04:家族旅行
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「ようこそ、我が国ハイランドへ。勇者サカカミ、並びに勇者マユには多大な恩が御座います。短い時間ですがお楽しみ頂ければと思っております」
手荷物を部屋に預け、出されたお茶を飲んでから訪れた謁見の間。
いつもよりは格段に少ない家臣団の面々、恐らく厳選された女王からの信頼厚い人達なのだろう。全員無表情というか、奇異の目でこちらを見ない事がそれを裏付けている。
「あ、有難う御座います。ご好意に感謝します」
ガッチガチになった父さんが辛うじてお礼を述べるが、社長とかとは違う本物の威厳に満ちた王の前だ。しょうがない事だろう。
「各部屋に担当のメイドがおりますので、何かご入用ならそちらに。外出の際には警護を付けますので必ずお声をお掛け下さい。城内においても出来るだけ一人では行動なさらぬようにお願い致します」
「か、畏まりました」
父さん母さんより少しだけ後ろから、俺と真由がその様子を見守っている。逆授業参観の様で少し楽しい。
「お父さん、メチャメチャ緊張してるね」
「俺らが慣れすぎたんじゃないか? 最初来た時、お前もあんな感じだっただろ」
「あそこまで酷くは無かったような……」
金縛りにでもあったかのように背筋を伸ばして直立不動の父さん。母さんは物怖じしないのかいつも通りのほほんと手を前に組んで楽しんでいるようだ。
自己紹介自体は先程フィリス女王とダグダさんが態々こちらの部屋まで来てくれた際に終わっているので、体裁上謁見の間では目上に対しての態度で通す事になっている。
初対面の時は本当に親同士というか、もう少し砕けた感じで父さんも対応出来ていたのだが、やはり公の場にあってはフィリス女王のオーラは半端ではないのだ。
「夜にはささやかながら、晩餐のご用意もしております。お時間許します限り、アルテミアの世界を存分にご堪能下さいませ」
「あ、有り難き幸せ……」
段々武士みたいになってきているが大丈夫なのだろうか。
「ソウスケよ、そう硬くならんでも良いであろう。お前の息子など最初は口の利き方もなってないヤンチャだったぞ?」
「ああ、それは飛んだ失礼を……」
チラリと俺を見る父さんだが、過去の事は過去の事。15歳の少年にはまだ早い世界だったのだ。
「ダグダ国王様、お戯れはそこまででお願い致します」
「最近は可愛気が無いのう。セリーの尻に引かれて教育されておるのかの」
「お父様、公の場です。謹んで下さい」
王家サイドに居るセリスもお冠のようだ。シュンとして小さくなってしまったダグダさんに変わって、最近軟禁を解かれたアリスが言葉を繋ぐ。
「この度はご子息・ご息女に多大なご迷惑をお掛け致しました。しかしながら寛大な措置を頂いてこの場でご挨拶出来る事、感謝しております」
言いながらギロリとこちらを睨むアリス。笑顔で会釈されたのだが、目が全てを物語っている気がする。
最近アリスの部屋には必ずラザリスさんが居るようになっていた。軟禁……というか、単にイチャイチャ引き篭もっているだけにしか見えなかったのでフィリスさんに進言して解放して貰ったのだが。
優秀な内政要員、遊ばせておくよりは使った方が良いに決まっている。だけど、どうやらそれがお気に召さなかったらしい。
「やっぱりアレ怒ってるよな?」
「そりゃねぇ、あにぃだって逆の立場だったら不機嫌にもなるでしょ?」
「……だなぁ。まぁ自業自得だ、諦めて貰おう」
謁見の間でヒソヒソと話す俺達に父さんが少し青褪めているが、こちらとしては平常運転。魔王討伐前から案外こんな感じでもまかり通る程度には礼儀がなってないと俺は有名なのだ。
全く誇る事ではないが、ダグダさんから肝が据わっていると妙なお墨付きを頂いてしまったのでしょうがない。ユーベンテさん以外、YESマンだらけの中で面と向かってブツブツ文句を言う存在を面白がられていただけかもしれないが。
「あまり長く堅苦しい場に止めるのも酷な事、ご昼食はご希望でしたら用意させますが如何しますか?」
「ああ、町の方の案内ついでに食べますから大丈夫ですよ。部屋に戻って一息入れたら外出しますので、宜しくお願いします」
「判りました。ではそのように手配しておきましょう。では皆様、御緩りと」
最後にフィリス女王の優雅な礼を持って、王族との謁見は終了となった。
◆
「あれが本物の王族・貴族か……本当に別世界だな」
宛がわれた部屋の椅子に腰を降ろし、疲れ果てた父さんがぼやいている。
「でも何か凄いわよね、映画の中に居るみたいで」
母さんはやっぱり何も気負ってないようで。笑顔で窓の外から見える町並みを楽しんでいる。
「総司も真由も、よくもまぁああいう場所で平気でお喋りなど出来る物だな……」
「何か校長先生のお話みたいな感じだよねぇ?」
「ちょっと違うけど似たような物かな」
「普通なら不敬罪だぞ。国王様の温情に甘えすぎだ」
子供の非礼にヒヤヒヤといった感じか、父さんに久々に怒られた気がする。頭に乗らない程度にはしておこうとは思っているが、やはりやり過ぎているように見えたのは不味いかなと反省する。
「それにしても、あの方がセリちゃんのお父さんなのね……聞いていたけど複雑だわ」
お説教ムードが一転、母さんの一言で父さんも考え込む。いやまぁ確かにそうなんだけど、それも不敬罪に当たらないかな?
「もう一人のお子さんも綺麗な人だったしな、女王様の血の方が強いんだろうね」
「中身は性質悪いけどね」
「そうなのか……」
「私はそんなでも無いと思うけどな~」
「まぁ王様達の話はそれくらいにして、町へ行きましょ? お母さん外国初めてなのよ」
外国というか惑星外なんだけどなと思いつつ、影の護衛の人にも迷惑が掛かるので手早く支度する事にする。
アルテミア側の私服も市販の安い物。普段は鎧の下に着て汚れるので服装に金を掛ける意味が無い。一張羅はタキシードが有るし。
腰に神剣を下げてあっという間に支度完了、父さんと二人で女性陣が真由の部屋から戻ってくるのを待つ。
「お前、剣を持ち歩くのか?」
「だってそういうご時勢だしね」
「これがカルチャーショックか……くれぐれも人を傷付けるんじゃないぞ?」
「それは心がけてるけど、魔族が居ない以上町中で抜いたら相手は人になるんだよね」
「あまり考えたく無かったが、人を斬ったのか?」
「心がけてるって言ったでしょ? 今まで山賊すら斬ってないよ」
「そうか、それなら良かった」
ホッとしているようだが、『斬ってない』だけで鈍器で殴る程度はしている。死なないようには加減はしてるけど。刃物を持ってこっちの命を簡単に奪う様なヤツを相手にして、五体満足のまま放置したら危ないってのはもう学んだ事だ。戦闘不能にはしておかないと自分が死んでしまう。
そこら辺の感覚が既に日本人とはかけ離れているのかなとは思う。真由にしたって怪物染みた相手にしか明確に敵意を抱けてないのは良く判る。
人斬りを覚えてほしく無いのは俺も異論は無い。近藤の時、ユキヒメが手を下さなかったら危なかったかもしれない。あの人もそこを踏まえて行動したのだろう。
やや空気が重くなってしまった所に図ったように母さんと真由が戻って来た。
「お待たせ~、やっぱり王宮は良い素材使ってるわね。このブラウスなんかシルクみたいなのよ?」
母さんは王宮が用意してくれたアルテミアの服を着てみたらしい。白いブラウスに濃い紺のスカート。細かい刺繍が施されたスカーフをマフラーのように巻いてご機嫌だ。
「……」
その背後で無言の真由、理由も判らなくは無い。多分母さんのコーディネイトだ。どピンクのフリフリドレスなんて選ぶ勇気は無いだろうに。
「総助さん、写真撮って~。真由と二人で」
「りょ、了解」
「あにぃ……」
何か言いたそうだが、黙って首を振る。諦めろ。家族用の写真はデジカメで撮影らしい。ポラはアルテミアの人に配るような時に使うようだ。撮影される二人を背後から見ていた気が付いたのだが、真由の羽が綺麗にドレスに収まっている。
「真由、羽どうしたんだ?」
「ああ、ユキヒメさんって竜の羽なのに着物にスッポリ入ってるでしょ? コツを教えて貰ったんだ、キュっと小さく畳み込むのがポイントなんだって」
羽と皮翼は構造が違うんじゃないかなと思うが。出来ちゃってる事をどうこう言っても仕方が無い、多分そういう風に進化したんだろう。そう納得するしかない。見た目も大人しくなっているし、問題無いだろう。
「んじゃま、町の方に行こうか。本当に危ないから、単独行動はしないでね?」
「は~い」
「息子と娘に護衛されるのか……複雑だな」
ぼやく父さんの背中を押して、いざ町中へと出発するのだった。
◆
「ここがメインストリートですね。ママさんの興味を引くような市場は少し離れた場所にありますので、後で行きましょうね」
真昼間のせいか、メインストリートは混雑が半端では無かった。ミーララを先頭にして最後尾をアルマが見守り、父さん母さんのすぐ脇には若干青白い顔のユリウスがついている。
「ユリウス大丈夫か? 顔色悪いぞ?」
「何心配するな、ソウスケ様ナナコ様共にこちらに来たら恩返しをすると宣言していたしな。流石に鎧一式は無理でも、木盾さえあれば悪漢程度はなんとでもなる」
言いながらコンコンと木製の丸盾を叩くユリウス。義理堅いのは有り難いが、笑顔すら儚げな感じで怖いのだが。
この場にシェンナは居ない。何でも妖精王に話があるとメビウスと共に先日旅立ってしまったのだ。父さん母さんに宜しく言っておいてくれと頼まれたが、何も今じゃなくても良いじゃないか。
「ソージ、結構怪しいの多いから気をつけて。財布とか」
周囲を伺うアルマが注意を促してくる。最近は元魔術師による軽犯罪が増え始めているらしい。勿論初犯の拙い技術なのですぐに捕まってしまうのだが、少しずつ悪い方向に傾き始めているのだろう。
そんな傾向が見えているからでは無いが、この週末を区切りにして本格的に動く事にしている。まずは他の六国を訪問し、協力体制を取れるように交渉。終わったら内外の民間医療について調べ、同時に真由が医療を教える準備。可能ならそのまま希望者を募って一期生を育成したい所だ。それとほぼ同時に元魔術師の扱いについての対策を煮詰めて行かねばならない。
あっという間にアルテミアも新年を迎えるだろう。そしたらこっちで披露宴。少し考えただけでも恐ろしい量のイベントが待っている。その為の決意表明じゃないが、ここまでの俺の成果を純粋に両親に見て貰いたい。
「さぁさぁこちら高名な魔術師の方が手放した、中級治癒の巻物だ! お値段は金貨100! さぁどうだ、買わないか!」
「初級治癒軟膏、最後の大売出しだよ! おまんま食い上げのご奉仕品、今ならなんと3つで金20! 5つなら30だ!」
「<火球>の杖に<雷痺>のワンド、蔵出しの秘蔵の魔術加工装備はこちら! 他にも色々と店内に取り揃えております、如何ですかー!」
思考を商店に戻すと怒涛の売り子の声が耳に入ってくる。中級治癒で100万か、高くなったもんだ。軟膏も数倍の値段になっているようで。
「そこの珍しい格好のお兄さん方、一曲如何ですか? 新作が入りましたよ」
少し離れた所で父さんと母さんが流しの吟遊詩人に捕まっている。リュートを鳴らしながら、自分のレパートリーを告げている詩人に母さんが問う。
「総ちゃん……じゃ通じないわね。勇者サカカミの詩ってあるのかしら?」
「勿論で御座います。ハイランドにおいてその名を知らぬ者無き英雄……といっても最近では勇者マユの方が私らの業界では人気ですが。『天を舞う白き乙女』等如何でしょうか?」
詩のタイトルなのだろうが本人が真っ赤になっている。俺と違って外出時は大体ヘルメットまで被っていた真由、そのせいか顔はあまり知られていないようで。
俺が現地に到着すると吟遊詩人が小首を傾げ、俺を見てくる。
「何か?」
「はて……どこかで……?! も、もしやその髪の色にのっぺり顔、一見して貧弱そうな体つき! サカカミ様でしょうか?!」
何か前にも聞いたなそんなの。寧ろその特徴で俺と判るっていうのがそもそも失礼だ。俺の方は毎回こんな感じで気が付かれるというのもアレだが。
「はぁ……そうですけど」
「これはこれは、是非一曲お聞き下さい! 英雄の前で英雄の詩を謡う、これほどの名誉がありましょうか!」
頼んでもいないのに伴奏を始める吟遊詩人。例の如く少しメロディとはズレる歌が始まった。曲調はケルトというか民族音楽という感じの明るい物だ。
「永き暗黒の時代に~ 颯爽と現われしその少年
まるで牧童の様な朴訥な顔付き 頼りなき体躯 騎士を掻き分け魔族と対峙する
屈強な騎士は彼を止めた しかし! それは杞憂だった~
少年の剣が大地~を穿ち 口を空けた大穴が魔族を~呑み込む~!
魔族の~ 屍の前で 漆黒の髪をかきあげ少年は嗤い~名乗りを上げる~
我~こそが~勇者~ サカカミと~」
……どこの中二だ。思い当たる場面は有るが、笑っても居ないし名乗りを上げた記憶も無い。
しかしミーララの物と違ってこちらは朗読のようなイメージが強い歌い方だ。やや早口で無理矢理曲に合わせるように物語を紡いで行くスタイル。しかも俺達くらいしか居ないと思っていた場所での戦闘の話も出てくる等、吟遊詩人のネットワークは侮れない物だと驚いた。報道記者のような物なのだろう。
10分程の歌は魔王を討った所で終了となる。今回の邪神に関しては流石に仕入れて無いらしい。拍手をしてから母さんがお財布を取り出す。
「総ちゃんかっこ良かったわ~。何処にチップを入れれば良いかしら?」
路上ライブの様な物だと認識したのか、お金を入れるギターケースを探している母さんに吟遊詩人が帽子を脱いで逆さまにして構え、頭を下げる。
「こちらにお願い致します、金額はお心のままに」
俺と真由の貰った分以外に、父さん母さんにも金貨5枚分の貨幣が渡されている。1枚分は銀貨と銅貨になっているが、ジャラジャラと嵩張るので小ぶりな皮袋に入れて有るのだが。
「母さん、財布のって確か……」
「はい、じゃあ四枚で良いかしらね。家族四人分ね」
「あああああ……」
チャラチャラと帽子に吸い込まれていく金貨。お辞儀をしたままの吟遊詩人が四枚と聞いて一瞬渋い顔をしたのは見逃さない。多分銅貨だと思って居るはずだ。
「おありがとうござ……うああ?!」
しけてやがるなと顔に書いてあった詩人の表情が帽子の中身を見て一変する。そりゃそうだ……名も売れてない流しの一曲に四万円投げ込まれたような物、しかもアルテミアの物価は安いのでもっと価値がある。
「お、奥様。これは何かの間違いでは」
「あら、足りなかったかしら。ごめんなさいね、こちらの貨幣には疎くて」
「母さん逆、多すぎるの……」
尚も金貨を取り出そうとする母さんを止める。宮廷に招かれる様な高名な吟遊詩人で、一晩に何曲も疲労して金貨二枚から三枚が相場だ。流しなどは売名の為の営業活動中のセミプロ、一曲で銀貨数枚入れば儲け物くらいだろう。
「金貨は1枚1万円くらい。物価は半分もしないから、今ので10万円分くらい放り込んだもんだよ」
「じゅ……」
詳しく説明しなかった俺も悪いが、流石に主婦感覚の母さんの動きが固まる。
「奈々子さん、以後気をつけようね」
「そ、そうね……」
気を利かせて返しましょうか?と言ってきた詩人は善良なのだろう。一回入れた御代をどうこうするのも失礼なので、今後の活躍を期待してとか、誰か困っている人に施してやってくれと言って受け取らせた。他言無用とも勿論付け加えておく。
「必ずや勇者様のお目に適うような立派な詩人になってみせましょう。嗚呼、今日この日にこの街角に立てた幸運! 私は歌い続けましょう!」
「いや、この話は歌にしないでよ?」
「勿論ですとも!」
良い笑顔だが、少しも信用出来ない。感情が昂ぶった時のこういうアーティスト系の人は何をするか分かったもんじゃない。もう一度念を押してからその場を後にした。
◆
「北海道のジンギスカンを連想していたが……結構強烈だな」
ランチは当然『山羊の蹄亭』。男性陣は山羊肉ステーキ、アルマが焼き魚、母さんとミーララが山菜ソテー、真由は鶏肉にしたようだ。
露骨に顔を顰める父さんを横目にガツガツと食う俺。そんな様子を見ながら手際良くセットの飲み物を置き、コットンさんが笑顔で訊ねてくる。
「今日は新顔さん居るんですね~。毎回お客様連れて来て頂いてありがとうございます~」
「新顔っていうか両親ですよ」
「あら? こちらにご両親が居たんですね。てっきり異世界のままだと思ってましたよ」
おっと……毎回この人とやり取りすると機密が漏れそうになる。天然なのだろうが、話を細かく覚えているらしく、鋭いツッコミが入ってくるのだ。
「まぁ色々と事情があってね。内緒ね?」
「はいはい、心得ておりますよ勇者様。でも内緒ならもうちょっと警戒して下さいよ、私みたいな一般市民がいくつ国家機密を抱えれば良いんだか」
肩を竦めながらも他のテーブルに呼ばれ、慌しくそちらに走っていくコットンさん。ピークはずらしたはずだがまだまだ忙しいようだ。
「私の時もそうだけど、あにぃって口軽いよね?」
「いや、これはコットンさんの看板娘力が高いだけだ。つい素直に答えちゃうんだよな」
「看板娘力って……」
それ以上何も言って来ない真由の変わりに母さんが話題を提供してくる。
「若干薄味だけどこっちのお食事も美味しいわね。アルマちゃんの焼き魚も香ばしい良い匂いだし」
「食べる?」
「ううん、大丈夫よ。何だったらもう一皿頼んでも良いわよ?」
「コットン! コーットン!」
おずおずと差し出した皿をすぐに引っ込め大声を上げてコットンさんを呼ぶアルマ。お替り可能と聞いて尻尾もブンブンだ。
「ナナコ様、あんまり甘やかしちゃ駄目です。こいつはすぐ調子に乗りますから」
「アルマちゃんもセリちゃんもシェンナちゃんも娘みたいな物ね。つい可愛がりたくなるわ」
シェンナは年上なんだけどね、と心の中でツッコム。
「そう言えばシェンナちゃんはどうしたの?」
「あいつも来たがってたんだけどね。いつでも会えるから優先する事の方に行くってさ」
「優先する事?」
「呪い、というか妖精王に会って願いを取り下げられないか聞いてくるってさ」
俺が新しい道を歩き出したように、他の皆も少しずつ変化していくのだろう。この場に居ない元魔術師は、人に戻る道を選んだのだった。
お読み頂き有難う御座います。
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