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あーくんあのね、きょうね。  作者: 吐 シロエ
ねがいとぼうけん
29/38

29 おわかれ

 あーくんが顔にはてなマークを浮かべていると、ニセモノさんはパッと表情を変えて笑顔を見せました。


「あはは、暗い話してごめんね。つい癖で」


「ううん、大丈夫。あーくん、ニセモノさんのこと分かってるから」


 そう言い、あーくんはニセモノさんの頬を撫でました。


「……うん、君のおかげで、少し元気になった」


「本当? ありがとう!」


 あーくんは笑顔の花を咲かせ、きゃっきゃっとはしゃぎます。


「とまぁこんな感じで、こぐまを受け入れるのはどうかな?」


 ニセモノさんは先程の笑顔とは違い、にっこりと笑っています。あーくんはそれがどうも不思議でしたが、聞かないことにしました。


「うん! あーくん、頑張る!」


「お兄さん、ありがとう」


「どういたしまして」


 あーくんとニセモノさんには暗い表情はさっぱりなくなって、どこか晴れ晴れと顔をしています。


「さぁ、これならもう大丈夫だろう?」


「行っておいで」


 ニセモノさんは、あーくんの背中を優しく押しました。すると、あーくんの周りに光の粒がいくつも現れます。


「うん、いつも助けてくれてありがとう。ニセモノさん」


 あーくんは笑顔から、決意を固めた顔へと変わっていきます。


「行ってくるね。こぐまさんと仲直りするために」


「そうだね。……もう僕から言うことは何もない」


「大人になっても、彼らのことを忘れないで」


 ニセモノさんは爽やかな笑顔を咲かせました。


「またね、お兄さん」


「あぁ、また」


 ニセモノさんは丘の木の方へと向かい、あーくんはショッピングモールへと消えていきました。

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