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低レベルな戦闘訓練

本作品は気という言葉を使っています。

気配や元気といった気も、なろうでは馴染みのある気弾や気通しも同じ気として扱っていますので、よろしくお願いします。  m(_ _)m



恋人は二人。

しかし、今は恋人でないランさんが俺の部屋にいて、試練を受けている時間だ。

他の女の子と二人きりになっても耐える試練だ。最初から部屋に入れないと言っても駄目。二人きりになってから試練の開始で誘惑を今日ははね除けた。

防衛作戦開始後の翌日にランさんは三人を取り持ったご褒美で俺とのキスを所望し、二人が了承したのでキスをしたらワンアウトを取られた。

一番最初にすっきりさっぱりをしてくれたランさんに、男の子が反応するのは仕方ないと思う。


ランさんはいたずら好き。

もしかすると三人ともランさんのいたずらにはまったのかも知れない。少なくとも俺は幸せだからあまり気にならない。

恋人さんになったフォルテとタイカはエアちゃんとどこかで遊んでいる。


「木剣派だよね?けっこう強いと聞いたんだけど?」

正式名称は違う。誰も言わなくなったけど


「まあ、そこそこだけど最近はサボリ気味かな」

近接特化にはなりたくないし。


「何で?」


「とりあえず支部では五段までで、あとは本部に推薦されないとだし、うちの道場は魔法も混ぜてるから正当派じゃ無いし、自分はここまでかなと」


「資格が目的?」


「目標だね。子供の頃見たオーラの可視化が格好良くて、それが使えると五段。分かりやすいでしょ」

そう言いつつ気を張る。


「なんか出た。なんか顔に触った」


「くふっ」


「ふうん。それが使えると役に立つのかな」


「普通は剣に纏わせてフェイントとか」

オーラを変化させ剣を二本作って時間差攻撃を見せる。

自分はあまり上手ではない。出来なくはない。同門エリートに通用しないだけ。


「でも盾で守って、魔法でドンの方が強い」


「この学校はみんな盾派なの?」


「そうだよ。盾の大きさが変わったりするけど、近接では盾を振り回す」


「へえ、俺の最近の武器はこの(すい)がメイン。気を扱う訓練用に老師から勧められた」


「木で出来たオクラ?どうすんのこれ?木製だし軽くない?」


「本来は糸付から始めて念糸で操るらしいけど、老師から習った方法を使えば、気で自由に動きを変えられるから、盾を構えても六方面から攻撃されたら防ぐのは無理ですよ」


見栄を張った。気で動かせるのは魔法も使って五本だけだし、型以外は単調な攻めになる。俺もまだまだです。

ただ、こいつの内部に魔法文字を刻んである。こいつさえあれば俺でも内側から攻撃可能な高位防御結界と、向きを変えるだけで敵を閉じ込め外側から攻撃できる攻撃用結界が、一秒弱で展開できる。


ランさんが試したいと言って、フォルテ達も連れて庭で訓練を始めた。

でも訓練にならない。摺り足も出来ていないから前の学校の体育レベル以下で、入門したばっかりの子供を相手しているようだ。

フォルテとタイカは盾でガードし、エアちゃんを肩に乗せない訓練をしている。

肩に乗ってから払ったら駄目ですよ。

ほら、エアちゃんが怒った。


「剣を使うまでもない」


よそ見をしていても間合いの外から振り始めるから、ステップだけでランさんの攻撃はかわせる。ランさん相手なら(すい)が三本でおつりがくる。


「でも、破っ。そんなの、はぁ、当たっても、ふぅ、痛く、もお、ない」


「二人よりましなだけでしょ。足の下に錘を置いただけで、何回も転がった人に言われたく無いのですが?」

三人に睨まれた。

 

「はぁ、ああ、うるさい。少し休憩」


「実際に学校では、みんなどの位置にいるの?」


「私は上の中で、二人はちょうど平均位だよ」

ランさんが真ん中で、二人は下の方かな?上位はまともであって欲しい。


「フォルテ。合っているの?」

頷くだけ。

視線をタイカに向けると顔をそらされた。


入門編の足運びを簡単に説明し、一番軽い盾を使うタイカから盾を借りてエアちゃんに突破されないような訓練を見せたら、恋人二人は激しく頷く。素直です。


「でも攻撃が軽い」

ランさんはまだ言ってる。


「えっと、本気でやったら盾を貫通しますよ」


(すい)を使っても、気込めの他に気通しが使えるけど、師範代が持つ木剣を砕いてから、上位者相手でも対人組手では禁止された。

覚えたての(すい)で、不慣れな気込めと気通しの合わせ技が通用するとは思っていなかったから、お互いに驚いた。


「でも普通の板じゃ無いから。無い無い」

「魔法もついてるよ」


「気は魔法を切ることができるから、総金属製の魔道具盾や中位以上の結界を重ねたなら無理だけど、合金を貼った補強魔法程度の町売りの盾なら楽勝だよ」


「えっマジ?」「嘘だね」

フォルテは疑わない。

タイカはほんとに知らないの?


「みんな魔法盾を張れるよね?それで試してみる?」


魔法盾は魔法使いが咄嗟に身を守るために魔法で作る盾だ。

魔法使い以外の人は先に手で守るらしいから魔法の有無の計り扱いだし、魔法使いなら当然使えるけど疑わしく思えてきて聞いてしまった。

習熟によって身体から離して使えたり、硬度も変わってくる。


「じゃあ構えて」


木剣に気を送り順に魔法盾を切る。

タイカのが一番固かったけど厚揚げ

フォルテは絹ごし

ランさんは木綿


ランさんは剥きになり盾に魔法盾を重ねたのは、ちょっと可哀想になり剣は使わず、(すい)を貫通させといた。


ただ女子を泣かせたら男子は負けと学習した。だから言ったのに。


まあ王立魔法学校の近接は使えないと思えて、今後も練習に付き合うことにした。


◆◇◆


その日の夜、フォルテといちゃついてから、タイカの部屋にフォルテとお邪魔する。


「カサヲはほんと色々やっているから中途半端だと思ってた」


「バランス型は自覚してる、でも半端扱いは拒否する」


「私は(あるじ)さんが恋人で嬉しいです」


「フォルちゃん。ずれてますよー」


「それにしても、俺達以外にまだ誰も来ないね」


「あたしも夏は初めてだし、フォルちゃんは分かる?」


「ご飯が出ないからとかですので、戻るのは登校日近くになってからだと思います」


「フォルちゃんはどうして早くに?」


「うちは爵位を取ると一人前扱いなので、大体は家を出ることになっています」


「王族が厳しい」


「話しが飛ぶけど新月はどうする? 俺は火の()りがあるからタイカが一緒に来てくれると嬉しい」


「ねぇ(あるじ)さん。私も誘ってください」


「フォルテはバイトがあるでしょう」


「その火の()りって何?」


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