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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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69/300

進化する主食──焼きそばパンに足すな、でも足せ

読むにはカロリーが高すぎる焼きそばパン物語です。

「なに言ってんの?」と思いながら読むのが正解。むしろ正義。

世界がたくあんで一つになるなんて、誰が予想したでしょうか。

「──それで、本日の議題は?」


部室に鳴り響く、真剣すぎるセリスティアの声。


木製の長テーブルに集うのは、いつものメンバー。

机の中央には、輝く一つの焼きそばパン。

いや、“焼きそばパン神”(※自販機から取り出しただけ)である。


 


「……でさ、なんで俺まで毎回ここ来てんの?」


カグラはお腹を鳴らしながら、自前の焼きそばパンにかぶりつく。


 


「それはカグラくんが“最初に選ばれし者”だからだよ!」


ミルミが元気にそう言って、謎の装飾(たぶん紙粘土)を付けた焼きそばパンを持ち上げた。


「……選ばれし者ってなんだよ。パン選んだだけだぞ」


 


「カグラの一口が、世界を救ったんだぞ」

「“第一咀嚼者”って肩書きあるんだからね」


アロマとセリスティアが、ドヤ顔で頷く。


 


「そんな称号いらねぇよ!!」


 


パンにまつわる謎設定が爆速で増える中、セリスティアが真剣に告げる。


「……で、私は思うの。焼きそばパンって最高よね」


「うん、わかるー!」

「認めよう」


「でも──それって本当に、完成されてるって言える?」


 


「──え?」


 


風が、止まった気がした。


部室内に、重たい沈黙が走る。


 


「新しい具材を、試してみるべきだと思うの……!

 そう、焼きそばパンに、“進化”の可能性を!」


 


「いや待て、パンに未来背負わせるな!!!」


 


──こうして、“焼きそばパン進化論”会議が始まった。


最も無意味で、最も熱い、

パンの未来を賭けた一日が幕を開ける──!



「では、まずは私から提案を──」


セリスティアが席を立ち、パン神(自販機)の前に立つ。


その手には、すでに準備された“何か”があった。


 


「私が提案する進化系焼きそばパンは……これです!」


 


──バンッ!


 


「焼きそばパン with アボカドスライス!!」


 


部室がざわついた。いや、ざわついてるのはカグラだけだ。


 


「……いや、おしゃれカフェか!? カロリー気にするフェーズじゃないだろ焼きそばパンって!」


 


セリスティアは微笑む。


「でもほら、アボカドってヘルシーで、女子人気高いし……

 ふわっとした舌触りが、焼きそばのモサモサ感を補完するのよ?」


 


カグラ「補完とか言うなよ!」


 


「味の調和、口内平和……これは焼きそばパンとアボカドの不可逆融合……」


アロマが謎に感動してメモを取り始める。


 


「さっそく食べてみて! カグラくん!」


「えっ、俺!? 試食係!?」


 


カグラは仕方なく、アボカド焼きそばパンを一口──


 


もぐ、もぐ……


 


「…………うん」


「うん?」


「…………ありっちゃ、あり」


「出た! 正直すぎてリアクション弱いやつ!!」


 


セリスティアはどこか誇らしげに微笑んだ。


「これは、“進化の第一歩”ね」


 


──だが、このあと。


カグラは思い知ることになる。


これが、“まともな案”だったということを。


「──では、次は私の番だ」


アロマが静かに立ち上がった。


彼女の手には、見慣れない銀色の金属ケース。


 


「この日のために、並列演算型・複合味覚構成器を開発した」


 


「何それこわい!!」


カグラが即ツッコミ。


 


アロマは無表情のままケースを開け、

中から取り出したのは──謎の青く光る液体。


 


「これは、“情報素子で構成された調味液”……。

 焼きそばパンに塗布することで、食べる者の脳内に最適な味覚刺激を与える……はず」


 


「“はず”って言ったーーー!!!」


 


セリスティア「それ、前に私の髪溶かした液体に似てるんだけど?」

アロマ「進化とは、犠牲をともなうものだ」

ミルミ「わっくわく~!」


 


──そして。


 


塗った。

発光した。

パンが爆発した。


 


「うおおおおお!? パンが四次元に消えた!?」

「この部屋だけ時間逆行してる!? 昼ごはんがまだきてない!?」


 


アロマはメモ帳に書き残した。


『結論:焼きそばパンに“演算液”は合わない。』


 


「じゃあ次、ミルミいくね!」


 


「待て流れを引き継ぐな!!!」


 


ミルミは自信満々に、綿あめ+梅干しを取り出した。


「見て見て! 甘いのと酸っぱいの合わせたら、

 “味覚のメビウス”が生まれると思わない!?」


 


「思わねぇよ!!!」


 


──ミルミ、焼きそばパンにどっさり綿あめを詰め込む。

その上に、梅干しを4個ぐらいねじ込む。


 


「いくよカグラくん、あーん♡」

「断る!! 全力で断る!!!」


 


セリスティア「でも、食べないと……この回、締まらないわよ?」

アロマ「ヒーローはいつだって試される側だ」


 


「ぐぅぅぅぅ……くそぉぉぉ!!」


 


──もぐっ。


 


「………………ぉ、」


「ぉ?」


 


「おええええええええええ!!!」


 


ミルミ「……おかしいな?“味のバグ”って聞こえたんだけどなぁ」


 


──このあとカグラは三次元的に倒れ、部室内は軽く時空が歪んだ。


それでも──

彼らはまだ、進化を求めていた。


「……もうやめようよ……」


カグラが机に突っ伏したまま、かすれた声でつぶやいた。


 


「焼きそばパンは……そのままでいいじゃねえか……」


 


鼻からうっすら綿あめが出ていた。

顔色は限りなく灰色に近い。


 


「カグラくん、まだ“たくあんバター焼きそばパン”が残って──」


「やめてッ!!」


 


──そのときだった。


 


ゴゴゴゴ……


 


部室の片隅、パン神(自販機)が、

突然唸り始めた。


 


「……な、なんだ!?」


 


ガコンッ!ガコンッ!


 


中から──一つのパンが、ズルズルと出てきた。


それは、ただの焼きそばパンではなかった。


 


パンの隙間から、きらりと黄色い輪切りがのぞいていた。


 


「……これは……」


 


セリスティア「……たくあん?」

アロマ「味覚時空の深層にある“真理”……まさか神が示した最終回答……」

ミルミ「“パン神の啓示”ってこと!?」


 


全員が固唾を飲んだ。

カグラが、震える手でそのパンを受け取る。


 


もぐっ。


 


──数秒の沈黙。


 


「……ッ、う、うまッ!!」


 


「!?!?」


 


「うまい……ッ! しょっぱさが焼きそばのソースを引き立てて、

 たくあんのポリポリ感が新しい食感を生んで……」


「……これは、**“革命”**だ……!」


 


一同、震える。


パン神が静かに鳴った──


 


ピンポーン。


 


表示されたメッセージ:


【NEW MENU:Yakisoba-pan Deluxe ver.TAKUAN】


 


「……まさか、パン神が……認めたのか……?」


 


次の瞬間、部室の壁が開き、たくあん畑が現れた。


 


「どっから繋がってんだよこの部屋!!!」


 


──パン神、ついに進化を示す。


だが、それは“終わり”ではなく──“始まり”に過ぎなかった。



「速報です!」


 


謎のニュース番組が、部室の壁の液晶に突如として映し出される。

画面のアナウンサーはテンションがやたら高い。


 


「ただいま世界各国で“たくあん入り焼きそばパン”のブームが発生中!」


「日本、アメリカ、パンギア大陸、火星コロニーまでもがパンにたくあんを……!」


 


「なんで火星!? ていうかパンギア大陸復活してたの!?」


 


セリスティア「やっぱり……神の意志は、全次元に通じてる……」

アロマ「焼きそばパン……それは次元を超える“共通言語”だったのね」

ミルミ「うわあああ!焼きたくあんパンTシャツ出てる~~!」


 


──その瞬間。


カグラのスマホに通知が鳴る。


【焼きそばパンたくあん入り:国際標準食品登録のお知らせ】


【あなたは最初の咀嚼者です。名誉総代表に任命されました】


【なお、報酬はたくあん一生分となります】


 


「たくあん一生分……重いなあ!!!」

「でもちょっと嬉しい!!!」


 


部室の外では、もう焼きそばパンに行列ができていた。

「たくあん入りありますか!?」「俺、時代の先駆けになりたいんです!」


 


セリスティア「見て、カグラくん……これがあなたの食の冒険の成果よ」

アロマ「咀嚼とは、すなわち歴史を刻むということ……」

ミルミ「焼きそばパンこそ人類の夢だったんだよ!」


 


──カグラは空を見上げた。


澄んだ青空に、たくあんの輪郭をした雲が浮かんでいた。


 


「俺……もしかして……すごいことしちゃった……?」


──あれから数日


焼きそばパンたくあん革命は、すべてを変えた。


 


各国の首脳会談では必ずパンが供され、

宗教の祭壇には焼きそばパンが並び、

子どもたちの将来の夢に「たくあん職人」がランクイン。


 


人類はパンを中心とした統一国家「ユナイテッド・ブレッド・ネイションズ(UBN)」を設立した。


 


「なにこれこわい」


 


カグラは静かにパン神の前に立っていた。

かつての自販機は、今や聖堂の中心に据えられている。


 


「結局、俺は……なんだったんだろうな」

「たくあんに選ばれし者?」

「神の器……?」

「焼きそばの魂……?」


 


──そのとき。


パン神が静かにカタンと鳴った。


 


一枚のカードが排出される。


 


カグラが拾い上げてみると──


 


【新たなる使命:カレーパンとの“最終戦争”が始まります】


 


「……は?」


 


 


──世界の空が再び歪む。


「お前たくあんだけじゃなかったのかよおおおおおおおお!!!!」


バグってます。でもそれが正解です。

今回は“進化する焼きそばパン”がテーマでしたが、

結果として“パンが神話になる”という前代未聞の展開に。

人類に必要なのは、たくあんとギャグと焼きそばです。

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