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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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65/300

焼きそばパンを食べ終えるたびに世界がリセットされるんだが

今日は、焼きそばパンをひとつ食べきるたびに

世界がリセットされる話です。


意味はわからなくて大丈夫です。

作者も途中からよくわかってません。


「パンがバグる」とか「パンが神になる」とか、

そういう話はもうすでにやりましたが──

今回はもっと静かで、もっと狂ってます。


おそらくこれは、“炭水化物系ループもの”として

世界初の物語です(※知らんけど)。


では、ごゆっくりどうぞ。

──それは、いつも通りの朝だった。


 


カグラは、拠点のテラスで焼きそばパンをかじっていた。

天気は良好、風も穏やか、焼き加減も完璧。

そして何より──このパンは今日も、うまい。


 


「……やっぱり朝は焼きそばパンだな……」


 


何気ない一口。

けれど、その一口を飲み込んだ瞬間──


 


カグラの視界が、“パンの袋の裏面”みたいにぐしゃぐしゃっと歪んだ。


 


「──うわ、なにっ!?なんか来たぞ!?焼きたて幻覚か!?」


 


耳鳴り、白いノイズ、そして──


 


気がついたときには、カグラはベッドの上にいた。


 


「……朝?」


 


さっきとまったく同じ景色。

テラスから差し込む光、鳥の鳴き声、

そして、手元には──


 


「焼きそばパン……?」


 


再び、袋に入った状態の焼きそばパンが手にあった。

しかも、まだ食べてない。


 


カグラ「おかしいって!さっき全部食っただろ!?

セリスティアが“それ私の分だよね?”って言いかけて──……」


 


バッと振り返ると、奥の部屋からセリスティアが顔を出した。


 


セリスティア「おはよ〜、って、それ私の分だよね?」


 


カグラ「出たーーーーーッ!?再放送か!?夢か!?パンの呪いか!?」


 


──この時、カグラはまだ知らなかった。


これが、“パンを完食するたびに世界がループする”

壮大な炭水化物リセットの始まりであることを……。


「いやいやいや……おかしいだろコレ……!」


 


カグラは焼きそばパンを持ったまま、テラスをウロウロと歩き回っていた。


 


「味は同じ……焼き加減も同じ……でも、袋の“しわ”がさっきと違う……!」


 


袋の角が微妙に左側に折れていて、いつもならつかみやすい右手側がぺちゃんこ。

──そしてなにより決定的なのが、ソースの位置が違う。


 


「さっきは、第一口目でソースがドバッて出たはずなのに……今回は、右端に集まってる……!」


 


カグラ「……パンでタイムリープって、なに!?

焼きそばパンが時間の管理者なの!? 主食のくせに!?」


 


そこへ、セリスティアがコップを持ってやってくる。


 


セリスティア「なにうろうろしてんの。食べないの?」


カグラ「いやあの……ちょっと待って、さっき食った記憶あるんだってこれ!」


セリスティア「寝ぼけてる? それ、私が昨日用意した分でしょ?」


 


──まるで、全員が1周目の記憶を持っていないかのような反応だった。


 


「……これ、やべぇやつだ……ループものだ……!」


 


パン片手に崩れ落ちそうになるカグラ。


そのとき、部屋の隅からひょっこり顔を出したのはミルミ。


 


ミルミ「あ、カグラおはよー! 今日も焼きそばパン? 私は焼きうどんパン作ったよ!」


 


カグラ「また意味不明なパン出してきたなお前は!?っていうか!この展開さっきも見たぞ!」


 


ミルミ「え? 初対面みたいなリアクションやめてよぉ〜」


 


──世界は、焼きそばパンを一口かじるたびに、

微妙に“何かがズレた状態”でリセットされている。


まだ断定はできないが、

カグラは確かに「さっき一度、この朝を終えていた」感覚を持っていた。


 


「……一つだけ確かめてみるか……」


 


カグラは、意を決して──

再び、焼きそばパンを一口、かじった。


 


──シュウウウウ……という音と共に、視界がパンの湯気のように揺れ始める。


 


「うわあああ、まただああああ!!」


 


気がつくと、またベッド。

朝。

光。

テラス。

パン。


 


「三周目だああああああ!!!!!」


 


──世界は、焼きそばパンの完食と共に、

巻き戻る“パン型タイムループ構造”に突入していた──。


──三周目。


カグラはもう、パンを見つめる目が完全に“世界の理を知った者”になっていた。


 


「……こいつが、リセットスイッチだとしたら──」


 


思わずパンに向かって話しかけてしまう。


「お前……何者なんだよ……ただの炭水化物じゃなかったのかよ……」


 


セリスティア「朝から何と会話してるの?」


カグラ「パンと」


セリスティア「そろそろ本格的に医者呼ぶよ?」


 


だが、カグラは無視して、

パンの包装にメモを書き込むことにした。


 


──《このメモが次のループで残っていたら、世界は連続している》──


 


再び、焼きそばパンをひとくち。


 


シュウウウ……


──そして、再起動。


四周目。


 


「……あー、また戻ったかー。慣れてきたなー(泣)」


 


だが。


 


手元のパンには、メモがなかった。


 


「……なるほど。記憶も物も、全部リセットされるのか」


 


ということは──


「このループを超えるには、“パンに直接書く”しかねぇ!!」


 


ミルミ「え、カグラ何やってるの!?パンにマジックで呪いの文字書いてるよ!?」


セリスティア「やめなさい、それ私の分も兼ねてるのよ!!」


 


カグラ「だってループしてんだってば!!俺だけ時空のナナメに取り残されてるんだよ!!」


アロマ「……なるほど、“焼きそばパン観測問題”……興味深いわ」


 


なぜか一人だけ深く納得しているアロマ。


 


カグラ「せめて、誰か一人くらい記憶引き継いでてくれよ……

俺ばっかこんな……世界の具にされてんのか……」


 


そのとき──


セリスティアが、ぽつりとつぶやいた。


 


セリスティア「……カグラって、毎朝“同じパン”食べてるわよね」


 


カグラ「……!!?」


 


セリスティア「ちょっと不思議だったの。焼きそばパン、私が用意してない日もあるのに」


カグラ「……おい、まさか……お前、記憶──」


セリスティア「ふふっ。まさか、ね?」


 


──世界は確実に、少しずつ“変わって”きていた。


パンの焼き加減だけでなく、

人間の意識までもが、“焼き直され”始めている──


「ふふっ。まさか、ね?」


 


──そのセリフが、

カグラの中に決定的な違和感を生み出していた。


 


(いやいや、ちょっと待て……

あいつ、さっき“私が用意してない日もある”って言ったぞ……?)


 


カグラ「……セリスティア、お前……いつの話してる?」


セリスティア「ん? 今朝の話よ」


カグラ「それ、前にも言ってた気がするんだけど」


セリスティア「“前”? いつの前?」


カグラ「……いや、やっぱなんでもない……(ヒントはそこにあるのに!!)」


 


──情報は断片的だが、“誰かが少しずつ記憶を持ち越し始めている”。


つまり、焼きそばパンのループには“干渉可能な条件”が存在する。


 


カグラ「……よし、次は“食べ終わらない”でループできるか試すか……」


 


パンの端っこだけをかじって、

“中途半端な一口”でとどめてみる。


 


──……何も起きない。


 


「……なるほど、“完食”が条件か……」


 


そして次。


ミルミが持ってきた「焼きうどんパン(※カレーパンみたいな見た目)」をあえて食べてみた。


 


──……何も起きない。


 


「やっぱり、焼きそばパン限定か……!」


 


アロマ「……観測条件が狭いわね。“焼きそば”という具材自体に、何か意味があるのかも」


カグラ「そう、なのか?」


アロマ「たとえば、“長くて複雑に絡む構造”──

これはタイムループそのものを象徴してるのかもしれない」


ミルミ「うどんは、ダメだったのかぁ〜」


カグラ「お前のパンは問題外だ!なんでうどんとパンを合体させたんだよ!」


ミルミ「え〜?『主食 on 主食』はロマンでしょ〜!」


 


──検証のすえ、

“焼きそばパンを完食する”という条件でのみ、

このループは起こると判明した。


 


そして──

カグラはもう一度、セリスティアに訊くことにした。


 


カグラ「……もしさ、お前が、“昨日と同じ朝”を繰り返してたとしたら……どう思う?」


 


セリスティアは、少しだけ笑って言った。


 


「それって、“同じパンが続いてる”ってこと?

だったら、きっと“何かが焼き足りない”のよ。だから、やり直しになるの」


 


「……それって、“パン理論”としては納得できるけど……なんか深ぇよ!?」


 


──この世界は、まだ焼き切れていない“何か”を探している。


カグラがその“答え”を見つけるまで、

ループは続くのかもしれない──。


──六周目。


焼きそばパンを食べきり、また“朝”がやってくる。


 


カグラはもう、驚かない。

起きて、ベッドから起き上がり、

テラスへ向かい、焼きそばパンを確認する。


 


「よし、焼きムラ……右に寄ってる。前回と違うな」


 


袋のシワ、ソースの位置、焼き目、空気の入り方、

すべてが、微妙に“違う”。


 


(毎回、“どこかが変わってる”……これは、

このパンが“時間”を記録してる……?)


 


──そこへ、またセリスティアが現れる。


「おはよう、って、それ私の分よね?」


 


カグラは静かに聞き返す。


「……なあ、セリスティア。お前、デジャヴ感じたりしないか?」


セリスティア「んー? 最近ちょっとパンが“先に見た夢”みたいに思えるときはあるけど?」


 


──明らかに、記憶が“焼き戻され”つつある。


 


カグラ「……この焼きそばパンさ。食うたびに俺、同じ朝に戻されてんだよ」


 


セリスティアは一瞬だけ止まり──そして、冗談めかして言う。


「じゃあ、次から焼きそばパンじゃなくて、バゲットにしてみたら? 長いし、時間も伸びるかもよ?」


 


カグラ「……お前、実は全部わかってるんじゃねぇのか……?」


 


ミルミも顔を出す。


「じゃあ今度、私が超長時間焼成の“タイムパン”作ってあげる!」


アロマ「構造上、最初から焦げてるでしょうね……」


 


──そのとき。


テラスの空が、ピクリとノイズのように揺れた。


 


「……あ?」


 


空の端が、“モザイク”のように崩れている。

まるで、現実の一部だけ“描画ミス”を起こしているかのように。


 


「おいおいおい、ちょっと待て……」


 


──次の瞬間。


草の上に、見覚えのない“パン”が落ちていた。


 


USB型パン。──あの、未来で渡された“パンの記憶”に酷似した物体。


 


「なんでここに……!? 俺、まだ未来に行ってねぇぞ!?」


 


セリスティア「……それ、私のじゃないわ。初めて見た」


アロマ「干渉が早まってる……まだ“それ”が現れる周回じゃないはずなのに」


ミルミ「すごいねー!パン、勝手に時空越えてきたよー!」


 


──何かが、

この世界のルールを超えて、侵入してきている。


 


カグラ「……いや待て、それって──

このループ、俺が“ただ食ってるだけ”の話じゃないのか?」


 


──世界のほころびは、“パンの記憶”を通じて拡がり始めた。


そして、

次に焼きそばパンを完食したとき──

もっと大きな“ズレ”が、世界を襲うことになる──。


──七周目。


いや、もしかすると、もっと前から始まっていたのかもしれない。


カグラはもう、パンを“ただのパン”として見ていなかった。

焼き加減、ソース位置、包装のしわ、記憶の重なり──

すべてが、“世界のログ”のように感じられた。


 


「……やっぱ、こいつ……“パンドライブ”なんじゃねぇか?」


 


USB型パン。

世界の崩れ。

そして“何かの記憶”が、少しずつ漏れ始めている。


 


──そのときだった。


空に、巨大なパンのマークが浮かび上がった。


いや、“パンのマーク”というより──パンそのもの。


 


「おい……空が、食パンになってねぇか……!?」


 


セリスティア「……“目覚め”が始まったわね……」


カグラ「え?なんでお前だけ“意味わかってる感”出してんの!?」


 


ミルミ「うわー!でっかいパン!あれ、神様のパンだよ!たぶんバター入り!」


アロマ「観測レベルを超えてるわね……空間そのものが、記録装置としての構造に“上書き”されてる」


 


──そして空間に、声が響いた。


「パンの記録者よ、選ばれし者カグラ=シノノメよ」


 


カグラ「え、俺!?ついに名指し!?嫌な予感しかしねぇ!!」


 


「貴様は、幾度もの焼成を越え、“パンの本質”に近づいた」

「だが、その代償として──“現実”の耐久が限界を迎えつつある」


 


──空に開く、巨大な裂け目。

その先に見えるのは、“未定義のパン”たち──

クロワッサン型次元、カレーパン領域、蒸しパン暗黒面──


 


「最終焼成が始まる。

汝が最終のパンを食らうとき、“記録は確定”され、すべてのループは終わる──」


 


カグラ「いや“最終のパン”って何!?そんなパン用意した覚えないけど!?」


 


──その瞬間、手元にあった焼きそばパンが、黄金の光を放ち始めた。


セリスティア「……それが、“始まりであり終わりのパン”──“ZSP-∞”」


カグラ「名前がラスボスすぎるんだよッ!!!」


 


──パンを食べるか、拒むか。


それが、“この世界の最終焼成”を決定づける。


 


「……俺がこのパンを食えば……世界は、焼きあがる……」


 


カグラは深く息を吐いた。


 


「だったら──

焼きそばパンとして、生き様を示してやるよ。

語らねぇ、舞わねぇ、飛ばさねぇ。かじる。ただそれだけだ──」


 


──ガブッ!!


 


パンをかじった瞬間──

世界が、黄金の蒸気に包まれた。


 


空が溶け、時がほどけ、

“パンに記録されていた全てのループ”が、同時に再生されていく。


ミルミ「うわあ〜!焼きたての記憶が空に流れてる〜!!」


アロマ「……記録再構成完了。“ZSP-∞”、焼成完了」


セリスティア「……ふふっ。パンが、私たちのすべてだったのね……」


 


──そして、


カグラが目を開けると、

そこは、見慣れたテラスだった。


焼きそばパンは、袋ごと空っぽ。


 


「……終わった……のか?」


 


セリスティアがふっと笑って言う。


「おかわり、あるわよ?」


 


──そしてまた、パンが焼きあがる音が、

どこかで静かに、鳴っていた。


というわけで、

『焼きそばパンを食べ終えるたびに世界がリセットされるんだが』

最後までありがとうございました。


パンを一口かじるごとに“世界が微妙にズレていく”──

そんな話を朝から真顔で書いていた自分が、

一番ズレていたかもしれません。


今回は、「ループ系×パン」という絶妙に終わってるテーマの中で、

ギャグをしつつ、微妙に神話っぽい雰囲気を詰め込む挑戦でした。


「パンは語らない。かじるだけだ」

というカグラの名言(?)は、我ながら気に入ってます。


次はどんなパンが世界を救うのか──

それとも、救わないのか。


焼きそばパン神話は、まだまだ続く。


また次回、どこかの“焼きたて世界”でお会いしましょう。

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