ゲストルーム
「こいつ、不審なことしたら追い出していいから」
ゼネバは、カイとシームァとシムィン、その場にいる全員にそう告げた。
「わかったわよ。おとなしくするわよ」
カーラがそう言うと、ゼネバは今度こそ本当に出かけた。
ゲストルームにはシムィンが案内するのだった。
* * *
ゲストルームのドアの前で、カーラはムカムカしていた。
――今、ゼネバはどうしてるだろう?
おかしな気配と言ってたが、それは口実で本当はカーラと一緒に過ごしたくないんじゃないか?
それに、あのカイという男がゼネバと親し気なのが気にくわない。
あと、ゼネバはあのシームァという女の子が気に入ったようにも見える。だから、自分がシームァに手を出そうとしたのを止めたんじゃないか。
「……あの、カーラさん? 聞いてます?」
と、声をかけたのはシムィンだ。
研究所でのルールを説明している途中だった。
「え? 聞いてるわよ。むやみに研究施設に立ち入らないようにってことでしょう?」
答えながらカーラはシムィンを見た。
女に手を出すのがダメなら、男に手を出そうか?
いや、変なことをしたら追い出される。
葛藤しつつも、おとなしくすることに決めたカーラだった。
「そうです。研究内容が外部に漏れないようにってのもありますが、場合によっては危険なこともあるので……」
と言うと、シムィンはカーラにカードを手渡す。
「この部屋のカードキーです」
カーラはカードを受け取る。
「あと、何かわからないことありますか?」
「んー?」
カーラはカードを見てはひっくり返し、裏を見てはひっくり返し…… 返事に困った。
来たばかりのカーラにはわからないことだらけだ。
「食事はどうします? 食堂の定食でいいならファッティに運ばせますので。じゃなかったらそこにレトルトやカップ麺の自販機がありますので」




