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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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この味だけは、忘れられなかったんだ

今回のテーマは「記憶×パン×バグ」!

とんでもない組み合わせなのに、ちゃんとそれっぽくなったのが不思議です。

ちょっとだけ切なくて、かなりギャグで、だけど心に残るパン回でした。


あと、焼きそばパンってやっぱり最強だよね。

カグラは今日も、焼きそばパンを握っていた。

朝、昼、夕、そして夜中の小腹タイム。常に握られていたそのパン。


「おかしいな……焼きそばパンって、こんな味だったっけ?」


 


──その瞬間、世界が揺れた。


文字通り、パンの包装紙から光が漏れた。


 


セリスティア「それ、記憶に封印されしパンじゃない!?」


カグラ「は!? 封印された記憶ってパンに宿るの!?」


ミルミ「わかる! わたしも昨日、食べたメロンパンで小学生の時の記憶戻ったよ!」


カグラ「それは糖分のせいじゃないの!?」


 


──だがそのとき、現れた。


謎のフードをかぶった男が、カグラのパンを見て呟く。


「……それは、俺の……パンだ……」


カグラ「いや、どこの!?〇ーソンで買ったぞ!?」


 


セリスティア「まさか……記憶喪失者!?このパンに導かれて……!?」


謎の男「……“あの味”だけは、覚えていた……でも……俺は誰だ……?」


ミルミ「恋!これは恋だよ絶対!!」

アロマ「ロマンチックな破滅フラグ」


 


──パンをめぐる記憶の旅が、いま始まる。

そしてカグラは気づいていなかった。

この一件が、世界の“味覚”を揺るがす戦いになることを……!


「というわけで、パン屋だ!!」


カグラのテンションが爆上がりしていた。


 


セリスティア「ねえカグラ、それもう“記憶探し”じゃなくて、“ただのパン屋巡り”になってない?」


カグラ「変わってねぇよ!? 元からパンだよ!?」


 


──一行がまず訪れたのは、〈焼きたてベーカリー・ブリオッシュ異界支店〉。


そこには、異世界各地から取り寄せたパンがずらりと並んでいた。


 


ミルミ「おぉ~!見て見て!このパン、“食べた瞬間だけ5歳若返る”って書いてあるよ!」


セリスティア「それって、永遠にお肌ツヤツヤになれたりするのかな……?」


カグラ「でも食べ続けたら胎児に戻らない!? 大丈夫!?」


 


謎の男(記憶喪失)「……この店じゃない。もっとこう、……あったかくて、優しい、あの味……」


アロマ(端末ポチポチ)「現在、同様の“記憶に引っかかる味”を検索中……該当店舗、3421件──」


カグラ「多いわ!!」


 


──そして2軒目。〈思い出パン工房・なみだの味支店〉。


「店長が常に泣いてる」という噂の感動系パン屋だが──


 


店長「泣いてなんかいないよ……花粉症なんだよ……」


カグラ「なんかリアルに哀しいな!?」


 


──しかし、またも“記憶の鍵”は見つからず。


セリスティア「うーん……あの人が探してるのって、パンそのものじゃない気がするんだよね……」


カグラ「え、どういうこと?」


セリスティア「たぶん、パンに宿ってた“誰かとの記憶”。その味を、無意識に探してるんじゃないかな」


ミルミ「やっぱり恋じゃん!」


アロマ「恋じゃなかったら逆にこの旅きついです」


 


──謎の男の記憶に、何があったのか。

彼が探し続ける“あの味”の正体とは──?



3軒目のパン屋《空想酵母》に到着したころ、

一行は奇妙な違和感に気づき始めていた。


 


「……あれ、このパン屋、さっきも来たような……?」


ミルミが眉をひそめる。


 


セリスティア「えっ?でも、看板には“初出店記念セール!”って書いてあるよ?」


カグラ「ってことは……俺たちの記憶の方が変なのか?」


 


──その瞬間、空間に“バグの縞模様”が走る。


視界の端が、ノイズのように揺れた。


 


アロマ「……観測バグ、発生。空間履歴と記憶ログが、一部食い違ってる」


セリスティア「……それって、記憶を喰われてるってこと?」


アロマ「可能性としては高い。“記憶を保存せずに上書きする現象”が進行中──」


 


謎の男「……やっぱり……そうか。俺が、俺を覚えてないのは……“あいつ”のせいだ」


 


カグラ「“あいつ”って……まさか、お前を消したやつがいるってのか?」


男は黙ってうなずいた。


 


男「……最後に覚えてるのは、“赤く焼けた空”と……“誰かの声”」


「“そんなパン、食べちゃダメだ──”って……誰かが叫んでた」


 


セリスティア「……!」


ミルミ「うわ、急に雰囲気シリアスに!?」


アロマ「ギャグで塗り固めてたのに急旋回ですね」


 


──すると、空間が一層ぐにゃりと歪んだ。


アロマ「まずい。今の“記憶再生”で、過去の断片が干渉領域を生んだ」


セリスティア「過去と今が、パン屋を通じて繋がっちゃってる……!」


カグラ「なにその“世界のパンの中心でバグが叫ぶ”みたいな現象!?」


 


──この世界のどこかに、“記憶を削り、改ざんする”バグが存在する。


その正体は……パンなのか。誰かなのか。あるいは──




──“赤く焼けた空”の中に、少年がいた。


記憶喪失の男──彼の“かつての姿”。


小さなパン屋のカウンターで、無邪気に笑っている。


 


「ねぇ、これ、おれが焼いたんだよ!今日はバターを多めにしてみた!」


 


目の前に立つのは、長い三つ編みの女の子。

どこかセリスティアにも似た、優しい目をした誰か。


 


少女「ふふっ、上手に焼けたね。じゃあ……このパン、特別な名前つけようよ」


少年「え?名前?」


少女「うん。“覚えていてほしい”から──“メモリーブレッド”って、どう?」


少年「おぉー!なんか強そう!」


少女「パンだからね。強くて、おいしいのが正義だよ」


 


──しかし、空が焼け落ちていく。


現実と記憶の境界が燃え、崩れ、混ざりはじめる。


 


謎の男(現在)「……あのとき、パンは……焼けたまま、置いてきた」


「店も……あの子も……全部……バグに喰われたんだ」


 


カグラ「……それで、お前の記憶も?」


男「“メモリーブレッド”に宿ってた記憶だけが、かろうじて残った」


セリスティア「だから……“あの味”だけを覚えてたんだね」


 


──彼の記憶が戻ったことで、世界の歪みが加速する。


空間に“黒焦げの縞模様”が広がっていく。


アロマ「来る……観測バグの本体、“記憶を喰らうもの”が──!」


 


カグラ「うおおお!パンが……空間ごと焼き焦がされてんぞ!?誰だよこんな演出考えたの!!」


ミルミ「世界がサンドイッチされてるぅぅ!」


セリスティア「こうなったら──カグラ、行くよ!」


カグラ「えっ!?なんか“最終回テンション”になってない!?」


 


──パンの記憶に呼び寄せられた“バグ”との直接対決へ!



「我は──メモリア・バグリア」


 


空間の裂け目から現れたのは、

パンのようでパンでなく、

記憶のようで記憶でない、黒焦げの存在。


まるで“無数のパンの記憶”が融合し、腐り、膨張し、

バグとなって塊になったような──


 


カグラ「なんだこいつ!?焦げたクロワッサンに呪われたバケモン!?」


セリスティア「もうパンって認識してないよねそれ……」


アロマ「形状、記憶の断片と未焼成バグの複合体。コード名:『パン焼き失敗バグ』です」


ミルミ「だっさ!!」


 


──だが、やつの力は本物だった。


一瞬で周囲のパン屋を侵食し、空間そのものを“思い出の断片”に変える。


 


セリスティア「う……頭の中に、知らないパン屋の記憶が……!」


カグラ「俺も!“小学校の時の給食の揚げパン”がよみがえってきた!!」


ミルミ「それ懐かしすぎて逆に強いヤツじゃん!」


 


──しかし、カグラの身体に異変が起きる。


彼の“???”スキルが、自然に発動していた。


 


アロマ「カグラの記憶領域が……“バグとの接続”を拒絶してる」


セリスティア「つまり、バグに“効かない”……!」


ミルミ「記憶すらバグらない、チートな無敵バグスキル発動じゃーん!!」


 


──カグラは右手に、いつものように焼きそばパンを握る。


「……俺のパンの記憶は、お前になんか渡さねぇ!」


 


その瞬間、焼きそばパンがまばゆい光を放った。


セリスティア「まさか……パンの記憶が、抗体になってる!?」


ミルミ「パンでバグ浄化!?それアニメだったら絶対最終回!」


アロマ「ここ、冷静に記録しときます」


 


──焼きそばパンの力により、メモリア・バグリアは崩壊しはじめる。


だが、消える直前──


「我を焼いたのは……おまえたちの、“記憶”だ……」


そう言い残し、バグは霧散していった。


 


──こうして世界は元に戻った。


けれど、男は言う。


「全部思い出したよ。でも、パンの焼き方だけは、まだ……お前らから学ばせてくれ」


カグラ「教えねぇよ。見て盗め」


セリスティア「え、教えてあげようよ?」


ミルミ「え、なにそれ青春の味?」


アロマ「まとめ:パンは世界を救う」


──翌日。


カグラたちは、セリスティアの《パン工房せれす亭》にいた。


焼きたてのパンの香り。穏やかな時間。

そして、あの記憶を取り戻した男も──見習いとして厨房に立っていた。


 


男「えっと……この焼きそばパンは……こう、ソースをもうちょい多め……?」


カグラ「バカ!多すぎたらパンがベチョるだろ!」


男「う、うぅ……!」


ミルミ「カグラ先生、パンに厳しすぎぃ!」


セリスティア「もう、そんなに怒らなくてもいいのに……」


アロマ「“焼きそばパン道場・鬼のシノノメ師範”で記録しました」


カグラ「勝手に記録するなッ!」


 


──ふと、男が焼いたパンを一口食べる。


「……うん、まだまだだけどさ……でも、ちょっと思い出す味だ」


「“あの子”と食べた、メモリーブレッドの味──」


 


カグラ「そいつは良かったな」


セリスティア「うん。また誰かの記憶に、なるパンを作れるといいね」


ミルミ「で、最終的にこのパンが神格化されて、世界の根幹に干渉するの?」


カグラ「するな!やめろ!!フラグ立てるな!」


 


──こうして、またひとつの“バグの記憶”は終わりを迎えた。


でも、パンは今日も焼かれる。


焦げることも、破裂することも、たまにはあるけど──

その香りは、誰かの心をそっと包むから。


 


セリスティア「……カグラ、今日のパン、ちょっと焦げちゃった」


カグラ「またバグか!?」


セリスティア「ううん。うっかり寝ちゃっただけ」


カグラ「それはそれで問題だろ!?」


 


──日常は、焼きたてパンのように続いていく。


いつかこの世界が崩壊しても、焼きたてパンの香りは残る……

そんな気持ちで書きました(どんな気持ち?)

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