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終点


 かつては自分の持ち物だったワイヤは、ゼネバが持っても無反応だった。

 もうゼネバをあるじと思ってないのだろう。

 それが少し寂しくもあったが、それだけカーラが成長している証でもある。


 カーラはこの状況をどう思ってるだろうか?

 単刀直入に聞いてみる。

「何か、感じないか?」



「感じる」

 カーラは艶っぽい瞳でゼネバを見つめる。

「ゼネバもシームァもかわいい」



「そういうことじゃない」

 ゼネバは、ワイヤをカーラに返した。

「近くにおかしな気配を感じる。何も感じないか?」



「特に何も……」

 カーラの返事にゼネバは納得した。

 カーラのワイヤは何も反応していないから。



 そこで、ふとゼネバは別のことに思い至る。

「魔導バスの終点は?」

 カイに尋ねる。


「山の手前のバス停だ」

「その後、バスはどこに行く?」

「あれは魔法使い同盟の所有だから、そこの敷地だろう」


 それを聞いて、ゼネバは「出掛ける」と言い出した。

「どこに?」

 とカーラが聞くも、ゼネバは一旦は建物の中に入った。

 そして自分の荷物を持つと、そのまま研究所の外へと。


「待って、私も」

 というカーラをゼネバは制した。



「長旅で疲れたろう。今日は休め」

 とゼネバは出て行った。

 そういえば、この研究所に泊まるなんて話を、船の中でしてたのをカーラは思い出していた。



「やれやれ、魔法使い同盟の敷地に無断侵入したのが、こっちの客人ってことになったら偉い目に合うな」

 カイがいかにも困ったという風につぶやく。

 だが、その表情はさほど困ってなさそうだった。


「シムィン、客人をゲストルームに案内して」

 カイに言われ、シムィンがカーラに「こっちです」と促す。



「どうせなら、あなたに案内して欲しい」

 と、カーラはシームァの手を再び握ろうとする。



「セクハラは辞めろと言ったろう」

 出掛けたはずのゼネバが立っていた。


「きゃー!」

 カーラは出掛けたはずのセネバがそこにいたので悲鳴を上げてしまった。


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