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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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勇者カグラ、パンの王国で王位継承するってよ

パンの王になるとは思ってませんでした。


なんで召喚されたのかもわからないし、

王位継承パンって何?ってなるし、

食べるだけで国が焼き上がるって、それもう宗教じゃん。


でも安心してください。

世界はバターで滑ってるし、

コレステロールとは話し合えるし、

パンは最終的に喋ります。


この話に意味を求めるな。

パンに焼き加減を求めるくらいにしておけ。


『勇者カグラ、パンの王国で王位継承するってよ』

ギャグまみれ、焼きムラ多めでお送りします。

──ふわふわ、もわもわ、ぽよぽよ。


焼きたての香りに包まれた空間で、カグラは目を覚ました。


 


「……あれ? 俺、ベッドじゃなかったか?」


 


視界が白い。いや、粉っぽい。


そして肌に感じるのは、明らかに柔らかすぎる“クッション感”。


 


「……パンだ……」


 


全身、パンまみれだった。

しかも、どれも微妙にあったかい。


 


「おい誰だ!俺を天然酵母の中に寝かせたやつは!!」


 


そのとき──空に、声が響いた。


 


「目覚めよ、焼きそばの器よ……」


 


「誰だよ!?どこのナレーションだよ!?」


 


──カグラの目の前に現れたのは、

**金色のバターを身にまとった“食パン顔の老人”**だった。


 


「……勇者よ。そなたこそ、伝説の焼きそばパンの器──

パントピア王国、第876代王にして、“もちもちの救世主”である」


 


「いや、待て!!!まずその称号全部おかしいからな!?」


 


──周囲を見渡すと、

カリカリのクロワッサン騎士たち、

トゲトゲのフランスパン衛兵、

フワフワのロールパン貴族が土下座風に転がっていた。


 


「王よォォォォォ!!」

「この世界を……焼き直してくださいまし!!」

「ふわふわに!!外はカリッと!!お願い申し上げます!!」


 


「なんなんだよこの世界はああああ!!!」


 


──その瞬間、カグラの足元に**“王位継承パン(※でかいホットドッグ状)”**が現れた。


老人(食パン)「このパンを食らえば、そなたの地位は確定する」


 


カグラ「そんなヤバい儀式あってたまるか!!!」


 


──そして、パン王国の国歌が流れ出す。


♪ パンはパンでも〜食べられぬ〜

 王の魂〜ふんわりふわふわ〜〜


 


「国歌もバグってんじゃねぇか!!!!!」


 


──こうして、

なぜか焼きそばパンのせいで召喚され、

なぜかパンの王として崇められ、

なぜか継承パンを食べる流れになったカグラは、思った。


 


「……なんで俺、パンに支配され続けてんだよ……」


 


──だがこれは、まだ“パン政争のプロローグ”にすぎなかった──。


──カグラが“王位継承パン”を前に、絶望していたころ。


空から、クロワッサン型のヘリがバターのしぶきを上げて着陸した。


 


降りてきたのは──


 


「パン宰相、サク田・トースト光臨ッ!!」


 


「名前がもううるさい!!」


 


サク田はバターのスーツにネクタイ。額にはトーストの焼き印。

カリカリに乾いた声で告げる。


 


サク田「王たる資格を証明するには──

《パンの三大試練》をくぐり抜けねばなりません」


 


カグラ「そんなイベント聞いてねぇよ!!」


 


──パンの三大試練とは。

1.“焼き加減の間”をくぐれ(トーストトラップ地帯)

2.“バターの迷宮”で己のコレステロールと向き合え

3.“最終焼成パン”を食わずに語るな


 


カグラ「全部パンに命賭ける方向じゃねーか!!」


 


そこへ、焼きたての風と共に現れる新キャラ──


 


「我が名は、パネリア=デニッシュ=シュトレン八世!

“パン魔導士”にして、現王の右腕!!」


 


カグラ「名前長ッ!!てかパン魔導士ってなんだよ!?」


 


パネリア「この者に、焼きたての魂があるか見極めましょう……!」


 


──カグラの額に、クリームパン型の魔法陣が浮かび上がる。


 


パネリア「……ふむ。焼き加減・ムラ有り、具材:焼きそば、

“人間味”のエネルギー強し。……王の器、ここにあり。」


 


「なんでそんなリアルなスキャンできんだよ!?」


 


サク田「では試練の第一、“焼き加減の間”へご案内を──」


 


──焼き加減の間とは。


パンの上を走る地獄のアスレチック。

焦げたトースト、バターで滑る地帯、焼きムラゾーンなど、すべてがパン構造の拷問空間。


 


カグラ「どんな王国だよ!!!

いやホントに!!!何がどうしてここまでパンで戦ってんだよ!!!」


 


サク田「王とは焼きだ。均等ではなく、絶妙でなければならぬ」


アロマ(急に現れた)「観測対象がパンなの、慣れてきた自分が怖い」


 


──カグラは焼き加減の間を、文字通り“バターで転びながら”進んだ。


途中、「焼きたてスライム」や「クロワッサン風竜」にも襲われた。


 


だが──なんやかんやで突破。


 


カグラ「……なんで俺、“王”って言われるたびに命がけしてんだよ……」


 


パネリア「ふふっ、次は“コレステロールとの邂逅”ですね」


カグラ「もうやだこのパン国家ァァァァ!!」


 


──こうして、王位継承試練は、さらにバグの深みへと進んでいく……。


──第二試練、“バターの迷宮”。


そこは、天井も壁も床も、ぜんぶヌルヌルに光るバターでできた空間だった。


足を踏み出すたびに「じゅるんっ」と音が鳴る。

空気はこってり、視界はぎとぎと。

そして、ところどころに**“とろけたバターの幻影”**が浮いている。


 


カグラ「なんなんだよここ……見た目より体力削れるんだけど……」


 


そこへ響く、幻の声。


 


???「……お前が……焼きそばパン王か……」


 


「うおっ!?なんか出たァ!!」


 


──現れたのは、

金ピカの筋肉パンマン、全身バターまみれの巨人。


 


「我は“バタロール=コレステリーナス”。

パンと脂肪の狭間に生きる、バター界の守護者──」


 


カグラ「誰だよ!!!どこのバターゴッドだよ!!」


 


バタロール「汝に問う──王とは何か?

ただ焼かれ、食べられるだけの存在であってよいのか?」


 


カグラ「王っていうか、お前まずカロリーの塊じゃねぇか!!!」


 


──バターの霧が立ちこめる。


バタロール「この迷宮は、汝の“内なる脂肪”との対話の場……」


カグラ「俺の血管が詰まる!!物理的に詰まる!!」


 


──試練開始。


◆ ルール:

•自分の中の「過去の脂っこい記憶」と向き合う

•負けると“バター風呂”に沈められる


 


カグラ「俺、昨日ポテチ食ったし一昨日は焼き肉だったし……

てかこの国に来てから炭水化物しか食ってねぇんだが!?」


 


──バター幻影①:小学生のころ、深夜にこっそりフレンチトーストを焼いた思い出

──バター幻影②:大学時代、クロワッサンを主食にしてた時期の黒歴史

──バター幻影③:今朝も焼きそばパンを選んだ、その選択──


 


バタロール「汝の脂は逃れられぬ!すべてパンに回帰するのだ!!」


 


「やかましいわあああああああ!!!」


 


──最後、カグラはパン型シャワーで自らを洗い流し、

“バターの霧”の中を駆け抜けた。


 


──試練、突破。


 


バタロール「よかろう……“脂の器”は満たされた……」


 


カグラ「褒められたのか?それ?」


 


──迷宮を出ると、パネリアとサク田が拍手していた。


パネリア「素晴らしい……!あのコレステリーナスを制したとは……!」


サク田「王の器、ここに極まれり……!」


 


カグラ「……これが……王位継承の道かよ……」


 


──そして最後の試練、“最終焼成パン”の前へ向かうこととなる。


──王位継承、最終試練の場。


カグラは、焼きたてのオーブン室に通されていた。

壁は黄金、床はチーズ、天井には“浮かぶトースト型の月”。


 


サク田「さあ……最後の試練です。王よ、“最終焼成パン”と向き合ってください」


 


パネリア「そのパンは、パンであり、パンでなかった存在──

王のみが見極め、食し、そして…焼かれるに値します……!」


 


カグラ「焼かれるの俺なの!?なんでだよ!?」


 


──扉が、**ギィ……**と開く。


 


そこに鎮座していたのは──


 


巨大な焼きそばパン型の玉座。

その中心に、ふわふわに輝く一本のパン。

表面は黄金、ソースは動いている。

そして、パンなのに“心音”が聞こえた。


 


「……お前が、“最終焼成パン”……」


 


──その瞬間、パンが喋った。


 


「よう、カグラ」


 


カグラ「喋ったァアアアア!!?!?!?!?!?」


 


「俺はお前自身だ。

パンとして焼かれ、お前の魂に宿った、存在の“裏面”さ」


 


カグラ「え、何!?パンの自我!?俺のパンに人格あったの!?ずっと食ってたけど大丈夫!?!?」


 


パン「お前がかじるたびに、俺は生まれ、焼かれ、消えていった──

だが今、全ての記憶が“最終焼成”として集まった。

だから今──お前に問う!!」


 


「パンとは、何だ!?」


 


カグラ「し、知らねえよ!!ただの主食だろ!!!?」


 


パン「……否。

パンとは、“焼き加減の中に生きる可能性”……

“バターとともに歩む孤独”……

“ソースの渦に宿る生命”──」


 


カグラ「めんどくせぇぇぇえええ!!!」


 


──光が弾ける。


空が割れる。


 


「さあ、カグラ。お前が俺を食べれば、

この王国は“完全なる焼成”を果たす……!」


 


カグラ「なんでパン食うだけでそんなこと起こるんだよ!!!!」


 


──そのとき、背後から声が響いた。


 


「ちょっと待ったァ!!!!!」


 


──現れたのは、


シン・オカワリ。


未来の男。片手に焼きそばパン。

もう片方には、USB型パンがカタカタと鳴っていた。


 


シン・オカワリ「このパンは──食ってはいけない。

なぜなら……これは世界そのものだからだ!!」


 


カグラ「いや、なんでそんな重要なパン出てくるたびに、食わせようとすんの!?」


 


パネリア「どうなさるのです、王……

召し上がりますか……それとも、拒みますか……?」


 


──運命の一口が、世界を焼く。


カグラは……どうするのか──!



「このパンは……食ってはいけない。

なぜならこれは、“世界そのもの”だからだ!!」


──そう叫ぶシン・オカワリ。

その手の中には、すでに焼かれた未来のパンの記憶。

そして、カグラの目の前には──


最終焼成パン。


 


世界が静止していた。


パンの鼓動。

自分の呼吸。

そして、パンの言葉。


 


「カグラ……俺を食えば、すべてが焼きあがる」

「食わなければ、永遠にパンの焼きかけが続くだけだ」


 


カグラ「……なあ、パン。

お前、自分が“存在の極致”とか言ってたけど……」


 


「ぶっちゃけ、ただの焼きそばパンだよな?」


 


──パンの光が、一瞬だけ揺らいだ。


 


「……ああ。そうだ。

俺は、ただのパンだ。

お前がいつも食ってる、ちょっとソース多めで、

袋が開けにくい、ただの“お前の朝飯”だ」


 


カグラ「だったら──」


 


カグラは、一歩、パンへ近づいた。


「語らなくていい。

舞うな、飛ばすな、熱く語るな。

お前は──ただ、うまけりゃいいんだよ!!」


 


──ガブッ!!!


 


世界が焼けた。

黄金の湯気が立ちのぼり、すべてのパンが一斉に「ぱんっ」と鳴った。

王国中に、“ふわっとした幸せ”が広がっていく。


 


パネリア「焼成、完了……」


サク田「バター、流れました……」


ミルミ「カグラ、かっこいい……!食ってるだけなのに!!」


アロマ「……やっぱり、“噛むこと”がすべてだったのね……」


 


シン・オカワリ「……やっぱり、お前だったんだよ。

パンの意志を、最後まで“噛みしめた”のは──」


 


──そして、パンの声が静かに響いた。


「ありがとう、カグラ。

お前に食われて、よかったよ」


 


──その言葉とともに、パンは完全に焼き尽くされ、

玉座は静かに、空っぽになった。


 


 


──次の朝。


テラス。

焼きそばパン。

風が気持ちいい。


 


カグラ「……パン、焼けてるな」


セリスティア「うん、でも今日は焦げてない。ちゃんと……“王の焼き”って感じ」


ミルミ「私も焼いたよ〜!焦げてるけど気にしないで〜!」


アロマ「記録に残しておきます。“王の一噛み”は、世界を焼いたと」


 


──こうして、

パン王国は“最高の焼き加減”で治まり、

王カグラの物語は、いったんここで──焼きたてを迎える。


というわけで、

パンの王になって世界を焼き上げる話、いかがでしたか?


王国全体がパン。住人もパン。試練もパン。

最後には“最終焼成パン”が人格持って喋りだすあたりで、

作者も「パンってなんだっけ?」ってなりました。


でも、ひとつだけ確かなことがあります。


かじれば、世界は変わる。


今回の教訓はたぶんそれです。

あと、コレステロールには気をつけましょう。


パン神話、まだまだ続きます。

焼きすぎない程度に、またお会いしましょう。

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