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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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95/300

パン・クエイク!!焼きそばパンが地殻変動を起こした日

「焼きそばパンを落としたら地震が起きるかもしれない」──


そんな一言から、世界が本当にバグる話になるなんて、誰が想像しただろうか。


パンが揺れ、地面がもちもちになり、

焼きそばパンが空を突き抜けて塔になる。

気づけば主人公はパンになって、

その魂を取り戻すにはラップバトルが必要で──

……って、説明すればするほど意味がわからない。


でも、たまにはそれでいい。

──朝。ホワイトガーデン。


 


空は青く、風は涼しく、パンの香りが絶妙に香ばしい。

焼きたての焼きそばパンが、パンどんの中でふわふわと湯気を立てていた。


 


「ふあぁ……今日もパンがうまそうだな〜……」


カグラは眠そうな顔で、片手に焼きそばパンを取り出し──

ぼんやりとした頭で、なんとなく呟いた。


 


「……このパン、地面に落ちたら地震とか起きたりしてな」


 


──その瞬間。


 


ゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッッ!!!


 


世界が、揺れた。


 


「……は?」


 


「地震!?っていうか、えっ!?なんか違う揺れ!!?」


セリスティアが食器を押さえながら叫ぶ。


「この揺れ……重力じゃない!!」


 


シオン、窓の外を見て即分析。


「揺れの中心……焼きそばパンからだ。」


 


「ええええええええ!?!?」


 


ミルミが叫ぶ。


「パンが揺れてるぅううう!?!?!?」


 


──パンは、震えていた。

ゴゴゴ……と、音を立てながら、ほんのり湯気を巻き上げて、

その場に立ち上がった。


そう、パンが……“立った”のだ。


 


「待て待て待て、パンが“自立”してるのおかしいだろ!!!」


カグラが全力でツッコむも、パンは意に介さず。


 


パン《フワ……ソバ……フワ……》


 


「なに語ってんの!?え!?今パン語ったよね!?!?」


 


パンどんが勝手に開く。

中から、**黄金色に輝く“パンの種”**が浮かび上がった。


 


シオン、即メモ開始。


「これは……パンの心臓……“Heart of Bread”……!」


 


セリスティアの魔力が反応する。


「待って、このパンの中、時空が折りたたまれてる……!

 パンの内部空間が“多次元パン構造”になってるのよ……!」


 


カグラ、もう限界。


「なに言ってんの!?パンの中で次元が折りたたまれるって何!?!?」


 


そのとき。


庭の焼きそばパンの木が、急にドゴォン!!と膨張。


 


「うわっ!?木が!!」


 


ミルミ「あっ!パンが無限に実ってるうううう!!」


 


パンのパン……パン……パン……パン……


 


──地面が割れた。


──大地が盛り上がる。


──パンが空を覆う。


 


セリスティア、決意の目。


 


「このままじゃ、ホワイトガーデンが……パンに包まれる!!」


──地面が、ふわふわ沈みはじめていた。


 


いや、ふわふわ沈むってなんだ。

物理法則の前にまず国語力が沈んでいた。


 


「おい誰だよ!パン落としたら地震起きるとか言ったやつ!!!」


「カグラです!!!」


ミルミが即答。


 


カグラはガクブルになりながら、

自分の足元でふわふわ震える“焼きそばパン”を見下ろしていた。


 


「お前……俺が一口食っただけだろ!?

 なんで大陸動かしてんの!?」


 


──そのとき、空にパンの神が出現した。


ノー前触れ。


空中にふわっと浮かび上がり、

金色のバターをまとった、いつものパン顔の老人(※顔は食パン)が降臨。


 


「やはり……“焼きたての言霊”が発動してしまったか……」


 


「いたぁぁぁあああ!!久しぶりに出たああああ!!!」


「久しぶりなのに出方が雑!!!」


 


パンの神は両手を広げると、天地を指し示し──

重々しく、言った。


 


「これぞ、“パン覚醒式”──

 汝、焼きそばパンを軽んじし者よ、今ここに“パンの律”を思い知るがよい……!」


 


シオン「これは……世界律パン干渉……“パン律崩壊フェーズβ”……!」


 


「お前も用語作るな!!意味わかんねぇんだよ!!!」


 


そのとき──ホワイトガーデンの地面が、ごっそりパン化。


 


「地面がふわふわしてるうううう!!」


「パンの感触じゃねえかこれーーー!!」


 


セリスティアが空中に浮かび、状況を把握しようと目を閉じる。


「……ダメよ。もうこの土地、完全に“焼きそばパンエリア”になってる」


「なにそれ!?どこのエリア51!?!?」


 


ミルミは興奮の極みに達していた。


「うわあああああ!!!地面がパンになってるのおおお!!!

 どこ歩いても幸せええええ!!!やばいいいいいい!!!!」


 


彼女は叫びながら、全力でパン地面をスライディング。


ズザザザザザザザザザザッ!!!


 


「パンで滑れるぅぅぅううう!!これは夢!?現実!?パン国建国!?」


 


シオン「……これはもう“パン次元”に突入したと見て間違いない」


カグラ「間違いしかないわッ!!!!」


 


そのとき、巨大な焼きそばパンの柱が空に向かって隆起。


 


セリスティア「……パンの塔が、伸びていく……!」


 


──焼きそばパンは、ついに“世界の定義”を塗り替えようとしていた。


 


パンどんが叫ぶ。


《フワァアアアアアアアアア!!!》


 


「お前しゃべれたの!?!?!?!?!?」


──パンの塔が、空を貫いた。


天は割れ、バターの雲が溶けていく。


 


「もうやだ!!!意味がわからない!!!!」


 


カグラが叫んだその瞬間──


 


ズブッ。


 


足元のパン地面に、カグラの足が沈んだ。


 


「……えっ」


 


次の瞬間、ズブズブズブズブズブッ!!!!!!!


 


「おおおおおおい!?俺だけ沈んでるんですけどおおお!!!???」


 


セリスティア「カグラぁぁぁああ!!!それ“パンに選ばれし者”ルートよおおおお!!」


シオン「パンに呑まれ、パンに還る……通称“転パン現象”」


カグラ「なんでそんな用語あんだよ!!!?」


 


──カグラ、パンに完全沈没。


そして──


 


ピカァァァアアアアアア……!!!


 


神の光とともに、パンの塔のてっぺんに、ひとつの影が立ち上がった。


 


焼きそばパンのフォルム。


けれど、中に人の魂が宿っている。


 


そう、カグラはパンに転生していた。


 


「……俺、喋れてる?喋れてるよね!?でも体が!パンなんだけど!!!」


 


ミルミ「すごーーーい!!カグラが焼きそばパンになってるぅぅぅううう!!!」


セリスティア「まさか……“焼きそばパン・ユニットフォーム態”……!」


 


カグラ「なにその言い方!?厨二ワードやめて!!!」


 


パンの神が再び現れ、語り出す。


 


「よくぞ目覚めたな、パンの器よ。

 汝の中に“バグスキル”と“炭水化物”が共鳴し、今ここに新たな命を宿した──」


 


「だからなんで俺がパンになるんだよぉぉぉお!!!」


 


パンどん、ピコピコ反応。


《パン神認証完了。現在の世界律:パンが中心です》


 


セリスティア「……待って、世界の“法則の軸”が……パンに書き換わってる……!!」


シオン「完全に“パンワールド”に移行している。あと3時間で“非パン存在”は適応崩壊する」


 


「ちょっと待って!パン以外、滅びるの!?!?」


 


ミルミ「やだーーー!!じゃあ今のうちにめちゃくちゃパン食べとこーーー!!!」


 


──世界、完全にパンによる支配へ。


ただしその中心には、パン化したカグラがいる。


 


彼は静かに、空を見上げた。


「……俺、これ……どうやって戻るの……?」


 


パンの神「フワ……それはまだ、誰も知らぬ……」


──パンに染まった世界。

空はふわふわ。地面はもふもふ。

法則はバターで上書きされ、ついに人類は“パン適応判定”を強いられる。


 


世界、ほぼ焼きそばパン。


 


そんな中──


 


セリスティアは、パンの塔の前に立っていた。


 


目の前には、完全に焼きそばパン化したカグラ。

言葉も、動きも、パン。

ツッコミも、ソースの飛び具合でしか表現できない。


 


「……もう、ダメかもしれない」


シオンがつぶやく。


「このままじゃ、世界は“パンに統合”される……」


 


パンの神も、頭を垂れる。


「この焼きそばパンは強すぎた……ワシも予想外じゃ……」


 


そのとき──


 


セリスティアが、ゆっくりと一歩前へ出る。


そして、ポーチから取り出したのは──


パン型マイク(BA-1:Bakery Amplifier-1)


 


「やるしかないわね……」


 


シオン「まさか……セリスティア、あなた……!」


ミルミ「えっ?まさかの!?パンラップ行くの!?」


 


セリスティアは、そっと瞳を閉じた。


そして、ゆっくりと──韻を刻みはじめた。


 



フワり焼ける 記憶のソバに

愛もバグも ソースでまぶし

食べた瞬間 ほら世界が動く

一口で変わる パンの幸福


 


あの人の心 今フリーズ中

でも届けたいの 焼きたてのTruth

だって私は覚えてる あの味

焼きそばパンは、ただのパンじゃない──


 


It’s a spell. It’s a bond. It’s a soft revolution.

ふわっと溶け出す、このemotion!!



パンの塔が……震えた。


 


カグラ(パン)に、ラップの波動が伝わる。

焼きそばがうずき、パン生地が共鳴し、湯気がリズムを刻みはじめる。


 


パン神「これは……パン韻共振現象ッ!!」


 


ミルミ「やばい!!!今カグラのパンがノッてる!!!!」


 


「パンがノるってなに!!!???」


 


──そして。


セリスティアは、ラストバーを静かに詠唱した。


 



戻ってきて あなたの味で

ツッコミと笑い 私の横で

パンの魂 もう焼けたから──

今こそ帰れ、カグラ・シノノメ!!!



パン塔が、爆発四散。


ソースの虹が夜空を走り、

焼きそばの光が世界を照らす。


 


──そして。


バサッ!!!


パンがはじけ飛び、中から──


 


「おっしゃぁぁぁああああああ!!!!やっと戻れたああああああああ!!!」


 


パンからカグラ、人間体に復活。


 


「長かった……俺ずっと“パンとしての自我”と戦ってた……!」


「何それ!?めちゃくちゃ感動っぽく言ってるけど全部ギャグだからね!?!?!」


 


パンの神が、空で拍手。


「よくぞ……乗りこえた……パンを……」


 


「二度と乗りたくねぇよ!!!!」


──そして世界は、静かになった。


 


パンの塔は崩れ、パンの地面は元に戻り、

空からはソースの雨が止んだ。


 


カグラは、ちゃんと人間の姿に戻っていた。

ツッコミも、声も、全方向にぶっ飛ぶほど復活済み。


 


「おい……俺がパンになってた間、誰か俺の焼きそばパン食っただろ……」


「食べましたぁぁぁぁぁ!!!!」


ミルミが即土下座。


 


「ごめん!あまりにもふわふわだったからつい!!」


「俺のふわふわかえせ!!!」


 


シオンは無言で記録を閉じた。


「……“人がパンになると、人格にソース香が残る”──興味深い」


 


「やめて!?俺のソース香、研究対象にしないで!?!?」


 


セリスティアはマイクをそっと胸元にしまい、パンどんを撫でた。


「……落ち着いたわね、パンどん」


 


パンどん《ポン》


──軽快な音を響かせながら、パンどんが口を開く。


中には、焼きたての焼きそばパンがひとつ。


なにも語らず、ただそこに、変わらない“いつもの”が戻ってきた。


 


「……変な夢みたいだったわね」


「夢にしてはパンがリアルすぎたわ!!!」


 


ミルミはパンをかじりながら満面の笑み。


「でもさ〜〜〜、やっぱパンって……世界変えるよね!!!!」


「いやほんとに変わったから!!!一回滅びかけたから!!」


 


──その後、ホワイトガーデンでは定期的に「パン災害対策訓練」が実施されるようになり、

焼きそばパンをかじる前には**「これは地殻変動を引き起こさないか」**をチェックする儀式が導入されたとかされてないとか。


 


でも。


 


その日、世界がパンで塗りつぶされたあの出来事は、

少なくとも彼らの間で、ひとつの大切な“笑い”として残り続けた。


 


──焼きたての終末。

そして、焼きたての、明日へ。


いやもう、今回は最初から最後までバッッッッッッッッカバカです(笑)


パンが地震を起こし、パンが喋り、パンが空を割り、

そしてパンに転生し、ラップで帰還するってなんだよって思うけど、

書いてる途中で「これが焼きそばパンの正しい在り方では……?」という気持ちになってました。


そして何より──


焼きそばパンに、ありがとう。

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