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【全属性耐性ゼロ】だったのに、全ての攻撃が効かない最強バグスキルを手に入れました※タイトル詐欺です  作者: Y.K
第1幕

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“あの2人”、世界がバグってるのに空気読まない

タイトルは『次回 “あの2人”、世界がバグってるのに空気読まない』。

あ、先に言っときます。この話、ギャグ回です。世界観ガン無視です。


久しぶりに出てきた初期キャラ、ジルドとリリィ。

みんな覚えてた?……いや、覚えてなくても読める構成になってるから大丈夫!


焼きそばパンは、今回も健在です。え?もはや要素薄い?気のせいです(?)。

──その日も、カグラは焼きそばパンを焼いていた。


「……なんか、最近世界のルールゆるくなってない?」


ぽつりとつぶやきながら、鉄板の上でじゅうじゅう音を立てる焼きそばを見つめる。

魔導結界で安定化された屋台《せれす亭》。

そこに漂うソースの香りは、どんな敵意もとろけさせる。


「観測者に魔王軍に使徒に……敵のバリエーションだけやたら増えてるのに、

 俺がやってることって、焼きそばパン焼くだけなんだよなあ……」


セリスティアが、紅しょうがを添えながら返す。


「その“焼き”にすべてが集約されてる気がするけどね。いろんな意味で」


「哲学的パン理論やめて」


ミルミは屋台の屋根で昼寝中。

シオンは横で黙々と“バグ報告メモ”を整理していた。


──そこに。


「──あら? ここって、もしかして……出番じゃない?」


とびきりのテンプレお嬢様ボイスが、空気をぶち破った。


バサァッ!!と屋台のカーテンがめくれ、

現れたのは金髪ツインテール、フリルまみれの少女──


「リリィ=ハートフィールド!! 久々のご登場よっ!!」


 


※リリィ=ハートフィールド:

第1話で登場していた、いかにもな“金髪お嬢様”……なのに、実は脳筋。

ヒロインポジションを狙っていたはずが、出番が消滅していた。

今回は記憶を捻じ曲げてでも登場したいらしい。


 


「えっ、マジで!?リリィさん!?!?!?」


カグラ、トング持ったままフリーズ。


その横から、今度はめっちゃ偉そうな声が重なった。


「ふん。観測外だか帳の使徒だか知らんが……このグランツ家の天才たる私を差し置いて、

 “世界バグの主役”とはいい度胸だな、カグラ=シノノメ!」


──ジルド=フォン=グランツ、再臨である。


※ジルド=フォン=グランツ:

第1話で「学年主席」の肩書きをドヤ顔で披露した直後に、カグラにぶっ飛ばされた男。

その後は謎のブランクを経て、なぜかアップグレードされた制服姿での再登場。


「なんか制服だけアップデートされてない!?てかお前ら何でここにいんの!?」


リリィがくるりと回って一言。


「え? 出番かな〜って思って?」


「ゆるっ!!!」


セリスティアがぽつりとつぶやいた。


「この世界、ついに“登場理由すら観測できなくなってきた”のかもしれない……」


ジルド「ちなみに、観測者への履歴書はまだ返ってきてない。封筒には“既読”って刻印だけついてた」

シオン「観測者に既読機能など……いや、あるかもしれん。バグのせいで」

カグラ「観測者SNSあんの!?」


リリィ「それより聞いて!この新作、“焼きそばパンソード”って名前で──」

カグラ「何を切るつもりだよパンで!」


セリスティア「……じわじわくる」


 


──世界がバグってても、彼らは今日もテンプレ全開で元気です。



「というわけで、私たちも同行するわ。世界の異変? そういうの、気になっちゃう系お嬢様なのよ!」


リリィが腰に手を当て、どやっと決めポーズ。

ツインテが太陽光を反射してるのがちょっと腹立つ。


「いやいやいや、普通に迷惑なんだけど!?こっちは今パン焼いてるし!」


「パン焼きがそんなに重要なら、私が代わってあげるわ。リリィ特製・気合焼きそばパン!」

「絶対に焦げるだろそれ!いやむしろ発火しそう!」


 


横で、ジルドは真面目に世界バグの話をしていた。……なぜか竹刀を持ちながら。


「そもそも、空間座標の重複は“存在律”の異常を示す。つまり、貴様が2回同じ台詞を言うのも、偶然では──」


「いやそれ“前の回でも同じこと言った”って俺へのメタ指摘じゃん!?お前バグに乗っかってくるなよ!?」


「ふ、やはり私の頭脳はこの世界律にさえ通用する……」


セリスティアがふっと息をついて、ミルミの寝てる屋根に寄りかかる。


「どうする?この空気。ツッコミ役、足りないわよ?」


「任せろ」

カグラが手をあげた。


 


──バグ技、発動。


《???》が一瞬だけ起動し、**“空間処理の遅延”**が発生した。


次の瞬間、ジルドが──


 


「んあっ!?脚が、床に埋まったァ!?!?」


地面に半分沈んでいくジルド。焼きそばパンを手に。


リリィ「ちょ、ちょっと!私の台詞も読み込み中って出てるんだけど!?」


 


シオンが記録を取りながらぽつり。


「カグラ氏のスキル、観測ログに干渉して“テンプレ挙動”の処理順をいじってる……恐るべし、焼きそばパン効果」


カグラ「いや俺はただパンを食いたいだけなんだけど……!」


 


──結論:世界のバグにも、テンプレキャラにも、焼きそばパンは効く(かもしれない)


「……ふむ。わかったぞ」

地面から半身埋まったまま、ジルドが真顔で言った。


 


「この世界は“テンプレデータベース”を失っている。だから、私たちのような純度100%のテンプレキャラが再び台頭するチャンスというわけだな!!」


 


「えっ、逆に前向き!?」


 


「そうよねっ!」

リリィも勢いよく挙手。


「私たちのような、“わかりやすいキャラ付け”が、世界の安定に貢献するってことよね!?」


 


「いやいやいやいやいや、絶対混乱招くタイプのテンプレだろお前ら!?」


カグラが即ツッコミを入れるが、ジルドとリリィは止まらない。


 


「名乗り口上も必要だな」

ジルドが咳払いしてから叫ぶ。


「世界の調律!記録の支配者!学年主席!ジルド=フォン=グランツ、ここに推参!!」


「いらん名乗り多い!!」


 


続いてリリィ。


「ツインテール・フルパワー!財閥令嬢!筋力400超え!リリィ=ハートフィールド、プリティ☆登場っ!」


「キャラ渋滞にもほどがあるわ!!」


 


そのとき──

ミルミが寝ぼけながら屋根から顔を出した。


「……むにゃ……なんか、バグよりうるさいのいる……」


 


シオンもメモをとりつつひと言。


「バグ世界への侵食速度が一時的に鈍化。……原因、“テンプレ過剰キャラの騒音による干渉”」


「いやそれ物理的にうるさいってだけだろ!」


 


──でも確かに、バグの気配は、ちょっとだけ薄れていた。


セリスティアがふわりと微笑んだ。


「……なんだかんだで、役に立ってるのよね、あの2人」


「……ぐぬぬ……認めたくない……」


 


──テンプレの力、恐るべし。


そして、世界がバグっても、ギャグの勢いだけで日常は維持できるのかもしれない。


──そして事態は、いつの間にか悪化していた。


 


「な、なによこの空気の圧!?」

リリィがスカートを押さえながら後ずさる。


「くっ……まさか、我らのテンプレ波動に反応して、バグが呼応したか……!」


ジルドの顔が、いつになく真剣だった(でも若干嬉しそう)。


 


目の前の空間が、ひび割れるように“ズレ”始めていた。

まるで映像のコマが飛ぶように、周囲の景色が一瞬ずつバグっていく。


 


カグラがつぶやく。


「おいおい、こっちはパン焼いてただけなんだけど……またバグの波、来たか?」


「観測範囲に異常な存在圧。数値、リリィ=ハートフィールドとジルド=フォン=グランツの波形と一致」


「うわー完全にお前らのせいかーーー!!」


 


 


──そのとき。


空間の裂け目の奥から、声が響いた。


 


「……テンプレ、確認。再出現……“調整”が必要だな……」


 


低く、機械的な声。


そこから現れたのは、モニターフェイスを持った謎の人物。

全身に流れるようなラインが光り、頭上には【DEBUG】の文字が浮かんでいる。


 


「誰!?」

「また新キャラ!?てか管理者!?デバッグ!?!?」


カグラが思わず焼きそばパンを落としかけた。

(※セリスティアが魔法でキャッチして無事)


 


シオンが、目を細めて分析を開始する。


「……あれは……“整合性調整個体”。観測外テンプレの出現に対して、世界律が送り込む自動調整ユニット……!」


「つまり、テンプレキャラが濃すぎると出てくる“中和剤”ってこと!?」


 


ジルドは逆に燃えていた。


「ふはははは!来い!!調整者よ!!テンプレが悪で何が悪い!!」


「おまえテンプレ中毒か!!」


 


リリィも目を輝かせる。


「“正規分布の破壊者”、そんな肩書きも悪くないかも……!」


「だから脳筋すぎるって!!」


 


──世界の整合性はますますズレていく。


テンプレ vs デバッグ。


焼きそばパン片手に、物語はまだギリ日常寄り(?)


「調整開始──対象、ジルド=フォン=グランツ、リリィ=ハートフィールド、および……焼きそばパン保有個体」


 


「なんで俺が一緒くたなんだよ!!!」


 


謎の調整ユニットがゆっくりと手をかざすと、空間に“整合処理”のエフェクトが走った。

光と数字の羅列が空中に浮かび、ジルドの口上が途中でノイズまみれになる。


「わ、我こそは、世界律に──【再構築中】──え、えっ!?」


 


リリィのテンプレ台詞も途中で止まる。


「さあ、行くわよ!私のツインテが……【待機状態】って何よコレ!!」


 


「やべぇ、マジで強制処理され始めてる……」

カグラが半笑いでパンをかじる。


 


──と、そのとき。


《???》が反応した。


カグラの周囲に、またも“何か”がぶわっと広がる。

世界のプログラムに無断で干渉するバグスキル、発動。


 


「……また来たか、謎の発動」


セリスティアが額に手を当ててつぶやく。


 


調整ユニットが固まった。


いや、正確には、処理落ちした。


 


【整合性解析中……】

【整合性解析中……】

【整合性解析中……】

【整合性解析中……】


 


カグラ「いや、なんかフリーズしてない……?」


シオン「……完全に“未対応スキル”に遭遇してオーバーフローしてる」


 


──そして次の瞬間。


ユニットの頭上に、でかでかと表示された文字列があった。


 


【しばらくお待ちください】


 


「それただのエラー画面じゃねぇか!!!」


ジルドとリリィが叫ぶなか、カグラは口にパンを放り込みながらつぶやいた。


「やっぱ、焼きそばパンは最強なんじゃね?」


 


──世界律が止まりかけても、

──テンプレが暴れても、

──焼きそばパンは、うまい。



──しばらくして。


空間のヒビは止まった。

デバッグの輝きも消えた。


 


【整合性調整ユニット:停止】

【原因:スキル“???”による非対応バグ干渉】

【結論:様子見】


 


「おい、“様子見”ってなんだよ!?そのまま帰んのかよ!?」

カグラがパンの袋で顔を仰ぎながらツッコむ。


 


調整ユニットは、最後にこう言い残して去っていった。


「……テンプレも、バグも、想定外すぎる……また後で来る……」


 


そして、ふっと姿を消す。


空間の歪みも少しずつ元に戻っていく。


 


 


「……勝ったの?これ」


「わからん……だがテンプレが……世界に“許容”された気がする」


ジルドは意味深に頷いた。胸を張って。


 


「ふふ、私たちの魅力、世界がわかってくれたのね……!」


リリィも誇らしげにツインテを揺らす。


 


「いや、単に“処理するの面倒だったから後回し”にされた気がするけどな……」

シオンの小声は届かない。


 


セリスティアがにこっと笑って、カグラの隣に腰を下ろす。


「……焼きそばパン、残ってる?」


「ラスト一個なら。二つに割る?」


「割る気あったんだ……!」


 


──というわけで。


世界がバグっても、テンプレが空気読まなくても、

焼きそばパンは平和で、おいしい。


 


そして──


「ま、そんなこんなで今回の騒ぎは収まった。次回は……」


カグラがふと空を見上げたとき。


──また別の“存在”が、そっと姿を現そうとしていた。


(※次回、新展開!)


お疲れ様でした!

いやー、テンプレって強いよね。物理的にも、存在的にも。


ジルドとリリィ、書いてて楽しかったです。完全にボケとツッコミ要員。

そしてそれすら調整しきれず、デバッグキャラが帰るという前代未聞の展開に。


世界観崩壊?

いいえ、“世界が空気を読んだ”とも言えるでしょう(たぶん)。


次回からは、ちょっぴり新展開に入ります。

また新しいキャラ(意味深な男)が登場しますので、お楽しみに!


それではまた、焼きそばパン片手に!

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