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1.回想

「もう3年になるのか」

祐一は自宅のリビングでくつろぎながら、ふとこれまでを振り返る。


祐一が元いた世界はもう存在しない。

会社員として40台独身を前に世界が滅んでしまったのだ。

巨大隕石が地球に衝突し、地球そのものが無くなってしまった。

将来の為の貯蓄、年金等「エリクサー症候群」の彼にはあっけない最期だった。


気が付いた時には街にいた。

ここが天国と思ったが街を一望して直ぐに異世界と認識した。

19世紀ヨーロッパの街並み、エルフや獣人が普通に歩いていて空には魔女?が飛んでいる。

異世界転生物と期待したが現実は甘くなかった。


まず現状だがポケットに身分証があった。

文字は読めるようだ。

街から聞こえてくる声も意味は理解できた。

最低限の保証はあるって事かな。

身分証には


折下祐一オリシタユウイチ36歳

職業:整魔士

住所:〇〇〇〇

などが書かれていた。


「整魔士」


初めて聞く言葉だったがとりあえず身なりなどから前世と同じく


「それなりに生きている」


という事は察した。


数年前に独立して住居兼工房を街の一画に構えている。

能力は「鑑定士」に確認してもらったが、何もなかった。

魔法ももちろん使えない。

だが、そこそこに食べていける貯えと技術・知識はある。


なんとかやっていけそうだ。


「生活を安定させてちょっと贅沢をしてみよう」


これが折下祐一の異世界転生だった。

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