35 ゆうぐれのけはい
「ま、またね……!」
「うん、またね~!」
時間が過ぎるのは早いもので、夕方の五時になっていました。子供たちは家に帰る時間です。
お菓子やぬいぐるみ遊びを楽しんだあーくんは、ナギサちゃんに手を降って笑顔を向けました。
もちろん、ぬいぐるみのこぐまさんは忘れていません。
あーくんはこぐまさんを抱きしめて、自分の家へと帰っていきます。
「あのね、あーくんね。ナギサちゃんと、また遊びたいの。こぐまさんもそう思うでしょ?」
すると、ぬいぐるみのこぐまさんはあーくんに話しかけました。
「あぁ、俺もそう思う。にしても、あの『雪』には何か親近感がわくんだよなぁ」
「雪ちゃんが? なんで?」
「う~ん……。実は俺と同じで話せたりとか、人間になれたりとかしてな」
それを聞いたあーくんは、きゃいきゃいとはしゃぎます。
「それ、すごくいいかも~!」
「だろ?」
あーくんとこぐまさんが話していた時です。急に、周りの雰囲気が変わり始めました。
辺りはしんと静まり返り、夕暮れも相まって少し不気味です。
「旦那。何かが俺たちを狙ってる。気をつけろよ」
「う、うん……」
あーくんはこぐまさんを抱きかかえ、周りを見渡します。
その直後、あーくんの横目に小さな星くずが写りました。
「え?」
あーくんが気づいたときにはもう遅く、あーくんはどこかの世界へと吸い込まれていきました。




