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あーくんあのね、きょうね。  作者: 吐 シロエ
ねがいとぼうけん
27/38

27 にせもの

「大丈夫かい?」


 涙で目を赤く()らせたあーくんを心配して、男の人は優しいあーくんの頬に触れます。


「……うん。ごめんなさい」


 あーくんは皆を怒らせてしまったことに責任を感じているようで、男の人は穏やかな口調であーくんの頭を撫でました。


「あれは皆、偽者なんだ」


「皆が君を責めている訳じゃない。だから、大丈夫」


「……そうなの?」


「うん、そうさ。僕が嘘をついていたら()()()()()()しよう」


 あーくんはその言葉に聞き覚えがありました。あーくんがよく間違う、『嘘ついたら針千本飲ます』の約束だからです。


「お兄さんは、何者なの?」


「うーん……そうだなぁ」


 男の人は間を開けて、困ったように答えます。


「君の偽者。『ニセモノさん』でいいよ」


「ニセモノさん……」


 男の人は自分をニセモノさんと名乗りました。


 よく見れば髪型や目の色があーくんにそっくりで、服は違えど、男の人は正にニセモノさんと言ったようです。


「あ」


 あーくんは前にニセモノさんと出会ったときに、お父さんに似ていると言っていました。


「どうかしたのかい?」


「ニセモノさんは、あーくんのお父さんなの?」


 お母さんによれば、あーくんのお父さんは遠いところにいるらしいです。


 それであーくんは、お父さんが夢の中で会ってくれるのだと思っていました。


 ニセモノさんは驚いて目を見開きましたが、やがてうつむいて目を伏せました。


「……ううん、違うよ。確かに僕は君のお父さんに似ているけれど、君のお父さんじゃない」


「じゃあ、お兄さんは誰なの?」


 あーくんの純粋な問いに、ニセモノさんは戸惑います。


「僕は君の偽者で……そう。僕の正体が分かるのは、君がもう少し大きくなってからだ」


「……ごめんよ」


 ニセモノさんはやるせない気持ちで、あーくんの頭を撫でて呟きました。

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