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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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姫さま、今日はバグりすぎです!!

朝の空気の中、焼きたてパンが香る。

だけどそのパン、バグってるんだわ。

セリスティア姫が完全にパンの民に転生し、焼かれ、覚醒し、また焼かれ、そして復活しました。

ツッコミが間に合わないこの世界。朝って最高だな。

その朝、カグラが目を覚ますと──


 


「……にゃっふーん♪」


 


「……は?」


 


耳を疑った。


というか、まず声の主がセリスティアだったことに驚く。


 


部屋の隅で踊っていたのは──

いつもの優雅で穏やかな姫ではなく、


猫耳カチューシャをつけ、手に焼きそばパンを持ちながら

「ラブリーパンにゃん☆」とか言っている誰かだった。


 


カグラ「おい!ちょっと待て!起きて最初に見る光景がバグってんだけど!!」


セリスティア「うふふふふ……カグラたん、今日もラブリーパンパンぴょんっ☆」


カグラ「言語が崩壊してんのよ!!誰だお前は!!」


 


──カグラ、完全に理解不能。


 


「……なぁ、誰に何された!?頭に焼きそばでも詰められたのか!?」


セリスティア「詰めたのは愛だよ?カグラへの……♡」


「ヤベェェェ!!ヒロイン崩壊してるぅ!!」


 


カグラが冷静になろうと深呼吸すると──


「さぁて、今日のスキルは……《空間逆流!バグ・イン・ミラー☆》よ!」


「なんで技名がアイドル風!?」


 


発動されたスキルにより、部屋の左右が反転。

壁に貼られたカグラの焼きそばパンポスターが全部裏返った。


 


カグラ「お願いだからバグるならせめて見た目のままでバグってくれ!」


セリスティア「今日は“カグにゃん”と呼ぶって決めてるの♪」


「断る!てか今どこで決めた!?その会議俺出てないぞ!!」


 


こうして、

**セリスティア・アルマ=レーヴェ、覚醒(誤)**の朝が始まった──


「カグにゃんっ!ちょっと手ぇつないでお散歩行こっ♡」


「だから誰だお前はあああああああ!!」


 


──その後。


カグラは、暴走セリスティアをどうにか連れてギルドまでやって来た。


(なぜなら彼女が**“誰にも見られたくない格好”**をしていたから)


 


「はーいっ!ギルドのおにーさんたち、こんにちはーっ!」


 


扉を開けた瞬間、

セリスティアが猫耳メイド姿で両手をぶんぶん振りながら登場した。


 


「にゃふっ☆ 今日もお仕事がんばるにゃ〜ん!」


 


──時が、止まった。


 


ギルドの受付嬢、固まる。


受付カウンターで書類を見ていたラドリウス、ペンを折る。


シオンは完全無言で“観測記録”を閉じた。


 


「“意味”が……消えた……」


 


カグラ「誰かッ!誰かこの姫を正気に戻せ!!早く!!」


 


セリスティアはお構いなしにギルドホールをぐるぐる走り回り、

カグラに向かって──


「カグにゃんのおひざで甘えてもいい?パンの精になっちゃったかも♡」


 


「甘えないで!精霊化しないで!パンの擬人化すんなぁ!!」


 


ミルミ「わぁー!セレスティアお姉ちゃん、めっちゃ楽しそう!」


アロマ「脳波が……バグってるわね。これは、もう助からないわ」


カグラ「おい医療的判断やめろッ!!」


 


そして──


セリスティアが急にギルドカウンターに飛び乗り、

腕を広げて叫ぶ。


 


「わたし、ギルドマスターになりますっっっ!!」


 


ギルド全員「やめてぇぇぇぇええ!!!」


──数時間前。


セリスティアは、ホワイトガーデンの地下書庫で本を読んでいた。


 


「……ふむ、“世界構造に干渉するパンの霊性”について……?」


そこには、こんな一文が書かれていた。


 


《焼きそばパンは世界を繋ぐ境界。あらゆる属性を超越し、“魂の媒体”となることがある》


 


「なるほど……つまり、愛があればパンにも魂が宿る、と……」


その瞬間、棚の奥から1冊の本がバグったように飛び出す。


 


──『超次元スキル連鎖事故報告書:パン編』


 


セリスティア「あら?なにこれ……スキルの連鎖事故?」


無意識にそのページをめくってしまった瞬間──

**ぱあああんっ!**と黄金色の光が彼女を包み込んだ。


 


「えっ……ちょっと、まさかっ──」


【バグスキル:《スピリチュアル擬人化変換》が連鎖発動】


【対象:焼きそばパン】


【ホルダー:セリスティア・アルマ=レーヴェ】


【同期設定:脳内焼きそば成分=100%オーバー】


【精神崩壊の恐れ:98%】


 


セリスティア「やき……そば……ぱん……? カグにゃん……?」


──ドゴォォォン!!


 


彼女の意識は光とともにぶっ飛び、

気づけば猫耳メイド服を着ていたのであった。


 


【原因:焼きそばパンに対する過剰愛情と、地下書庫の事故スキル反応】


【結論:事故です】


 


カグラ(ナレーション)「どんな経緯だよ!!!」



「というわけで、セリスティア・アルマ=レーヴェ様がギルドマスター選挙に立候補されました」


ギルド職員が震え声でそう告げた。


 


「なにやってんのマジでええええ!!?」


カグラが叫ぶ中、なぜか正式に選挙が開催される流れになっていた。


 


対抗馬は、まさかの──


「わたしも立候補するのじゃ!」


ミルミであった。


 


カグラ「誰が許したよ!?てか二択なの!?地獄の選択肢じゃん!!」


 


候補者スピーチが始まる。


セリスティア「わたくしは、焼きそばパンを毎日無料配布し──」


「票買収だよね!?普通にアウトだよねそれ!?」


セリスティア「ギルドを“焼きそばユートピア”に作り変えます!!」


 


対するミルミは……


「お昼寝が義務になるギルドにします!!」


カグラ「こっちもこっちでどうかしてる!!」


 


選挙ポスターにはそれぞれの公約が踊っていた。


・【セリスティア陣営】

 - 焼きそばパンで世界平和

 - スキル“パンの精のささやき”解放

 - ギルドの名前を“パンの民本部”に改名


・【ミルミ陣営】

 - ギルドにクッション導入

 - 出勤自由、退勤いつでもOK

 - 寝てる間に仕事が終わる魔法導入(未検証)


 


「頼む!誰かマトモなやつ出てきてくれぇぇ!!」


 


──だがそのとき、突如として現れる一人の影。


「選挙……悪くない。だが、ルールが足りない」


シオン=ヴァレア、登場。


 


「ここに第三の選択肢を提示しよう。“意味に忠実なギルド改革”を」


 


セリスティア「出たわね!哲学バグ枠!!」


カグラ「お前も言うな!!てかなんで全員おかしいんだよこのギルド!!」


選挙会場は、ついに修羅場を迎えていた。


 


セリスティア「パンの民よ!我に従えっ!!」


背中に羽が生えていた。しかもバターロールの羽だった。


 


ミルミ「ぐぬぬ……お昼寝ギルドが……っ!」


 


そして哲学バグ枠・シオンは、ホワイトボードに謎の数式と「意義とは?」とだけ書きながら膝を抱えていた。


 


もう、誰にも止められない。


──かと思われたそのとき。


 


「……俺、もうパン食わねぇわ」


 


静かにそう告げたのは、カグラだった。


 


「……パンが悪いわけじゃねぇ。でもな、今のお前を見てると……」


 


カグラの右手には、あの“初めて食べた焼きそばパン”の包み紙が握られていた。


 


「――なんか、悲しくなるんだよ」


 


セリスティアの瞳が、一瞬揺れた。


だがその直後、


セリスティア「うふふふふふ!!わたくしがパンである限り、あなたの“断ちます”は届きませんわ!!」


 


「だよなぁ!!」


カグラは思いっきりパンの包み紙を破り捨てた!!


「ならこれはどうだァァァァ!!!」


 


背後にいたトースター(しゃべるやつ)に焼きそばパンをぶち込む。


トースター「や、やめ……!まだ転生の準備が……ッ!!」


 


──ピッ。


 


パン「……あつッ!?!?いやちょっと待って!?今焼かれてる最中ですけど!!?」


 


──ボォォン!!


パンが“完全体”になって出てきた。

だがその瞬間、セリスティアの背中のバターロールの羽がベーグルに変化し……消滅した。


 


「……はっ、ここは……?」


ようやく正気に戻ったセリスティア。


 


カグラ「おかえり。パンに魂取られて、選挙立候補して、空飛んでたぞ」


セリスティア「えっ……えっ……!?えっ!!??」


 


──だが。


パン「ふっふっふ……この程度では私は消えん。次は……クロワッサンの時代だ……!」


消えながらそんなことを言い残して、焼きそばパンは爆ぜた。


 


カグラ「最後のセリフに一貫性がなさすぎる!!」


「……それで、本当に記憶がないの?」


カグラの問いに、セリスティアは頬を赤らめながらコクンとうなずいた。


 


セリスティア「でも……なんか、体の奥が……あついような、くすぐったいような……」


 


「それ多分、焼きたてのパンの記憶だな」


 


一同「うまいこと言うなー!!!」(※全員棒読み)


 


――事件は終わった。


だがこの出来事は、「焼きそばパンの呪い騒動」として村の子どもたちの間で語り継がれることとなる。


 


その日の夜。ホワイトガーデンのキッチンでは、カグラとシオンが静かにパンを焼いていた。


 


シオン「……あれが、意味に飲み込まれた者の末路だ」


カグラ「どのタイミングで哲学に入った?」


 


シオン「“パン”という単語には、無限の概念がある。“ふわふわ”とは一体何なのか……」


カグラ「もう黙っててくれマジで。パン冷める」


 


セリスティアがキッチンに入ってくる。


手には、なぜか巻き寿司。


 


セリスティア「ふと思ったのですが、パンだけでは物足りませんわ。そこで、朝飯部に“ごはん派”も取り込むべきかと!」


 


カグラ「待て、それ以上は戦争になる!!」


 


──しかし、誰もその未来を止めることはできなかった。


翌朝、朝飯部の掲示板にはこう書かれていた。


 



《朝飯部・夏季特別企画》


ごはんvsパン! 朝の主食はどっち派!?


討論会・試食会・武道大会(!?)

司会進行:パンの神(焼き直し済み)



 


カグラ「……焼き直したのかよ……」


 


シオン「“あたため直した記憶”は、なお深くなる」


 


──こうしてまた、世界はバグり始めるのであった。


パンに始まり、パンに終わる──と思いきや、ごはんがやってきた。

朝飯部が完全にカオスの温床になってきたので、次回からは“夏休み特別編”という名のさらなるバグ回に突入予定。(たぶん)

哲学者、もっと働け。ていうかカグラ、休め。

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