29 おわかれ
あーくんが顔にはてなマークを浮かべていると、ニセモノさんはパッと表情を変えて笑顔を見せました。
「あはは、暗い話してごめんね。つい癖で」
「ううん、大丈夫。あーくん、ニセモノさんのこと分かってるから」
そう言い、あーくんはニセモノさんの頬を撫でました。
「……うん、君のおかげで、少し元気になった」
「本当? ありがとう!」
あーくんは笑顔の花を咲かせ、きゃっきゃっとはしゃぎます。
「とまぁこんな感じで、こぐまを受け入れるのはどうかな?」
ニセモノさんは先程の笑顔とは違い、にっこりと笑っています。あーくんはそれがどうも不思議でしたが、聞かないことにしました。
「うん! あーくん、頑張る!」
「お兄さん、ありがとう」
「どういたしまして」
あーくんとニセモノさんには暗い表情はさっぱりなくなって、どこか晴れ晴れと顔をしています。
「さぁ、これならもう大丈夫だろう?」
「行っておいで」
ニセモノさんは、あーくんの背中を優しく押しました。すると、あーくんの周りに光の粒がいくつも現れます。
「うん、いつも助けてくれてありがとう。ニセモノさん」
あーくんは笑顔から、決意を固めた顔へと変わっていきます。
「行ってくるね。こぐまさんと仲直りするために」
「そうだね。……もう僕から言うことは何もない」
「大人になっても、彼らのことを忘れないで」
ニセモノさんは爽やかな笑顔を咲かせました。
「またね、お兄さん」
「あぁ、また」
ニセモノさんは丘の木の方へと向かい、あーくんはショッピングモールへと消えていきました。




