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雨の休日

魔道具カサヲムは大きなガラスコップ状にした魔法盾を逆さまにして被る魔道具だ。魔道具だからサイズが一定で地面から300MMで浮くようにしてあり足元は濡れやすい。

今、俺が使っている魔法使い用の魔法具カサヲムはサイズも強度も変えられ水溜まりを踏まない限り濡れない。だからといって際限なく大きくして歩いて良いわけではないので、タイカと手を繋いで歩いている。

エアちゃんは雨を眺めるのが好きで、お気に入りのブランコから外を眺めてお留守番をしている。


王立機関が揃う区画で学校の隣にある王立図書館に行くつもりだから歩いても二分もかからないけど、お散歩デートなので遠回りしているからなかなか着かず、タイカお気に入りの珈琲が飲めるケーキ屋に入った。

イートインでケーキを頼むと珈琲がただで飲める、ケーキがメインの店。

俺は秋に入ると一回は食べるモンブランと彼女がここで食べるパンプキンパフェの会計は俺が払い、その他にタイカはフォルテへのお土産にしては多すぎる数を頼んでいたが、その分はタイカ自身で払っていた。


色々突っ込みたいけど、口にするなと目が語るから言葉にするのは諦める。図書館に行く前に寄宿舎に寄ることは決定したみたいだけど。

とりあえず雛鳥のように口を開けている彼女に一口分を入れてやる。幸せそうに、ニコニコする彼女を見ると嬉しくなる。モンブランの生クリームを減らせたから、なおさら嬉しい。同じ生クリームだろうけどモンブランだと甘過ぎると感じるのは俺だけかな。

さらに口を開けるからリキュールが染みたスポンジ分も含めて口に入れる。

すでに乗っていた栗は食べたから、残りをいくら渡しても、彼女の可愛い仕草を見られたら追加で買ってきても良いと思う。


窓の外からアピールするように口を開けている後輩達はどうしようと思ったら、タイカが根負けして窓を見て手招きしてしまい、彼女達の分のケーキを買いに行ってしまった。

図々しくデートに割り込んできた、今日の美少女達はかなり眠そうで魅力が30%オフになっている。


「おはよう。眠そうだな」


「おはようございます。ヤバいです」

そう言ってリンは俺の隣にドカンと座る。


「おはようございます。眠いです」

スポンサーを置いてきたタルトはそう言いながら俺の前に座った


「ずいぶん眠そうだがどうした?」


「昨日あまり寝られなくて、でも起こされたので、寄宿舎で寝ようかと歩いてたらタルトちゃんも出てきて」「私も同じく寝たら負けの気がしたんですけど、リンちゃんに誘惑されましたので、寝たいです」


「昨日のやつが刺激が強かったとか?」


お人好しが帰って来てそう言う。

船を漕ぎながらケーキを食べ、でも目蓋を閉じているから、疑問を口にする。


「二人とも目を瞑ったまま見えるのか?」


「見えませんよ」


「でもケーキは食べているよな」


「ケーキを取る時だけ見えます」


「私はケーキを取る時は目を少しだけ開けます」


「リンの方が透視が優れているのか?」


「そうなんですか?」


「後にした方が良さそうね」


店を出ると雨は上がり虹が見える。

俺とタイカは少し眺めたが、後輩達はふらふら前を歩き危ないので魔法で浮かべて運ぶことにした。


「どういうイメージの魔法なの?」


「エアちゃんを両手の上に座らせるイメージで浮かべた」


二人はその上を向き合いハートを作って寝ている。


「なるほどね。でも完全に寝てるけど、どうするの?」


「着いたら起こせばいいだろ」


「それもそうね」


部屋の前に到着したときに、ドアを開けてくださいとか言うから、面倒になって俺のベッドに二人を寝かせてエアちゃんにあとを頼んで来た。エアちゃんは雨が上がってもまったりしているから、なんかあったら念話がくるだろ。


学校の正門付近で営業している本屋に入ると、タイカが欲しかった魔眼の本が見つかり購入する。魔眼の種類が割合が高い順から並んで解説してある。同じものが欲しくなり買おうとしたら別の本を買わされた。同じ本があっても必要ないは理不尽だと思う。


王立図書館に移動し図書館内の軽食屋でお昼を済ませ、寄宿舎に戻るとリンが俺のベッドで寝ていて、タルトはいなかった。


「エアちゃん。ただいま」


『お帰り。タルトは自分の部屋』


「そう、ありがとう」


『うん』


エアちゃんはまったりが終わったみたいで、俺の肩に止まったら、すぐ飛び立つを四度繰り返してからタイカの所へ行くと言って扉をすり抜けた。そうなるとリンが邪魔だな。服が散らかっている。下着を見ただけで発現する魔法なら(はじ)けるか試すか?


「リン、起きろよ」


「おはようダーリン」


「いや、お前のダーリンじゃないから」


「先輩のケチ。少しくらい良いでしょ、キスで起こしてくれても良いじゃない」


「お前の将来のダーリンに起こられる」


「カサヲムに怒られるの?」


「いや無い。リンは俺にはもったいない」


「ごまかされませんよー。私は自分が幸せになる最善の選択をします」


「そうしろと言ったな俺は、とりあえず俺に最後の魔法が掛からないように服を着ろ。散らかっているのお前の服だろ」


「えーと、ごめんなさい。後ろを向いて下さい」


「了解」

下着姿のリンが見られなかった


「トイレをお借りますね」


「おい、服を()てけよ」


「今度からそうしまーす」


気配が離れた。さすがに下着は()けてるな。

リンはどの魔法が掛かっているのかな?


「先輩、そちらに行きたいのですが?」


顔だけ出してこちらを見てる。

黙って後ろを向くと着替えを始めた。後ろから抱きついてくると思って反撃の準備をしてたのに残念だ。


「先輩。大丈夫です」


振り返ると顔を洗い、しゃきっとして美少女が復活してた。


「さっぱりしたな」


「はい、ダーリン」


「タイカに怒られるぞ」


「それは困ります。先輩が振られるまで待機にします」


なぜ俺が振られる前提なんだろ?

でも、さっぱりしたリンは再会したときより、少し大人になった女の()の顔になっていた。


「綺麗になったな」

つい言葉が漏れた


「今、口説きました?」


中身は成長してないようだ


上空から見ると私が住んでる部屋の隣がケーキ屋さん。借りている駐車場も隣ですので、お隣さん割引が使えます。だから私の車の前にお客さんの車を置かれ、出られなくても文句は言いません。

でもマカロンは切らさないでとは思っています。

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