28 はなしをしよう
「よしよし」
あーくんは震えるニセモノさんの頭を撫でました。こうすれば、ほとんどの人は心が落ち着くのです。
「……ありがとう。でも、もう大丈夫だよ」
「よかった!」
あーくんとニセモノさんは、にししっと笑いました。
笑い方までそっくりなのですから、あーくんはこの人が本当に偽者でも仲良くなれる気がしました。
「それと、君に話したいことがあるんだ」
「なあに?」
あーくんは首をかしげました。その無邪気なしぐさに、ニセモノさんはふっと笑みをこぼします。
「こぐまのことだよ。君、こぐまを否定して逃げていったじゃないか」
「そ、それは……えっと」
言葉を詰まらせるあーくんに、ニセモノさんは少しだけ厳しい意見を言います。
「昔からいる友達なんだろう? ならなおさらだ。早く仲直りすることだな」
「ごっ、ごめんなさいい」
あーくんの瞳から、とめどなく涙が流れます。まさかここまで言われるとは思っていなかったのです。
「……あぁ。こちらこそごめんよ、僕もきつく言い過ぎた」
ニセモノさんはあーくんの頭を優しく撫でました。
撫でたり撫でられたりで、ニセモノさんは少し暖かい気持ちになりました。
しばらくしてあーくんが落ち着いた頃、ニセモノさんは話を切り出します。
「それで、こぐまの話なんだけど」
「うん」
あーくんはうなずいて、大人しく話を聞きます。
「こぐまはああ見えて、とても寂しがり屋なんだ。そして孤独の闇を抱えている」
あーくんは「孤独?」と尋ねると、ニセモノさんは「一人ぼっちのことだよ」と教えてくれました。
「そう、こぐまは一人ぼっちなんだ。しかも自分が寂しいのを上手く隠せるから、少しやっかいでさ」
あーくんは二回ほどうなずき、真剣に話を聞いています。
「だから、こぐまの寂しい気持ちを受け入れてくれないか」
ニセモノさんは諦めたような笑顔で言いました。
「……僕にはできないからさ」




