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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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68/300

主食の名にかけて

※ご注意ください。この物語にはパン、米、パスタ、

そして焼きそばパン神など、炭水化物に関する過剰表現が含まれます。

健康な主食ライフを送りたい方は、読みながら何か食べてください。

──カグラの朝は、平和だった。


焼きそばパンをあたため、パリッとしたソースの香りをかぎながら、

彼は冷蔵庫の中身とにらめっこしていた。


 


「……そろそろ、焼きそばパンだけの人生にも飽きが来たかも」


 


そのとき。テレビから緊急速報。


 


『速報です。今朝7時、“炊飯帝国”の銀シャリ元帥が、主食連合パン派に対し、

 正式な“主食統一戦争”の開戦を宣言しました。』


 


「は?」


 


画面には、米粒でできた軍服に身を包んだ男が立っていた。


 


銀シャリ元帥「……我々は、もう“パンで済ませる朝”に耐えられぬ!!

 白米こそが魂であり、世界の柱であると、ここに宣言する!!」


 


パン連合本部「本気か……!? 朝食戦争が再燃するぞ……!」


 


──その頃、空に異変が起きていた。


巨大な空中トースター母艦サクモチ・レギオンが発進。

それに対抗して、電子炊飯ジャー艦隊《銀の茶碗》が上昇。


 


セリスティア「なにこれ……。戦争って、もっとこう、兵器とかでやるもんじゃないの……?」


 


アロマ「炊飯ジャーが……空を飛んでいる……」


 


そして、国連から重大通達。


 


『中立拠点“焼きそばパン王国”に外交官派遣要請。

 カグラ・シノノメ、出頭せよ』


 


「また俺かよーーー!!」


 


──こうして再び、焼きそばパンの男が歴史の中心に立たされる。


世界は分断され、朝食は二極化し、

誰もが問い始めていた。


 


「主食って……なんだっけ?」


「銀シャリ元帥が……本当にやりやがったか……!」


 


パン連合本部、フランス某所にて。

クロワッサン型の巨大司令室が赤く点滅していた。


 


司令官・トースト准将が渋い声で叫ぶ。


「全艦、発酵モード起動! トーストアーマーを展開せよ!

 酵母圧、上げろ! ジャム供給ライン、全開だッ!」


 


副官「バゲット部隊、迎撃体勢入りました! メロンパン特攻隊も待機中!」


 


その時、通信が入る。


 


「こちらサンドイッチ国連特使! 中立国“焼きそばパン王国”から、あの男が向かってます!」


「まさか……! 奴が!」


「ええ。“パンの器”カグラ・シノノメです!!」


 


その名に、場が静まり返る。


 


「──来たか。パンの救世主が」


「いや、ただの焼きそばパン好きだぞあいつ……」


 


──一方その頃、空には異変が起きていた。


パン連合の空母パン・デミックと、

ライス帝国の主力艦《炊きたて一号》が、静かに向かい合っていた。


 


空中で、小麦粉の香りと白米の湯気がぶつかり合い、

空間がねばつく。


 


銀シャリ元帥「パン連合よ……。貴様らはいつから、主食を名乗るようになった?」


トースト准将「逆に問おう。“味噌汁なしで食えない主食”に価値はあるのか!?」


 


空気が一気に殺気立つ。


 


──だが、そこへ一台の輸送機が割り込んだ。

カグラ・シノノメが、焼きそばパンを片手に、着陸する。


 


「おい。朝メシで喧嘩すんなよ」


 


両軍が一斉に、彼に銃口──いや、炊飯器とトースターを向ける。


 


「貴様、何者だ」


「俺はただの……焼きそばパンの民だ。

 でもな──今朝、冷蔵庫で泣いてた。

 “おにぎりもパンも、どっちも食べたい”って」


 


沈黙。


 


そして銀シャリ元帥がつぶやく。


「……許せぬ。“混ぜ主食”など、背信行為!」


 


──その瞬間、戦争の火ぶたが切って落とされた。



開戦は、突如として始まった。


空に浮かぶは、主食連合パン・デミックから出撃した**“三段サンド部隊”。

対するは、炊飯帝国《炊きたて一号》から繰り出された“爆裂おにぎり投下隊”**。


 


「第1パン投擲班、チーズサンド装填完了!」


「了解、パン圧120%まで上昇──投下ッ!!」


 


──ぶぉんっ!


巨大なサンドイッチが、空を切って飛ぶ。


対する帝国側──


 


「おにぎり、具材開放! 梅干し・昆布・ツナマヨ展開完了!」


「“梅核弾頭”に注入せよ! 梅エネルギー、限界突破ッ!!」


 


──ぽんっ!!


巨大なおにぎりが、空で爆ぜると同時に、

梅干しの酸が空気を歪め、サンド部隊がひとつ、ふたつと酸敗する。


 


「チーズが……! 発酵が追いつかない!」


「タマゴが崩壊したぞォォッ!!」


 


カグラ「いや、なにこれ。飯テロじゃなくてただの食いもんテロじゃん」


 


セリスティア「敵のツナマヨ、おいしそう……じゃなくて、強い……!」


 


そこへ、パン連合の切り札が飛来する。


 


「来たぞ! “メロンパン・クラッシャー”部隊だ!!」


──金色に輝くメロンパン型ドローンが、空中で爆裂、

おにぎり部隊にカスタード光線を浴びせる。


 


「目が! カスタードが目にッ!」


「熱い! 甘い! うまい! うわあああ!!」


 


一方、米軍も反撃を開始。


「いけぇッ! “釜玉おにぎり重装騎士団”!!」

「武装確認! 海苔ブレード、味噌味散弾、そして──!」


──突如、巨大なしゃもじ型の剣を振るうロボが現れた。


 


「ふざけてんのか!? 本気でふざけてんのか!?」


カグラは焼きそばパンをかじりながら絶叫する。


 


「誰か……この主食戦争を止めろよォォォ!!」


 


──だが、止まらない。

止まるわけがない。


なぜならこれは──

「あなたはパン派? それともごはん派?」


──という、終わりなき宗教戦争なのだから。


戦場は、もはや料理バトルの域を超えていた。

カスタードが飛び交い、海苔が宙を裂き、トーストの雨が降る。


 


その中で、ひとつの隕石──

……いや、“巨大フォーク”が空から降ってきた。


 


カグラ「……え?」


ズドォォォォォンッッ!!


 


そこに現れたのは──


 


「ボーノォォォ……戦争してんのかい、マイフレンズ?」


 


──金色に輝くロングパスタの髪。

オリーブの冠。背中にはアルデンティーニ大使の名刺入りマカロニバズーカ。


 


「名乗ろう。余の名は──カルボナーラ=アルデンティーニ

 パスタ連盟を束ねる、アルデン帝国の皇子である!!」


 


パン派・トースト准将「パスタ……!?」


ライス派・銀シャリ元帥「おまえら炭水化物三国協定を裏切ったなッ!!」


 


カルボナーラ「パンも米も、どちらも素晴らしい。だが忘れてもらっちゃ困るぜ……

 **“我々は、ソースで戦う民だ”**ってことをな!!!」


 


──その瞬間、空がパスタ色に染まった。

大量のフィットチーネ型戦闘機、リガトーニ・クルーザー、そして巨大なミートボール衛星が出現。


 


セリスティア「なにこの展開、わけわからなすぎてちょっと感動してきた」


 


アロマ(小声)「バグりすぎて、逆に整合性ある世界線……」


 


そしてカグラは、戦火の中で再び問われる。


 


「貴様は何者だ!? パン派か? 米派か!? それとも……パスタか!!?」


 


──その時、彼の焼きそばパンがほんのり光を帯びた。


 


カグラ「……俺は、“焼きそばパン”だ。

 パンでも米でもパスタでもない、“たまたま挟まった存在”だ!」


 


カルボナーラ「それって……最強のハイブリッド主食……!」


銀シャリ元帥「貴様、まさか……“禁忌の融合主食”──!」


 


──そして世界は、一度止まる。


 


次の瞬間、

**“焼きそばパン神格化現象”**が発動する。


 


焼きそばパンが浮き上がり、光り、そして語った。


 


「……我は、主食を統べるもの……

 そなたらの争い、もう飽きた……」


 


カグラ「パンが……しゃべったァァァァァァァァ!!!!」



「……我は、主食を超えし主食」


 


その声は、全主食世界に響き渡った。

空に浮かぶ巨大な焼きそばパン──黄金に輝くその神格の姿。


 


【天界:調理神殿】

「……目覚めおったか、“禁忌のサンド”が……」


神々がざわめく。

バゲット神、コシヒカリ神、ペスカトーレ神が黙祷を捧げる。


 


【地上】

トースト准将「まさか……伝説は本当だったのか……!」


銀シャリ元帥「“パンでも米でもない第三形態”が現れるとは……」


カルボナーラ「これが……神話に記された“炭水化物の黙示録”……!」


 


──そして焼きそばパン神は宣言する。


 


「主食たちよ。我と融合し、**“ユニバーサル主食”**となるがいい──!」


 


カグラ「ちょっと待て!? 勝手に融合すんな!? 俺はただの……ただの焼きそばパンオタクだぞ!!?」


 


神パン「それゆえに、おまえが“器”なのだ。

 汝、我を食らい、神たれ。」


 


(カグラ、咀嚼)


 


「……ソース味、濃ッ!!」


 


──その瞬間。


 


宇宙がバグった。


空が反転し、うどんが降り注ぎ、ギャラクシーにそばめしが浮かび、

銀河の中心が**“ホットドッグ型ブラックホール”**になった。


 


アロマ「時間軸が乱れてる……“朝食の記憶”が混線してるわ!」


セリスティア「……ねえ、さっきから私たち何の話してたっけ?」


 


──カグラは、世界の“食の源”とつながっていた。


焼きそばパン神の中には、すべての主食の記憶があった。

•初めて米を炊いた人類の祖

•パンを焼きすぎてカリカリにした祖母

•麺をすすってむせた恋人


 


そのすべてが──焼きそばパンに、宿っていた。


 


「……俺は、知ってる。

 主食は、“戦う”ためじゃなく、“分け合う”ためにあったんだって……!」


 


 


【神々の沈黙】


 


 


──そして、世界が、リセットされた。


 


パンも米もパスタも、ふりだしに戻る。


焼きそばパンだけが、静かに語る。


 


「朝メシ、何にする?」



──世界は、リセットされた。


空に戦火はなく、空腹を満たすだけの優しい風景が広がっていた。


 


カグラ「あれ……ここは……?」


目を覚ました彼の目に映ったのは、

どこか懐かしい学校の屋上。風がやさしく吹いている。


 


手には、いつもの──焼きそばパン。


 


「……夢、だったのか?」


 


──そこへ現れたのは、制服姿のセリスティア。

手には、なぜか**“パスタ入りライスバーガー”**。


 


セリスティア「おはよう、カグラ。朝ごはん、一緒にどう?」


カグラ「え、何そのメニュー!? 世界リセット後にどうやって生き残ってきたんだよ!?」


セリスティア「知らないけど、混ぜたらいけるかなーって」


 


──あの戦争の記憶は、世界から消えた。


けれど“主食を分け合う”という本質だけが、

なぜかみんなの心にうっすらと残っていた。


 


屋台の前では、おにぎりをパンに包んだ“バグロール”が売られ、

焼きそばパン神は、空に浮かぶ自販機になって日替わりで降臨している。


 


アロマ「観測完了。…この世界は“炭水化物調和式第99形態”にて安定」


カルボナーラ「ボーノ……世界は、食でつながる……」


 


カグラ「……いや、ボケ多すぎるだろ!?

 お前ら、もと敵だったよな!? あと誰だよパスタ味のお茶出してるやつ!?」


 


セリスティア「でも、美味しいよ?」


 


──そうして、

世界は今日も、何事もなかったように朝を迎える。


 


焼きそばパン神(自販機)「……残り3個です。争わず、分け合ってください」


 


カグラ「……ほんと、もう意味わかんねーけど、まあ……

 パンって、すげぇな」


 


──完──



ここまで読んでくれた方、ほんとうにありがとうございます。

今回は「主食」というテーマで、ギャグに全振りしたぶっ飛び話を描いてみました。


戦うためじゃなく、分け合うためにある──

そんな主食の本質(?)に、笑いながらでもちょっとだけ感じてもらえたら嬉しいです。


……さて、次は何を焼こうか。

パンか、米か、それとも──バグか?

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