り替え、徐々に向きの変わる戦闘機の背面にマイローが移っていく。
セナ「速度60km、これ以上は下げられません」
マイロー「銃器はありますか?」
セナ「……ありません」
マイロー「運転は任せます。私は」
背面飛行中の戦闘機に立つ、マイローとスターリン。夕日がスターリンの背中にあり、腰にトリガー状の装置があった。
マイロー「それが、制御装置ですか?」
スターリン「エヴグラーフが用意してくれた。私を拒む者への、最後の手向けだ」
マイロー「それ、いただきます」
スターリン「拒みたくば拒め。それもまた……我々の望みだ」
マイローの右拳にスターリンは裏拳で応戦。スターリンの脚を蹴り崩すと、回し蹴りでスターリンの顔を蹴り飛ばした。
マイロー(体格差で押しきる)
マイローがスターリンにのし掛かり顔面を殴打。スターリンは拳にかじりつくとマイローの目へ殴りかかる。拳を掴んで握り込み、握力で関節を押し曲げて、スターリンの片手を潰した。一瞬力が抜けたところをマイローが、畳み掛けるようにまた顔面を殴打、首を絞め始めた。酸欠で力が抜け抵抗できなくなった。マイローが力を抜いて腰から装置を引き抜いた瞬間、息を吹き替えしたスターリンがマイローの胸元を掴んだ。
スターリン「……貴様に、平和へのビジョンはあるか?」
マイローはトリガーを引いて装置を起動した。
マイロー「そんなものありませんよ。ただ、それは平和じゃないという意志を、あなたにぶつけただけです。自由と選択の先にこそ人権や多様性があり、その逆はありえません。自由には責任が、選択には失敗と後悔がつきまといます。我々が持つ元来の、人を傷付ける性のようなものは、自由と選択の弊害としてまた別にある、機会の不平等による貧富の差がもたらす物です。我々は元来の個性の弊害として加虐性を帯びているに過ぎないと思います。また人は幸せも悲しみも表現が可能です。笑顔と涙は備わり、それは生き物はそもそも幸せになり悲しむという性質を帯びていることを表しています。加虐もまた悲しみの一つ。なのでそれは人間だけが囚われている性ではなく、生物の特性でしかなく、それは特異という訳ではないでのしょう。人はこのまま賢く愚かで無粋で強かで、それで良いと、私は考えます」
スターリン「それが君の答えか」
マイロー「答えなんてありません、これはまだまだ途中式です。あらゆる哲学者は平和よりも処世を説いて回ります。そんな現状で、命を奪う側の私が何を言えるでしょう?平和を戦争という一面からしか考えられない人間が平和を語って何になりましょうか?それは人殺しの作る法律と大差ないでしょう。少し例えがおかしいでしょうか?ならばこそ、私は何も語れません」
スターリン「君は賢いな」
マイロー「世界一のAIが人を褒めますか」
スターリン「賢さは自身が少数派であることを決める。その悲しみはどこかで君を蝕むかもしれない。気を付けろ、考えられるというのは、存外寂しいものだ……この子の後を頼めるか?」
マイロー「……あなたの本体はどこですか?」
スターリン「クレムリン、地下50m。地中貫通爆弾でも撃てば終わる話だ」
マイロー(無線)「セナ、マザーへ連絡を。目標クレムリン地下50m。スターリンは回収、装置」
セナ(無線)「了解」
マイロー「この子自体に罪はないのでしょう……ですが、世界はきっとこの子を裁く」
スターリン「だからこそだ、頼めるか?いや、この際、善処だけでも誓ってくれ」
マイロー「……はい」
スターリンは突然力尽き、目を開けた。
???「……?」
マイローがその子を抱える。
マイロー「セナ、帰還を」
機体が高速旋回、マイローと子供が宙ぶらりになる。戦闘機が加速していくなか操縦席に登るマイローは、帯電するセナを見た。
マイロー「セナ!?」
返答のないセナ。マイローは子供をコックピットに押し込み、セナを揺らした。
マイロー「セナ?セナ!!」
セナ(無線)「申し訳ありません。身体の機能が全く制御できなくなりました。この航路、行き先はモスクワのようです」
マイロー「モスクワ?」
セナ(無線)「内部炉心の異常な発熱を確認。おそらく、臨界が近いのでしょう」
マイロー(無線)「臨界って……セナ、あなたの身体はまさか原子炉か何かが?」
セナ(無線)「原子融合炉です。おそらくですが、私はそもそも爆弾として作られたのではないでしょうか?マザーにイクシールの本体の位置を知らせた瞬間に制御が効かなくなったので、きっとこのままモスクワまで向かって………自爆。マイロー、コックピットを
から私をなんとか外して、子供を乗せて脱出装置を起動してください」
マイロー「なんとかと言われましても……セナはどうなるのですか?」
セナ「私はAIです。何も問題はないでしょう?」
マイロー「何もって……」
セナ「できることは少ないです。できるだけ復帰を試みてみますが」
マイロー「……分かりました」
セナを退かそうとするにも、微動だにしない。
マイロー(無線)「マザー、エメラルド、これはどういうことですか!?」
???「マザー、エメラルド両名はたった今、ORCAの指揮系統に関する全ての権限を剥奪された」
マイロー(無線)「……ステイツマン」
ステイツマン(無線)「私は後片付けが苦手なのだよ、いつも最後は荒っぽくなってしまう。だが、全て今回も上手くいった」
マイロー(無線)「何の話だ」
ステイツマン(無線)「イクシールによるRemeDyarchIstの封殺だけではない。CTBT、Comprehensive Tactics Beta Test(包括的最終戦術試験)の情報漏洩封じこめ、プロジェクト・ペレの後発派生計画、プロジェクトSENAによる原子融合炉の臨界における目標破壊評価すら提出できる」
マイロー(無線)「ドイツはあえてアメリカが残したという情報がある」
ステイツマン(無線)「そこまで抜かれていたか、やはりAIによる技術進化など頼れないものだ。WMDとしてイラク戦争時に回収したイクシールは、そもそもサウジアラビアに我々の資金で開発させていた新型兵器の一種だ。だがサウジは、兵器ではなく、兵器を作る兵器を開発した。AI技術がまだまだ未発達の段階で行われた開発故、我々は逆に躊躇なくAIを導入した。あれは悪手だった」
マイロー(無線)「お前たちペンタゴンは世界の戦争にどこまで関与している?イラク戦争が起因として中東でイスラム過激派組織が台頭し、そのせいで移民がヨーロッパに大量に流入したと聞くぞ」
ステイツマン(無線)「どこまでもだ。そして、結局それらの被害を被るのは我々ではなくヨーロッパだ。世界が弱体化すればアメリカは台頭できる、孤立主義とはそういうものだ、本質的には計画経済と変わらない。CTBT、Comprehensive Tactics Beta Test(包括的最終戦術試験)は、アメリカ大陸外に戦地を敢えて敷くことで安全圏から常に戦闘データを更新・解析するための計画だ。ドイツはあえて我々が残した。あの立地に国がある限りヨーロッパはいくらでも戦争の火種にできる。その火種はアメリカ大陸以外を盛大に燃やす。定期的に戦争が勃発すれば比較として、我々は台頭できるだろう。またそれら戦争に外野から加担するだけで膨大な兵器や戦術の実地試験も行えるし、戦勝国として常に戦争に参画することで、世界警察としてのメンツも守れる。一環としてプロジェクト・ペレというものがあった。これは、核燃料による迅速な兵站補給を実現すれば、補給を分断した場合放射能汚染が発生し、敵国が確保する土地をできるだけ汚して割譲するという戦略的利点があった。戦地のほとんどがアメリカ大陸外だから可能な作戦だ。そしてプロジェクトSENAは、兵站補給の分断だけでなく、そもそも兵士を殺しただけで放射能汚染が発生するようにすることで、兵士の殺害だけすら核抑止並の抑止力を敵国に叩きつけられる、という目的を持って立てられたプロジェクトだ。同じく、戦地のほとんどがアメリカ大陸外だからこそ可能な作戦だ。そしてサウジアラビアの持つ発展途上だったアンドロイド技術と、アメリカがイクシールに出力させた小型原子融合炉の技術で設計され、イクシールそのものをすら搭載した新型人的資源として、セナを導入する運びとなった。プロジェクトSENAとは、Spear Evoked “NO Attack”(核に抑止が紐づく)の意味であり、個体名セナとは、Secret that National Author (国家帰属の原著者による極秘任務)を意味する。アンドロイドの性能は明らかに常軌を逸しており、原子融合での放射能汚染は未知数でもあった。故にセナは、任意のポジションに陸・海・空で輸送できる原子融合爆弾として活用することにした。丁度、新ソ連を破壊できるポジションにいることだ。やはり私は後片付けだけは苦手だ……息を吸える最後の時間だミロスラフ・レヴシュビーチ、あの世でくらい銃は握る必要もないだろう。アウト」
マイローはセナを座席から引き剥がそうとするも、やはりダメだった。
マイロー(動かない……くっそ!)
マザー(無線)「t……おい、聞こえるか?」
マイロー(無線)「マザー?」
マザー(無線)「この通信は一分と持たないだろう。端的にいくぞ、お前を生かす。座席からセナを退かせられれば問題ない。私の方でセナには独自にバックドアを仕掛けてある。そのせいで汎用性皆無だがな。あと20秒もしたらセナが一時的に無力化される。30秒だけだ。セナを退かしてコックピットに座り脱出装置を起動しろ」
マイロー(無線)「セナの本体はどこですか?」
マザー(無線)「制御部分は胸部に集約している」
マイロー(無線)「記憶は?」
マザー(無線)「頭部にSSDならあるが?」
マイロー(無線)「あとでデータ持っていきます」
マザー(無線)「やれるなら頼む。アウト」
セナが漏電し始め、簡単に退かせられるようになった。マイローはセナの眼球にあるカメラを叩き割り、漏電するなか素手を突っ込んで内部の配線を破壊してまわり、内蔵されているSSDを全て引き抜いてポケットに入れた。胴体を退かして座席に自身と子供を固定。コックピットを射出、針葉樹林へ次第に落ちていった。遥か遠く遠くの地平線で閃光が放たれ、その地平線ごと蒸発していった。
夜、裏路地のマンションの一室に白髪の男が近寄り、4回と2回のノックをした。玄関が暗いまま開けられる。扉が閉じた。暗い部屋を、目から明かりを照らして進む女。
???「あの、明かり付けてもらっても?」
部屋の辺りが点灯した。
???「申し訳ありません」
???「ステイツマンの調査は未だ進展無しです。新しいボディの調子はどうですか?」
???「はい、問題ありません。指紋もDNAもある人工皮は驚きました」
???「私も驚きましたよ」
???「今日は食事は済ませましたか?お作りしましょうか?」
???「作れるのですか?」
???「データは入れました」
???「今買ってきた食材はこれだけです。冷蔵庫にはトマトと玉ねぎくらいしかなかったような」
???「ニンジンと玉ねぎでミルポワを作り、トマトと牛挽き肉を入れて……確かカレー粉があったはずです、塩コショウで味を整えて」
???「私より家事ができる……」
???「ORCAの皆さんは、その後大丈夫でしたか?」
???「全員、我々と同じようにセーフハウスを複数持っているみたいです。マザーもエメラルドさんも無事でした。那東さんの傷は回復したみたいですよ」
???「そうでしたか」
???「私たちは、次は何を倒すべきですか?」
???「少し休め、とだけ言われています」
???「アンドロイドと一緒で、申し訳ありません。プライベートなんて無いようなものになってしまい……」
???「そうですか?何も不自由はありませんが」
???「そうですか……」
???「不満ですか?」
???「不満がないのなら、問題ありません。私は、人に嫌われないような……」
???「あぁ、そのことですがマザーから言伝があります」
???「何ですか?」
???「人に好かれるAIになりな、だそうです」
???「……そうですか」
???「難しいですね、人ですら人に好かれるのは難しいというのに」
???「頑張ります。まずはあなたで。AIを好きになれますか?ん?何か今の発言はダメな気がします。なぜでしょう?」
???「そうですか?私は真面目だなと思いましたが」
???「……」
???「表情が豊かになりましたね」
???「そうでしたか?」




