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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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世界が2つじゃ足りねえ!

多次元からカグラがやってきた──

って、どんだけ自分好きなんだよ俺!!


今回は「焼きそばパンのバグ」がついに他の世界線にまで干渉しちゃったお話です。

なんか壮大な話っぽく見えるけど、結局やってることはパンかじってるだけだからね?


あと、パン大陸って何だよ。

朝の光が、庭に差し込んでいる。


空は青く、風は穏やか。

焼きそばパンの香ばしい匂いが、そこはかとなく漂って──


 


「……はあ、やっぱり朝は焼きそばパンだなぁ……」


 


カグラは縁側に腰掛け、いつものように頬をふくらませていた。

手には、焼きたての焼きそばパン。そして、足元にはなぜか小型のドローンが浮いている。


 


「……ん?」


ドローンが、甲高い音を立てて震え始める。


 


《異常反応を検知。存在干渉フィールドに異状アリ》


 


「なにそれこわい。朝くらい静かに食わせろって」


カグラがぼやきながらパンをかじろうとした瞬間──


 


──ズズズ……ッ!


 


庭の地面がうねる。いや、正確には“世界の座標”そのものがずれたような──


 


「カグラ! なんか庭がバグってるんだけど!!」


セリスティアがドアを開けて飛び出してくる。


その瞬間、縁側の隣に──


 


「──あああ!? 俺がいる!? 俺もう1人いるーーー!!!??」


 


そこには、見覚えのある──というか、自分と寸分違わぬ姿のカグラが、焼きそばパン片手に立っていた。


 


「よう、俺。……いい朝だな」


 


「いやいやいや誰!? 俺!? 俺だけど誰!!?」


 


そしてもう一人。


 


「正義とは──焼きそばパンを冷めさせないこと!」


 


──マントをひるがえす、ヒーロースーツ姿のカグラ。


 


そしてさらに。


 


「……クク……闇が俺を呼んでいる。パンのソースの深淵が、今……!」


 


──片目を隠した厨二病全開カグラ。


 


セリスティアが、ぐるりと庭を見回した。


 


「……朝から、なんでこんなにカグラがいるのよ……?」


 


カグラ(オリジナル)は、焼きそばパンを持ったまま、ゆっくりと後ろにのけぞった。


 


「……おい、誰か説明してくれ。

 俺の胃袋とこの世界、どっちが今バグってる……?」


──数分後。


 


「現在確認されているカグラ:13名」


 


セリスティアが結界の中心で、魔力スキャンをかけながら叫んだ。


 


「しかも! 時間軸も空間軸もバラバラ! 同一存在が、同時に違う世界線から侵入してきてるって……どういうことよ!? 頭おかしくなる!」


 


その間にも庭では──


 


「焼きそばパンは冷やして食う派なんだよ、わかるか俺」


「ふざけんな、温め派が正義だろ。ソースがとろけるんだぞ?」


「だまれ、異端者め。ソースを超えし者こそ真のパン使いだ……!」


「その焼きそばパン、どこの時空で買った?」


「いやそれ俺のだろ! 返せよ!」


 


──などと、焼きそばパンを巡って13人のカグラが喧嘩していた。


 


セリスティアが頭を抱える。


 


「はぁ〜〜〜〜……なんで保護者が朝からこんな多次元カグラの対応しなきゃいけないのよ……」


 


そして、そのとき。


 


「……あの、すみません。ちょっと話していいですか?」


 


13人の騒ぎの隙間から、ひとりの“静かなカグラ”が手を挙げた。

他のカグラたちとは違い、彼だけはやたらと落ち着いていて、スーツ姿。眼鏡をかけている。


 


「……私はこの世界で発生した“存在干渉エラー”を修正するために派遣された、調整個体カグラです」


 


「調整ぅ!? 俺ってそんなにバグってたの!?」


 


調整カグラは無表情で頷いた。


 


「貴方のスキル、“全属性無効(Ver0.01β)”が未検証の領域に干渉し、時空構造が崩壊寸前です。焼きそばパン由来の空間的ソース流動が、特に深刻です」


 


「ソースが時空を超えるってどういう原理なんだよ!!!???」


 


そのとき。


 


「──緊急干渉信号、受信」


 


ドローンが再び鳴き、空間の一部がぐにゃりと揺らいだ。


 


「来る……! 別の世界が、こっちに干渉してきてる!!」


 


──ズガァァァァァァァン!!!


 


空が割れた。


 


そこから現れたのは、巨大な、焼きそばパン型の……何か。


 


「──えっ……宇宙戦艦……?」


 


その艦首には、こう書かれていた。


 


《焼きそばパン帝国艦隊 第二皇子機》


 


「……やべぇ、宇宙から俺が来た」


──ズガァァァン!!!


 


《焼きそばパン帝国艦隊 第二皇子機》から、謎の通信が届いた。


 


「こちら宇宙時空連邦焼きそばパン帝国。われわれの次元資源“パンコア”が不法に使用されている。至急、起源個体を引き渡されたし──」


 


「パンコア!? なにそれ!? ていうか俺が起源なの!?!?」


 


調整カグラ(スーツのやつ)がぼそりと呟く。


 


「……Ver0.01βのコアスキル“???”は、焼きそばパンの波動情報をもとに形成された疑似世界干渉核です。つまり──」


 


「パンが世界の核になってんの!?!?!?!?」


 


そのとき、再び空が揺らぐ。


 


──現れたのは、別の宇宙から転送されてきた“パン型戦闘機”。


しかも中から飛び出したのは……カグラ(軍服Ver)。


 


「帝国第二皇子カグラ=ノヴァ・シノノメ、参上! 異次元のバグ個体を粛清するッ!!」


 


「お前も俺かよ!!!!」


 


空間に響き渡る焼きそばパンの波動。


帝国艦隊 vs 地球カグラ vs 時空カグラたちの三つ巴パン大戦が勃発する。


 


セリスティアは空を見上げながら、完全にテンパっていた。


 


「……ちょっと待って。焼きそばパンでここまで話広がるって……常識的にどうなのよ!?」


 


しかし答えるものはいない。


なぜなら、焼きそばパンが空を裂き──


ついには“パンの神殿パンテオン”まで召喚され始めたからだ。


 


「……やばい。多次元焼きそばパン信仰が……具現化してきてる……」


 


──パンによる宇宙の再構成、開始。


──パンの神殿パンテオン、出現。


それは空間の裂け目から、神々しさゼロの“ふわふわした生地の神殿”として現れた。


見た目は完全に「巨大な食パンに柱ついてる」だけだった。


 


「……アホなの? この世界、完全にアホなの??」


セリスティアが本気で頭を抱えていた。


 


「どこから突っ込めばいいんだろう……浮かんでるのも変だし、パンでできてるのも変だし、柱が“バターロール”なのも変だし」


 


だがそのとき、パンテオンの頂点から一人の影が降り立つ。


──その名は、“パン神官長アリエス・シュガートースト三世”。


どう見ても、トーストをマントにしたおじさんだった。


 


「貴様ら、この次元にてパンの波動を乱した罪により──再構築の儀式を開始する!」


 


「ちょっと待って!? 誰!?」


「パンの神官長って何職!?!?」


 


カグラは慌ててパンを構える(意味不明)。


セリスティアは半ば呆れながらも、魔力を込めて構える。


 


その瞬間、上空から異次元の“焼きそばパン衛星”が落下してきた。


 


「……え、あれって……焼きそばパンでできた、月……?」


「パンムーンかよ!!!」


 


──ドゴォォォン!!!


 


世界がパンに包まれた。


 


焼きそばパンの香りが全次元に広がり、空が“ソース色”に染まっていく。


そしてパンテオンの神々が──異次元から、ぞろぞろと降臨し始めた。


 


「焼きそばパン・ガーディアン!」


「クロワッサン・ヴァルキリー!」


「ベーグル・アポカリプス!」


 


「名前だけでお腹いっぱいになるわ!!!」


 


──パンとともに、戦いは次なる局面へ。



──パンテオン戦争、開幕。


焼きそばパン衛星パンムーンが空から照らす中、各“パン神種”たちが並び立つ。


空中には、巨大なパン大陸が形成されていた。


その名も、《グラン・ベーカリウム》。


 


「……なにこれ、空に……パンでできた、浮島?」


セリスティアは絶句していた。


その視線の先には、まるで世界樹のようにうねる“焼きそばパンの樹”が伸びている。


 


「このままじゃ、世界の構造が……ソース化するわ」


「ソース化ってなんだよ」


 


カグラは自らのスキルを起動した。


──《全属性無効》──そして、《???(バグ干渉)》。


 


パン神官長アリエスが吼える。


「バグの波動を……パンの秩序に持ち込む気か!」


 


しかし次の瞬間──


空中のパンムーンが共鳴し、パン大陸が音を立てて震えた。


 


《スキル干渉発動:パンの理を上書きします》


 


「お、おい!? お前、パンの理とか書き換えんなって!!」


 


──パン大陸グラン・ベーカリウムの形が崩れ、


 すべてのパンが、**「ふわもち宇宙仕様」**へと変質した。


 


セリスティアは目を見開いた。


「まさか……この子、パンの進化を……?」


 


空に響く、ひとつの声。


「……焼きそばパンは、原初にして究極。余はそれを認める」


 


パン神官長アリエスは、トーストマントを脱ぎ捨て、カグラにひざまずいた。


 


「パンの始祖……いや、“パンを超えし存在”よ。我らは、真理を見た……」


 


「えっ、なんか俺、すごい立場になってね?」


 


世界は静かになった。


ソースの香りは空に溶け、パンの秩序は改編された。


 


──そして、カグラの手の中には


 1枚のふわふわした“神の焼きそばパン”が残された。



異変は、パン大陸が空に浮かび上がった直後だった。


──空が、裂けた。


そこから、**“無数の自分”**が現れた。


「……ん?」


カグラは、空に浮かぶ人影に目を細める。


ひとり、またひとり。次々と現れるソレらは──


「おい……ちょっと待て、なんで俺がいっぱいいるんだよ!?」


 


「静粛に」


中心に立った“神官風の俺”が、手に焼きそばパンを掲げていた。


「本日、全次元カグラ連盟緊急集会を開始する」


「連盟なんて作ってんのかよ!!?」


 


「我々は、観測された焼きそばパンの次元共鳴を確認した。よって──この時空の本家たる貴殿に問う」


「え、俺!? 本家って俺!?」


 


「貴殿の一噛みにより、パン界の境界が“崩壊”を始めた」


「噛んだだけでバグったの!?」


 


「問おう。我らの未来──**“パンによって統一された多次元秩序”**に、加わる意思はあるか?」


「なんだそのパン帝国構想は!! あと焼きそばパンだけで統一すんのやめろォォ!!」


 


セリスティアが肩を叩いた。


「……これ、どうする? 結構マジっぽいけど」


「スキル使うしかないか」


 


──《全属性無効:焼きそばパン共鳴バグ》発動。


その瞬間、全カグラが一斉に叫んだ。


「えっ、バグった!?」「時間巻き戻ってない?」「記憶がバグってるんだけど!?」「俺、誰だっけ!?」「おれも!!」「俺はカグラ!」「じゃあ俺は誰だァァァァ!!?」


──空間が崩壊し、多次元のカグラたちは次々と“焼きそばパン片手に”虚空に還っていった。


 


……


 


気づけば、空にはパン大陸だけが残されていた。


セリスティアが言う。


「……また、世界を救ったわね」


「いや、もうパン関係の事件、しばらく遠慮したい」


「でも、あれが落ちてきたらまた食べるんでしょ?」


「……かもな」


 


──風にのって、ひとつのパンが舞い降りた。


焼きそばパンだった。


 


カグラは静かに手を伸ばし、それをキャッチした。


 


「……ま、朝は焼きそばパンだよな」


多次元会議、勝手に開催されて勝手に解散していきました。

お疲れ様でした、カグラ連盟の皆さま。さようなら焼きそばパン銀河帝国。


今回でまたスキル「???」のヤバさがにじみ出てきましたが、

たぶんだれも正確には理解してません。


パンだけがすべてを知っている──それがこの世界の真理なのかもしれない。

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