後輩達への罪悪感
R-15
「エアちゃん、そろそろ寝る時間だよ」
『うん。分かった』
別にエアちゃんから的を引き継いで、嫌になったからではない。
もう少しで夕日が海に沈むところだ。
タルトは少し気の入った盾を出せるようになってきた。ボールが当たった音も石板に当たる音と遜色無い。
タイカはそろそろ魔法盾の硬度は上限に近い。さすがに木剣に気を乗せたら魔法盾では防げないけど、タイカが作る結界は、俺では抜くことは出来ないだろう。気通しで飛剣ならどうかな?
「みんな、今日は終わろ」
「はい、そうします」
「はい。お姉ちゃんにお願いがあります」
「なあに、タルトちゃん」
「カサヲムさんのオーラを感じたいです」
「いいわよ。きっかけを掴んだみたいだしね」
「少し待て、エアちゃんの後だ」
タイカに任せてたら、タルトに気を注ぐことが決まってしまった。
「はい、分かりました」
なぜか皆、俺の部屋までついてきて、エアちゃんの寝支度を見てる。
お友達が増えて良かったね。
『楽しかった。またね』
「「「楽しかった。またね」」」
「おやすみ、エアちゃん。明かりを消すね」
そしてタルトの部屋にお邪魔する。
「リンもタルトもエアちゃんの念話が聞こえるのか?」
「はい、私のお家には昔から使い魔さんが結構いますから、他のお家の子ともなんとなくお話ししてました」
穀倉地帯の使い魔さんか、たぶんエアちゃんの敵もいるな。
「リンちゃんもそうなの?」
「私は念話ではないですけど、エアちゃんが表情豊かで分かりやすいから、言いたいことが伝わってくる感じです」
「そんなこともあるんだね」
ウソでしょ。契約するまで何言っているか俺には分からなかったぞ。
「それで、さっきみたいので良いか?」
「はい、お願いします」
「じゃあ、失礼するよ」
タルトと互いに身体を離れないように抱き合ってから、オーラでタルトに気を送り込む。そこから先のタルトはとにかくエロかった。男の子がとにかく元気になる。俺の理性に対する試練はランさんのそれより苛酷だった。
エアちゃんを先に寝かせて良かったと思う時間まで耐えていたタルトの力が抜けてきた。俺の理性が勝った瞬間だ。勝ちで良いはずキスもしてない。
抱き上げたタルトは手で顔を隠している。
「タルト。ベッドに寝かせるよ」
「はい、お願いします」
顔を上げるとリンまで顔が真っ赤だ。
「リンちゃんはどうする?」
「はい?待て、タイカ。リンはいいんじゃないか。なあリン」
リンにこの状態は嫌だ、リンにはまだ早い、リンには男の子を知られたくない。
「私もお願いします」
「ウソでしょ」
「私も16になります。大丈夫です」
「本当にやるのか」
「ダーリン大丈夫よ」
「分かったよ。リン少し覚悟しろ」
「はい、お願いします」
リンが腕を広げて抱きついてきたので受け止めて抱きしめる。
リンに元気な男の子を当ててしまった。敗北感を感じる。オーラで抱きしめリンに気を注ぐと、リンは元気な男の子を抑えつけるように身体を寄せて女の子の匂いをさせてくる。俺の顔をうっとり目で見ながら、耐えるように漏れる声に背徳感を感じる。
リンの足の力が抜けてきたから、腰から持ち上げるように抱きしめて、タルトが慌てて退いたベッドへ倒れこむように寝かせた。
「リン大丈夫か?」
やっぱり顔が赤い
「先輩。好きです」
額にチュッとしてそこを中指でつく。
格好つけた。なんでやった俺。
「うん、大丈夫そうだ。送るから車を持ってくる。タイカ。フォロー頼む」
「はーい、その前にキスして」
声も掛けずにキスをした。
リンが復活してきた頃にようやく離れ車を取りに行く。
「タイカさんが羨ましいです」
リンはさっきからこればかりだ。
「ふふ、いいでしょう」
「お姉ちゃん。あと少しで気が掴めそうなの。だから、またカサヲムさんを貸してください」
「私がいるところでね」
「はーい」
「私もお願いします」
「私がいるところならね」
「はい、約束します。元々私はタイカ先輩推しです」
リンはそうだったな。でもタイカさんは俺の意見は聞かないか。
俺は無理だと思っていたが、こんなに簡単に気付きの段階までタルトは来てしまったもんな。
タルトの段階までくるのに、八年間はかかった俺は納得できない。
「カサヲム先輩はおとなしいですね」
「少し罪悪感を感じてるの。リンちゃんとタルトちゃんを汚したぁとか思ってる」
当てるなよタイカ
三人で無かったことにしてたのに
「そうなんですか?カサヲム先輩」
「私、カサヲムさんに汚されちゃったの」
「つきましたよ。タルトお嬢様」
「ふふ、はい、今日はありがとうございました。失礼します。お姉ちゃんもありがとうございました。リンちゃんも」「私もここで」
「少し遠いだろ?」
「お隣さんですよ、タルトちゃんと」
「嘘」
この前来た時は200M位走ったよな。
「本当です。それでは失礼します」
「はい、お休み」
「お疲れ様でした」
◇◆
「タイカ、当てるなよ」
「次はなんでリンにまでかな」
「当てるなよ。念話の共有なのか?」
「違うわよ、繋がって無いでしょ」
「それで」
「あの子もカサヲがちゃんと気を注いで上げたら、切っ掛けを掴めたと思ってね」
「あんなに簡単に覚えるなんて」
「それはあなたが凄いからなの、気が強くなってるし扱いも上手くなっているわ」
「そうか、でも男にはごめんだからな」
「そう、まあ、男に口説かれるあなたは見たくないかな」
「鳥肌が立った」
「でも、タルトちゃんはタイプでしょ」
「タイカがタイプなの」
「ありがと」
「夕食は予約してないだろ、何処で食べてく?このまま車で行くか?」
「シーフードが食べたいな」
「サバ推しなのに?」
「他にもあるでしょ、海の近くのところで選んでね」
「了解しました」
寄宿舎に向かっていたが、海方面に車を向けた。
◇◆◇
タイカの部屋に帰って来て、いつもより早くすっきりさっぱりしたところで、タイカに新聞と挟めていたメモを見せて、これからを相談した。




